声で想いを届ける新たなファン体験――エンタメ業界の新インフラ『VoiceLetter』が描くコミュニケーションの未来
株式会社VoiceLetter 代表取締役 漣 誠明氏
ファンと著名人をつなぐ手段として、これまで主流だったのは文字によるファンレターでした。そうした中、「声」で想いを届けるという新たな体験を提供するサービスが誕生しています。株式会社VoiceLetterが展開する「VoiceLetter」は、アイドルやアーティスト、インフルエンサー、アスリートといった存在とファンを音声でつなぐプラットフォームです。本記事では、サービス誕生の背景や特徴、そして代表・漣誠明氏の価値観や今後の展望について伺いました。
目次
声でつながるファン体験の革新
――現在の事業内容について教えてください。
VoiceLetterというサービスは、声のファンレターという形で、アイドルやアーティスト、インフルエンサー、アスリートなどすべての著名人とファンを声でつなぐプラットフォームです。ファンが自分の声で想いを届けることができる点が特徴です。
――このサービスを立ち上げた背景を教えてください。
もともと音声市場に関心がありましたが、きっかけは身近なファン文化でした。K-POPなどが好きな友人とライブに行く中で、ファンレターはライブ前に預ける必要があり、その場の感情をリアルタイムで届けられないことに違和感がありました。また、従来のファンサービスはテキストが中心で、文字では伝えきれない想いがあると感じ、声で直接届けられる仕組みを作りたいと考えました。
――他社にはない強みはどのような点でしょうか。
最大の特徴は、声で送れることです。ファンは感情をそのまま届けることができ、受け取る側であるアーティストも音声であるため、移動中などでも負担なく聞くことができます。従来のファンサービスは演者側が発信するものが中心で、企画や編集などの負担が大きいですが、このサービスは演者側がコンテンツを受け取る形になるため、運用負担が軽い点も特徴です。
「声」に自信を持てる社会を目指して
――理念やビジョンについて教えてください。
もともとサービスとしての明確なビジョンがあったわけではありません。ただ、サービスを形にしていく中で、「声」というものの価値に改めて向き合うようになりました。
実は私自身、どちらかというと内向的な性格で、自分の声に対してあまり良い印象を持っていませんでした。ですが調べてみると、世界中、特に日本人の多くが自分の声に違和感やコンプレックスを抱えているということを知りました。ある調査では、日本人の84%が声にコンプレックスを持っているというデータもあります。
その背景には、日常の中で自分の声を発する機会が少ないこともあるのではないかと感じています。一方で、ライブのように感情が高まる場面では、人は自然と声を出せるものです。
だからこそ、そうした瞬間にこのサービスを使ってもらうことで、「声を出す」という機会そのものを増やしていきたいと考えています。
声で想いを届ける。その小さな行動の積み重ねが、自分の声を受け入れるきっかけになり、やがては自信につながっていく。そんな変化を一人でも多くの人に届けられる世界をつくりたいと思っています。
起業という選択――すべてを実現するために
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
高校生の頃から将来について考える中で、夢ややりたいことが明確になり、一言で表すなら「赴くままに生きたい」と思いました。何からも制限されずに、自分がしたいと思ったときにすぐそれができ、思いのままに動いたり、生きられる状態になるということです。
行きたい場所やしたい事があるけれど、時間やお金といった制約によって妥協したり。そう言った本当にしたいことがあるのに、妥協するということに違和感を覚えました。
たった一度の人生、何事においても妥協せずにすべてを実現するためには、自分で選択肢を広げられる立場になる必要がある。そう考え、起業という道を選びました。
――経営判断の軸となる価値観は何でしょうか。
効率も大切ですが、それ以上に「ワクワクするかどうか」を重視しています。新しくて面白いか、自分自身が興味を持てるか。その基準で判断してきました。
VoiceLetterについても、これまでにない新しい体験を生み出せること、そして自分自身もワクワクできると感じたことが、取り組むきっかけになっています。
対話を重視した組織づくり
――社内コミュニケーションで大切にしていることは何ですか。
現在は大規模な組織ではなく、主にエンジニアと業務委託の形で共同開発を進めています。その中で意識しているのは、一方的に指示を出すのではなく、相手が自然と意見や質問を出せる関係性をつくることです。コミュニケーションは双方向であってこそ価値があると考えています。
――どのような人と働きたいと考えていますか。
夢やビジョンを持ち、ワクワクすることを考えられる人と一緒に働きたいと思っています。新しい価値を生み出すためには、そのような姿勢が重要だと考えています。
エンタメのインフラへ――VoiceLetterの挑戦
――今後の展望について教えてください。
まずはVoiceLetterを、エンタメ業界におけるインフラとして定着させていきたいと考えています。ニューヨークに行ったら、これといった理由もなく自由の女神を見に行くように、ライブやイベントに行ったら、VoiceLetterを送るというのが当たり前になる――そんな文化をつくることが目標です。
近年はファンレターやプレゼントの受け取りを制限する事務所も増えています。そうした状況の中で、その代替となる手段・ファンからの窓口としてこのサービスを広げ、より自然な形で想いを届けられる仕組みにしていきたいと考えています。
――現在の課題と取り組みについて教えてください。
プロダクトの開発は完了しており、現在は国内の芸能事務所や個人クリエイターへの提案・導入を進めています。
一方で、次のステップである「事業拡大」に向けて、共に事業をスケールさせていくコアメンバーがまだ不足しているのが現状です。
そのため、現在は一緒に未来を創ってくれる仲間を募っています。多様な個性を持つ「十人十色」の仲間たちと、継続的に価値を届けられる運用基盤を強固にし、エンタメ業界の新たなインフラを創り上げていきたいと考えています。
「面白さ」を追求し続ける経営哲学
――経営において譲れない考えは何ですか。
「ワクワクすること」「新しいこと」「面白いこと」は譲れません。
だからこそ、目先の利益のために既存のものに乗っかるだけの取り組みは避けたいと考えています。新しさや独自性のないものには取り組まない。その姿勢を大切にしています。
――リフレッシュ方法について教えてください。
最近は、ジムでの筋トレや食事管理に取り組んでいます。
日々制限している分、たまに好きなものを食べる時間が楽しみであり、良いリフレッシュにもなっています。