デザインで応え、インテリアの価値を社会へ広げる挑戦

株式会社サラダボウルカンパニー 渡邊・桑野・鈴木 氏

株式会社サラダボウルカンパニーは、商業施設を中心とした空間デザイン、設計、施工監修を手がける会社です。カフェや飲食店、物販店、アパレル、オフィスなど、商業施設や路面店共に幅広い空間づくりに関わりながら、クライアントの業種や規模にとらわれない提案を行っています。今回は、コーポレート担当の鈴木氏と創業者の渡邊氏と桑野氏に、事業の特徴や会社として大切にしている思想、「サラダボウルカンパニー」という社名に込められた思いや今後の展望について伺いました。

サラダボウルの空間思想

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

私たちの仕事はお客様の夢や想いをカタチにする事です。その中心となるのは商業施設や路面店の商空間デザインで、カフェや飲食店、物販店、アパレル、インテリア用品店など、幅広いお客様の空間づくりを担当しています。
弊社の特徴として表面的な意匠では勝負していません。お客様の事業やプロダクトへの理解を極限まで深め総合的な提案力を重要視しています。
デザインはそのための手段のひとつです。だからこそ私たちは、見た目だけではなく、運営や導線、ブランド体験まで含めて設計しています。そして、その価値を形にし、人と事業の可能性を広げてくれるデザインという仕事を心から愛しています。

特徴の一つは、社名にもつながる「サラダボウル」という考え方です。サラダボウルには、さまざまなものが混ざり合う「ごちゃ混ぜ」という意味合いがあり、そのためチーム編成に重きを置いています。アトリエ出身のデザイナーはもちろん、アパレル業界やIT業界出身者で構成されています。外部のグラフィックデザイナーやアーティストの方々とのパートナー構築にも注力し提案力を研究しています。

現在は商業空間が中心ですが、今後は自社でのブランド運営にも挑戦していきたいと考えており、民泊やヴィラ、インテリアブランドなど、企業価値のドライバーとなるような事業をつくっていくことも視野に入れています。

憧れを生む仕事へ

――経営に関わるようになった背景や、会社として大切にしている思いを教えてください。

もともとサラダボウルカンパニーは、渡邊と桑野が設立した会社です。2人は大手内装会社の同期で、独立願望を持ちながら、最初は個人事業主として「サラダボウル」という屋号で活動していました。その後、事業規模が大きくなり、2022年7月に株式会社サラダボウルカンパニーとして設立しました。私は途中から参画し、現在はコーポレートやー営業の部分を主に担当しています。

私たちの使命はインテリアデザイナーという職業をデザインの花形に押し上げていく事です。ファッションや音楽アーティストのように業界人以外にも認知を広げ目指す人々を増やして行きたいと思っています。デジタル化が進む中でリアルを作る私たちの仕事はこれから先需要が高まり続けると考え、AIに代案される事ないブルーカラーの人々とのパートナーシップを深め人々の暮らしや人間本来の豊かさを守っていきたいです。

そのために我々は常に以下3つの問い(Question)を掲げています。

・Quality【品質】
・Quest【追求】
・Quintessence【本質】

それらに対する応え(Answer)をデザインで導き出す。’’a design’’ が僕らの思想であり揺るぎないコアです。
AIがあらゆるものを生み出せる時代だからこそ、私たちは人が集い、語り合い、感情を共有する「リアル」の価値を信じています。問いを立て、本質を見つめその答えをデザインで導き出す。私たちはこれからもデザインで応え続けます。

商空間から住空間へ

――現在の組織体制について教えてください。

現在の組織は、新しく入るメンバーを含めて9名です。デザイナーだけでなく、営業や監修として業者さんとのやり取りや進捗管理、スケジュール管理を行うメンバーもいます。

3年後には、洗練された20名ほどの組織を目指しています。規模を広げるだけでなく、事業バランスも整えながら、インテリアデザインの業界における立ち位置を高めていきたいです。

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

今後も、既存の商業施設の空間デザインやディレクションは引き続き伸ばしていきたいと考えています。これまで弊社は、ブランドや会社と一緒に空間デザインを提案し、お客様が求める以上のものを出すことで、長期的なブランド価値をつくってきました。その結果、出店が増え、事業規模も広がってきたと感じています。最初に受けたお客様のリピート率が高いことも、弊社の強みです。

一方で、新しいジャンルにも挑戦していきたいと考えています。その一つが住空間です。インテリアデザインをより多くの方に知っていただくには、会社や店舗を持つ人だけでなく、一般の方々にも関わる住宅の領域が重要だと考えています。別荘やセカンドハウス、住宅のリノベーションなど、住空間の案件にも力を入れていきたいです。

また、自社ブランドの展開も視野に入れています。サラダボウルカンパニーが運営する飲食店やインテリアブランド、ホテルなどが生まれれば、一般のお客様にも会社の世界観を体験していただけるようになります。BtoBの新しいジャンル開拓と、BtoCに向けたビジネスモデルづくりの両方を進めていきたいです。

――現在、向き合っている課題はありますか?

課題は、人材です。ただ人が入ればいいということではなく、デザイン会社として自分の軸を持ったデザイナーやスタッフと出会うことが重要です。応募自体はありますが、その中から会社の思想に合い、確立した考えを持つ人材を採用することには難しさがあります。だからこそ、ミッションや行動指針、社内思想をしっかり発信し、それに共鳴してくれる仲間を採用していきたいと考えています。

思想を軸に進む経営

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

シンプルに、余白を持つことですね。
普段は周囲に驚かれるくらい仕事をしているので(笑)、意識的に仕事から離れる時間をつくるようにしています。大切な人と旅行に出かけたり、ゆっくり休んだり、何もしない時間を過ごしたりすることもあります。私たちの実務はデザインですが、経営はアートだと思っています。正解のない中で意思決定を繰り返し、新しい価値を生み出していくためには、目の前の業務だけに没頭するのではなく、一度立ち止まって物事を俯瞰する視点が欠かせません。そのため役員メンバー同士でも、常に自己改革を意識しながら、客観的な視点を持つことの大切さを互いに声掛けしています。

――最後に、読者の皆さんに伝えたいことはありますか?

会社経営において思想がとても大事だということです。企業理念や社内思想、スローガンとして、何を提供し、何をしたくて会社を立ち上げるのか。その軸をしっかり持つことが重要だと思います。弊社でも思想を組み上げたことで、それに共鳴して入ってきてくれる人も出てきました。自分の軸、会社の軸をしっかり立てることは、これから会社をつくる人にはとても大切なことだと感じています。

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