AIと教育の融合で「学びの場」を広げる――Ai3合同会社が挑む組織変革と未来構想
Ai3合同会社 代表社員 廣田氏
生成AIの進化により、企業活動や働き方は大きな転換期を迎えています。そうした中、Ai3合同会社は「Copilotの定着支援」を軸に、単なる研修にとどまらない組織変革を支援しています。本記事では、代表社員の廣田氏に、現在の事業内容や経営に至る背景、組織づくりの考え方、そして将来のビジョンについて伺いました。
生成AIを「使える文化」に変える支援
――現在取り組まれている事業の特徴について教えてください。
現在はCopilotの定着支援を中心に事業を展開しています。創業当初は研修事業からスタートし、WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft製品の研修、そして生成AIの研修を提供していました。ただ、単発の研修では一時的な理解にとどまりやすく、組織全体の変化にはつながりにくいと感じています。
そのため現在は「定着支援」に重きを置き、生成AIを前提とした組織文化へと無理なく移行するサポートを行っています。特に介護・医療業界の企業が多く、現場業務とバックオフィスで異なるニーズに応じた支援をしています。単なる操作説明ではなく、導入前の考え方や組織展開の進め方まで含めて伴走するのが特徴です。
――事業を進める上で大切にしている考え方は何でしょうか。
生成AIによって効率化が進むと「人が不要になる」という誤解が生まれがちですが、それは否定しています。あくまで今いる人材の力をより発揮させるための手段として活用すべきです。
短期的な成果ではなく、長期的に組織が変わっていくことを重視しています。研修で終わるのではなく、継続的に関わりながら、無理なくAI活用へ移行することを大切にしています。
教育への想いが導いた経営の道
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
もともとは公務員として学校の先生をしていました。安定した環境ではありましたが、組織の論理が優先される場面や、教育現場の理想と現実のギャップに違和感を持つことがありました。
その中で、自分が実現したい世界を最も形にできるのは経営だと考えるようになりました。最終的に決断したのは2022年の秋頃で、翌年に会社を設立しています。
――経営判断の軸になっている価値観は何でしょうか。
大きな軸の一つは「やりたいことを実現するための手段としての経営」です。例えば将来的に学校をつくりたいという夢がありますが、それには資金が必要です。会社員としては難しい規模でも、経営者であれば自ら稼ぎ、その資金を投じることができます。教育に対する想いは学生時代からあり、環境によって機会が制限される状況を変えたいと考えてきました。その実現のために、経営という手段を選びました。
個人の意思を尊重する「集団」としての組織
――組織運営で大切にしていることを教えてください。
現在はアルバイト1名、業務委託4名の体制ですが、組織というよりも「集団」に近い形を意識しています。上下関係よりも、それぞれが主体的に動ける環境を重視しています。
特徴的なのは「やりたいことしか任せない」という点です。本人が希望する業務に集中してもらうことで、最大限のパフォーマンスを発揮してもらう考え方です。また、仕事を断ることも肯定しており、自分の人生にとって本当に必要な仕事かを判断してもらうようにしています。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
熱量と未来ビジョンを持っている人です。現職では力を発揮できていないが、本来やりたいことがあるという人は非常に相性が良いと思います。当社は「ファーム」のような位置づけで、力を伸ばす場として機能したいと考えています。最終的に他の企業へステップアップしても構いません。その人のキャリアにとってプラスになる関係であれば、一緒に働く意味があると考えています。
「学びの場」を広げ続けるための挑戦
――今後の展望について教えてください。
もともとの目標は学校をつくることでしたが、「学びの場をつくる」と捉えれば、すでに一部は実現できています。支援先企業で学童の立ち上げに関わるなど、教育の場づくりに携わっています。今後は企業ごとに生成AIの活用を広げていくことで、それぞれの組織内に新たな学びの場を生み出していきたいと考えています。そして、そこで得た収益をもとに、さらに教育分野へ投資していく循環をつくりたいです。
――現在の課題とその取り組みについて教えてください。
大きな課題は属人化です。現状は私自身への指名で仕事が来ることが多く、私が動いている間は他の業務が止まってしまいます。そのため、研修講師の育成や営業体制の構築を進めています。また、研修から定着支援へとつなげるための指標づくりも重要です。どのようなプロセスで成果につながるのかを数値で示し、再現性のあるビジネスモデルにしていく必要があります。
家族との時間と日常のリセットが活力に
――リフレッシュ方法について教えてください。
家族との旅行が一番のリフレッシュです。日常の環境を離れて過ごす時間は大きな切り替えになります。また、日常的にはパソコンの電源を切って街を歩くことも意識しています。
仕事柄、どうしてもデスクワークが増えるので、あえて外に出て環境を変えることで気持ちをリセットしています。