病院の外から健康を支える――合同会社エターナルヘルスが届ける“まちの看護師”という選択肢

合同会社エターナルヘルス 代表 佐々木久美氏

合同会社エターナルヘルスは、看護師として30年以上、病院・施設・地域医療の現場に関わってきた佐々木久美氏が、病院の外から人々の健康を支えるために活動する会社です。ナースケアサロンSHANTIの運営や、「まちの看護師」としての地域活動を通じ、病気になる前の日常的なケアの大切さを伝えています。本記事では、佐々木氏に事業への想いや経営の軸、今後の展望について伺いました。

病院の外で、健康を守るために

――現在の事業内容について教えてください。
3年前に、ナースケアサロンSHANTIという1人サロンを開きました。オイルトリートメントの技術を通して、心身のバランスを整え、深いリラックスへ導く施術を行っていますが、美容目的のエステではなく、健康維持や心身のセルフケアを目的とした施術という位置づけで展開しています。

もう一つが、まちの看護師としての活動です。病院の外に出て、地域の人に寄り添う活動をしています。

多世代がつながる場づくりとして、地域食堂やカフェなどの運営に携わり、地域の中で健康を支える取り組みを行っています。

――事業の特徴や強みはどのような点にありますか。

私は看護師になって30年以上、病院や福祉施設で多くの方に接してきました。病院に来る方は、病気になってから来られる方がほとんどです。そして、病院に行けば薬で治してもらえると思っている方も多いと感じてきました。

でも、薬や医療だけに頼るのではなく、自分で自分の体を知り、日常生活の中でケアしていくという視点も大切です。

その考えを広めたくて、自分のサロンを開きました。看護師としての知識と経験があることが強みで、一般的なリラクゼーションサロンとは違う価値を届けられると思っています。

「もっと優しい看護師になりたい」から始まった道

――看護師を目指したきっかけを教えてください。
高校生のときに転んでけがをして、脱臼してしまったことがありました。そのときに通っていた整形外科の看護師さんが、とても冷たくて怖かったんです。

リハビリに通っても、誰も話しかけてくれない。それがすごく寂しくて、「私だったら、もう少し患者さんに優しくするのに」と思ったことが、看護師を目指すきっかけになりました。変えてやろうというよりも、優しい看護師になりたいと思ったんです。

――経営判断の軸になっている価値観はありますか。
病院や施設では、経営を大事に考える部分もあります。検査や薬の投与など、お金を稼ぐための仕組みが必要になることもあると思います。

ただ、私が自分でやりたいのは、利用者さんのことを本当に思い、価値を提供することです。そうすれば、お金は後からついてくると思っています。だからこそ、真摯に向き合うことを大切にしています。

3人で育てる「まちの看護師」の活動

――まちの看護師は、どのような体制で活動されていますか。
まちの看護師は、現在3人で構成しています。それぞれに得意分野があり、普段は別々の活動をしていますが、何かあったときには集まって一緒に取り組んでいます。

コミュニケーションでは、毎日LINEでやり取りをしています。それぞれが行ったことの報告をしたり、イベントがあったときには必ず振り返りをして、議事録も取っています。プライベートで個別に会うことはあまりありませんが、事業をしている方たちの集まりには一緒に参加し、食事をすることもあります。

――今後、一緒に活動する人に求めることはありますか。
本当に人間が好きな人がいいですね。普通にコミュニケーションが取れるだけではなく、相手のことをきちんと思える方です。

実は、インスタの投稿を見て「私もまちの看護師になりたい」と言ってくださる方は何人もいます。ただ、活動自体がまだ1年も経っておらず、構築中です。知らない方をすぐに迎えて体制が崩れることも怖いので、今は3人でやっていきたいと思っています。

一方で、ご自身で個人として活動していく覚悟があり、展開していける方には、ノウハウをお伝えしていきたいです。

企業の健康を支えるコンサルへ

――今後挑戦していきたいことを教えてください。
病気になってからではなく、働く世代の方、特に30代、40代の方に、生活習慣を見直し、自分で自分の健康をつくっていけるという未病(病気になる前の)ケアの大切さを伝えていきたいと考えています。そのために、企業の健康コンサルをするのが目標です。

健康経営を目指す企業の中に入り、職員さんやスタッフさんの健康を支えることで、離職を防ぐことにもつなげたいと思っています。メンタル面のサポートもしていきたいです。

――そのために現在取り組んでいることはありますか。
今は、第一種衛生管理者という国家資格を取るために勉強しています。また、ストレスチェック実施者研修も受けることが決まっています。

ストレスチェックは、チェック項目をつけて提出して終わりになってしまうことが多いと思います。でも、そこで終わりにしたくありません。その結果をきちんと生かして、コンサルやカウンセリングにつなげ、働く人が心身ともに健やかに働ける環境づくりを支え、社会全体のウェルビーイング向上につなげていきたいと考えています。

地域の中に入り、自分をいたわる方法を伝える

――経営を続ける中で、譲れない思いはありますか。

人は地域の中にいるものです。だからこそ、自分から地域の中へ足を運び、必要な方に必要な支援が届く関係づくりを目指しています。

――リフレッシュや健康管理について、大切だと感じることを教えてください。

私自身、病院に勤めていたときに大きく体調を崩し、仕事を休まなければいけない状況になったことがあります。そうなる前に、自分で自分をいたわる道があるということを伝えたいです。

その一つとして、リラクゼーションサロンを利用するのもいいですし、栄養バランスを整えたり、自律神経が整う生活を知識として身につけたりすることも大切です。ストレスから逃げられない環境にいる方もいます。そういう逃げられない気持ちを受け止め、サポートしていきたいと思っています。

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