京都・美山から全国へ――発酵人間が切り拓く酵素風呂業界の未来
合同会社発酵人間 代表社員 中井 崇太氏 高市 寛子氏
合同会社発酵人間は、酵素風呂を中心とした店舗運営や開業支援を行う企業です。リラクゼーションや健康、美容といった分野で酵素風呂の魅力を広めながら、全国で80店舗以上の開業サポートを展開しています。本記事では、代表社員の中井崇太氏と高市寛子氏のお二人に、現在の事業内容や事業への想い、今後の展望などについて詳しく伺いました。
酵素風呂を全国へ広げる開業支援事業
――現在の事業内容について教えてください。
当社は、酵素風呂の店舗運営を中心に事業を展開しています。リラクゼーションや健康、美容といった分野を軸にサービスを提供しており、現在は北海道から沖縄まで、全国80店舗以上の開業支援実績があります。
もともとは直営店舗の運営からスタートしましたが、酵素風呂をもっと多くの方に知っていただきたいという想いから、開業支援にも力を入れるようになりました。現在は全国各地で店舗立ち上げのサポートを行っており、国内で培ったノウハウや運営データを蓄積しています。
――開業支援についても詳しくお聞かせください。
当社の支援は、いわゆるフランチャイズではなく、ノウハウを提供するコンサルティング型のサポートです。開業する方が自分らしい店舗づくりをできるように、それぞれに合った形で支援を行っています。
データと経験を積み重ねて見えてきた可能性
――これまで開業支援を受けてきたのはどういった方ですか。
8〜9割ほどが、個人事業主の方です。特に以前は、酵素風呂が好きな主婦の方など、事業経験のない方が挑戦されるケースも多くありました。そのため、酵素風呂の技術やノウハウだけでなく、そもそもの店舗運営や事業の考え方からサポートする必要がありました。
最近では、法人で参入される方も徐々に増えてきています。設備投資についても幅広く、マンションのワンルームで始める方もいれば、建物を一から建設する規模で開業される方もいます。開業費用は平均すると600万〜800万円程度が多いですが、より大きく投資をされるケースもあります。
――80店舗以上を支援されるなかで、見えてきたことはありますか。
酵素風呂は、同じノウハウを提供しても、地域性や運営する方の考え方によって結果が変わる部分が大きい業態です。そのため、実際に多くの店舗を見てきたことで、より具体的な提案ができるようになったと感じています。
これまでは「サポート」という立場だったため、提案を実行するかどうかはオーナー様に委ねる部分も多くありました。ただ、経験を重ねるなかで、より深く伴走した方が成果につながるケースも多いと分かってきました。
また、以前は酵素風呂自体の認知度がまだ高くなかったこともあり、「発酵人間」というブランドを前面に出すのではなく、まずは業界全体を広げることを優先していました。そのため、支援先の店舗についても、それぞれ異なる名前で運営していただく形を取ってきました。
一方で、80店舗以上の支援実績を通じて、運営ノウハウやデータが蓄積されてきたことで、現在はブランド展開についても少しずつ視野に入れ始めています。もちろん、品質や再現性との両立は必要ですが、これまで積み上げてきた経験が、次の展開につながっていると感じています。
「酵素風呂の可能性を広げたい」という想いから創業を決意
――起業されたきっかけを教えてください。
2人とも、もともとは大阪で親族が運営する酵素風呂の事業に携わっていたんです。現場で運営や接客に関わるなかで、酵素風呂には継続的なニーズがあることがわかり、また、お客様からの反応も非常によかったことから、市場としての可能性を感じるようになっていきました。
その後、京都・美山を拠点に独立し、自分たちで店舗運営をスタートしました。実際に店舗を経営してみると、酵素風呂自体はまだあまり認知されていないものの、体験されたお客様の満足度は高かったため、さらに市場を広げていける余地があると感じました。
そこで、単なる店舗運営にとどまらず、業界そのものを広げていく方向へ事業を展開しようと考え、開業から1年ほどで法人化しました。
新たな形で酵素風呂市場広げていく
――今後の展望について教えてください。
今後は、店舗数を増やしていくだけではなく、酵素風呂業界全体の環境整備にも力を入れていきたいと考えています。現在は、一般社団法人日本酵素風呂協会を立ち上げ、衛生面の検査体制づくりや、民間資格の認定制度などにも取り組んでいます。
――業界全体の課題についてはどのように感じていますか。
酵素風呂はまだ認知拡大の途中にある業界でもあるため、「どういうものなのか分からない」「衛生面は大丈夫なのか」といった不安の声も少なくありません。だからこそ、店舗運営だけではなく、業界としての理解促進や信頼性向上にも取り組んでいく必要があると感じています。
また、酵素風呂は運営方法によって品質にも差が出やすい業態です。そのため、安心して利用していただける環境づくりや、継続的に運営できる体制づくりも重要だと考えています。単に店舗を増やすのではなく、業界全体の価値向上につながる取り組みを進めていきたいです。
――今後、新たに取り組んでいきたいことはありますか。
現在は海外展開にも取り組んでおり、アメリカ・ロサンゼルスでの出店も予定しています。国内で培ってきたノウハウを活かしながら、日本発の酵素風呂文化を海外にも広げていきたいと思っています。
さらに今後は、酵素風呂だけに限らず、ファスティングや関連商品の展開なども含め、酵素を軸にしたライフスタイル提案にも力を入れていく方針です。店舗での体験だけではなく、日常生活の中でも酵素を取り入れていただける機会を増やし、より多くの方に価値を届けていきたいと考えています。