人生に関わり続ける仕事で女性の未来も支える
株式会社Amour 代表取締役 稲實 勇介氏
株式会社Amourは、訪問看護事業とキャリア支援事業を展開している会社です。訪問看護を主軸としながら、有料職業紹介や人材派遣の資格を生かし、転職支援や育成型の人材派遣にも取り組んでいます。代表の稲實勇介氏は、医薬品営業、営業代行、ブライダル、福祉会社での組織づくりなど、さまざまな経験を経て同社を立ち上げました。今回は、事業に込める思いや、働く人の人生に寄り添う組織づくりについて伺いました。
人生設計から支える仕事
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社では、訪問看護事業とキャリア支援事業を行っています。
当社のこだわりとしては、「業界の固定概念を変えていく」ことです。訪問看護の世界では、ネイルや髪色、メイクなどに規制があることも多いですが、当社ではそうしたものを取り払っています。実際に金髪のスタッフもいます。医療や看護の仕事であっても、その人らしさを大切にできる環境をつくりたいと考えています。
キャリア支援事業については、有料職業紹介と人材派遣の資格を持ち、現在はオンラインを主軸に、製造業や一般事務などへの転職サポートを行っています。面談した方を企業側へ推薦していく形です。「若者ラボ」という形で、当社で雇用した人材を企業へ派遣しています。一般的な派遣業では、派遣先で長く働けるようにサポートすることが中心になると思いますが、当社ではその方のやりたいことや人生設計を一緒に考えます。その上で、この企業でこういうことを学び、将来的にこうなっていこうと伴走していく、育成型の人材派遣を行っている点が特徴です。
多様な経験がつくる現在地
――経営者になられた経緯を教えてください。
私は大学卒業後、医薬品の商社に入社し、薬を販売する営業を約7年間務めました。その後、28歳の時に独立し、PayPay設置の営業代行やGoogleストリートビュー設置の営業代行を個人で行いました。コロナ禍で営業に行けなくなった時期には、弟が運送業界で独立していたこともあり、人材を紹介するような形で関わるようになりました。
また、友人の会社でトークスクリプトの改善やクレーム対応、オペレーション業務などを経営の右腕として担った経験もあります。その後、ブライダル業界にも入り、プランナーとして年間20件から30件ほど担当しました。同時期に、福祉の会社を経営している友人から声をかけられ、役員として組織やバックオフィスの体制づくりにも関わりました。そうした流れの中で、訪問看護に出会い、独立して会社を運営することになりました。
振り返ると、私は誰かの人生のきっかけに関わる仕事をしてきたのだと思います。医療は生きることに関わり、営業代行は暮らしを便利にすることに関わります。転職支援ではキャリアアップを手伝い、ブライダルでは新しい人生のスタートの日をアテンドします。
その中で、特に女性の働き方について考える機会がありました。コロナ禍で働けなくなり、収入が下がり、生活に困る方もいました。ブライダル業界でも、幸せを支える側の多くが女性でありながら、激務によって自分の生活や将来を後回しにせざるを得ない状況がありました。だからこそ、女性を支援できる仕事や環境をつくりたいと思いました。看護師は女性が多い仕事でもあるため、そこでキャリアを確立できるような場所をつくりたいと考えたことが、Amourを立ち上げたきっかけの一つです。
人を大切にする経営思想
――組織運営で意識していることを教えてください。
私がずっと大切にしているのは、「大切な方の大切なものを大切にする」ということです。社員として、仲間として、今いるメンバーを大切にするのはもちろんですが、その人には家族がいて、大切にしているものや環境、考えがあります。そこを尊重して関わることを大事にしています。
――人材採用する上で、注視しているポイントはありますか。
キャリアビジョンがあるかどうかを見ています。ただ、最近はキャリアビジョンがない方も多いので、その場合は、「自分の人生をどうしたいのか」を漠然とでも目指すものがあるかを大切にしています。たとえば「お金を稼ぎたい」でも構いません。ただ、そのお金を稼いで何をしたいのか、その先を必ず聞くようにしています。
また、訪問看護もキャリア支援もチームで行う仕事です。そのため、管理者との相性や、チームに馴染めるかどうかも見ています。直感的な部分もありますが、自分たちがきちんとマネジメントできるかどうかも大切な視点です。
ただ、当社では求人媒体での流入はあまりなく、紹介がほとんどです。
――福利厚生として取り組まれていることはございますか。
余暇サポート制度です。3月1日から6月までの間、クォーターごとに申請があれば5,000円ずつ、最大2万円を支給する制度を設けています。家族との食事やライブチケットなど、使い道は自由です。
ほかにも、バースデー休暇、看護休暇、育児休暇、生理休暇などを整えています。事務所の下にあるトレーニングジムを半額で利用できたり、提携先の美容クリニックでアートメイクや美容点滴、内服などを社員価格で利用できたりする制度もあります。
命と人生に向き合う
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
現在多く対応している精神疾患を持つ方への訪問に加え、がん末期の方のお看取りまで対応していくことや、巻き爪を含めたフットケアにも取り組んでいきたいと考えています。フットケアをトータルで行う訪問看護ステーションは多くないため、そこに挑戦していきたいです。
人材領域では、北海道という地域において、求人や採用を担える会社へ成長していきたいと考えています。
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
温泉は結構いきますね。サウナに入ったりもします。
旅行も好きです。新婚旅行で行って以来、バリは好きです。
常に動いているのであまりストレスは感じていないかもしれません。
――この記事を見てくださる読者に向けて、メッセージをお願いします。
人生は、誰と出会うか、誰と何をするかに尽きると思います。私自身も誰かに選んでいただけるよう、日々あり方を磨き、成長していきたいです。これから何かを始めたい方や学生の方には、「誰と出会うか」という目を養うことの大切さを伝えたいです。