戦わずして勝つ、愛と感謝のリーガルチェック。紛争を「思い出」に変える予防法務の真髄
弁護士法人山田総合法律事務所 代表弁護士 山田訓敬氏
福岡市中央区に拠点を構える弁護士法人山田総合法律事務所。その門を叩くクライアントの多くは、深い悩みを抱え、解決の糸口を求めてやってくる。代表の山田訓敬氏は、弁護士のステレオタイプである「法廷で戦う姿」とは一線を画す、独自の哲学を持っている。
「争い事が起こらないように火種を潰すことこそが、弁護士の理想である」と言い切る山田氏。その根底にあるのは、亡き祖父の遺言である「人の役に立つ人間になれ」という教えと、誰もが幸せになる社会を願う「愛・感謝・貢献」の精神だ。企業法務から相続・離婚といった家事事件まで、あらゆる紛争を「安心」へ、そしていつかは「思い出」へと変えていく。そんな「戦わずして勝つ」山田氏の経営道と、未来への展望を伺った。
目次
争いを未然に防ぐ「予防法務」が中小企業の盾となる
——まずは、山田総合法律事務所の事業内容と、他社にはない強みについて教えてください。
一言で言えば弁護士業務ですが、特に力を入れているのは「企業法務」です。法律顧問として日々のリーガルチェックを行い、トラブルが起こる前にその芽を摘む「予防」を重視しています。
一般的な弁護士のイメージは、トラブルが起きてから相談に行くものかもしれません。しかし、争い事が起これば当然コストも時間もかかります。争い事が起きた方が弁護士は儲かるのかもしれませんが、私はそもそも争い事が好きではありません。中小企業の場合、大企業のように法務部を持てないケースが多いですが、外部に私たちのような法務機能を持つことで、経営者の方々は安心して本業に注力できるようになります。「分かりやすく、かつ親身に」伴走し、もし戦うことになっても「勝つ」。これが私たちの強みです。
——個人向けの案件でも、その「予防」という考え方は共通しているのでしょうか?
例えば相続問題などは「予防」の考え方が非常にしっくりきます。亡くなる前にきちんとした遺言を書く、あるいは遺留分のトラブルが起きないよう事前に対処しておく。こうした準備があるだけで、家族間の不毛な争いを避けることができます。紛争が起きてから解決するだけでなく、紛争を起こさせないことこそが、相談者にとっても社会にとっても最大の利益になると信じています。
人それぞれの「正義」を認め、平和な社会を目指す。経営の原点にある愛
——山田先生が弁護士を志し、独立されたきっかけを教えてください。
原点は、亡くなった祖父の遺言です。「人の役に立つような人間になりなさい」と言われたことが、弁護士という職業を選んだ大きなきっかけでした。
独立を考えたのは、弁護士としての「正義」のあり方を追求したかったからです。揉め事というのは、お互いが「自分が正しい」と思っているから起こります。人それぞれに正義があり、正義感が強ければ強いほど激しく対立してしまう。しかし、徹底的に相手を打ちのめすことが本当に正解なのか。私は、相手の正義も立てつつ、依頼者の満足も図る「愛ある解決」が一番だと考えています。
——事務所の理念として掲げている「悩みを思い出に」という言葉には、どのような思いが込められていますか?
これは以前、離婚事件を担当した依頼者の方からいただいた言葉がきっかけになっています。その方は経営者の女性で、大変な裏切りに遭い、3年ほどかけて事件を解決しました。その半年後、彼女がふらっと事務所に来て「先生、あの時はひどいことも言ったけれど、今では本当に良い思い出になりました」と言ってくれたんです。
弁護士を頼る方は、悩み抜いて来られます。それを解決に導くことで、「あの出来事があったから今がある」と笑って振り返ってもらえるようにする。それが弁護士の使命だと思っています。
「愛・感謝・貢献」を共有し、志を同じくする仲間を育てる
——組織を運営する上で、スタッフや他の弁護士とのコミュニケーションで大切にしていることは何ですか?
常に伝えているのは「愛・感謝・貢献」という3つの価値観です。クライアントに対して愛を持って接し、いかに貢献できるか。そして、クライアントが来てくださることで事務所が成り立っていることに感謝する。これは弁護士事務所に限らず、すべての法人に当てはまることだと思っています。
採用においても、頭の良さ以上に「愛がある人」や「素直な人」であることを重視します。私たちの仕事は人の心に寄り添う仕事ですから、根底に愛がなければ本当の解決はできません。
——今後の展望や、挑戦していきたいことについてお聞かせください。
私と同じ価値観で業務を行ってくれる弁護士を増やしていきたいですね。現在は30代前半の若い弁護士も在籍していますが、私が持っている理念や技術をしっかりと伝承していくことが課題です。
そうした志を同じくする弁護士が育ち、独立したり支店を出したりして広がっていけば、社会から少しずつ争い事が減っていくのではないかと考えています。また、今後はAIをもっと活用して、より質の高い顧客サービスを提供できる体制も整えていきたいですね。
ゴルフでの交流が、新たな信頼関係の第一歩に
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
もうリフレッシュはゴルフばっかりですね。ゴルフ仲間がそのままクライアントになることも多く、ラウンド後の食事の席などでふと出る相談事が、新たな「予防法務」のスタートになることも珍しくないです。
――読者の方へメッセージお願いいたします。
経営者の皆様にぜひお伝えしたいのは、「愛ある経営」を一緒に目指しましょうということです。誰かの犠牲の上に成り立つ利益は、必ず紛争の火種になります。社員を犠牲にしたり、取引先を泣かせたりするのではなく、三方良しの精神で、みんながハッピーになる愛ある経営を実践していただきたい。何かに悩んだ時は、それがいつか「良い思い出」に変わるよう、私たちが全力でサポートいたします。