“面白い”を原動力に――乗り物とものづくりで新たな価値を生み出す挑戦

株式会社シティ・アライアンス 代表 上野 啓太氏

株式会社シティ・アライアンスは、選挙カーの貸し出しと、それに付随するサポート事業を手がける企業です。車両の製作から音響設備、看板印刷、デザイン制作までを一貫して内製化し、選挙活動を総合的に支援しています。もともと乗り物やものづくりへの強い興味を持っていた上野氏は、「面白いと思えることを形にする」という価値観を軸に事業を拡大。現在は選挙関連事業にとどまらず、広告宣伝車など新たな分野への挑戦も視野に入れています。本記事では、事業への想いや経営観、今後の展望について伺いました。

選挙カー事業を軸に、ものづくりを内製化

――現在の事業内容について教えてください。

現在は、選挙カーの貸し出しと、それに付随する選挙サポート事業を中心に展開しています。2023年の統一地方選挙をきっかけに、初めて選挙カーの製作・貸し出しを行いました。その際、「この事業はもっと広げていける」という手応えを感じ、そこから車両台数を増やしながら全国へ営業を広げていきました。

もともとは「選挙に興味があった」というより、「車を使って何か事業をやってみたい」という想いが出発点でした。車を貸すだけではなく、ひと手間加えて新しい価値を作り、その対価をいただく。その工程そのものにやりがいを感じています。

――御社ならではの強みや特徴について教えてください。

選挙カーは、車両にやぐらを組んだり、音響設備を設置したりと工程が多く、一般的な車屋ではなかなか対応しづらい分野です。地域密着で1台だけ請け負うケースは多いものの、当社では量産体制を意識しながら取り組んでいる点に強みがあります。

私はもともと、ものづくりが好きで、車両の購入から架装、配線、看板印刷まで、できる限り自分自身で手がけています。単なるレンタカー事業ではなく、設備の準備やデザイン制作、ポスター・ビラ印刷まで含めて“まるごと支援”できる体制を整えているのが特徴です。

“人と違うことをしたい”という想いが経営の原点

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

高校生の頃から、「何か自分で事業をやりたい」という気持ちはずっと持っていました。大学生になった頃は、少し尖った考え方でしたが、「就職して普通に生きるだけでは嫌だ」という感覚が強かったんです。

現在はサラリーマンと並行しながら事業を進めていますが、「人と違うことをしたい」という想いは今も変わっていません。贅沢をしたいというより、「人と違う視点で物事を見て、人より稼ぎたい」という野心が原動力になっています。

――経営判断の軸になっている考え方はありますか。

一番大切にしているのは、「自分が面白いと思えるかどうか」です。好収益の仕事は世の中にたくさんあります。しかし、自分が興味を持てないことでは、長く続けても人並み以上の成果を出すことは難しいと感じています。

実際、現在の勤務先も、自分とは異なる分野に身を置くことで、新しい視点や経験を得たいという想いから選びました。経験を積む中で、自分が本当に情熱を持てることに取り組む時こそ、大きな行動力や継続力につながるのだと実感したんです。この経験を通じて、好きなことや自分が心から挑戦したいと思えることに向き合う大切さを再確認しました。

自分が好きになったものへの執着や行動力には自信があるので、その熱量を大切にしながら、自分らしい挑戦をこれからも広げていきたいです。 

相手に合わせたコミュニケーションを意識

――組織運営や人との関わりで大切にしていることはありますか。

現在は従業員を雇用しているわけではありませんが、業務委託という形で車両回送などをお願いすることがあります。まだ少人数で運営しているからこそ、一人ひとりとの関わり方は特に大切にしています。

その中で常に意識しているのは、「どう伝えれば相手が動きやすくなるか」という点です。ただ指示を出すのではなく、相手が迷わず理解できるよう、できる限り丁寧な言葉選びや説明を心がけています。

人は伝え方ひとつで動き方が大きく変わるものだと実感しているので、コミュニケーションそのものが自分にとって大切な学びであり、成長の機会になっています。 

――今後、一緒に働きたいと思うのはどのような方ですか。

その人自身が「やりたい」と思えることと、仕事の内容が一致していることが一番大切だと思っています。お金を払うから何でもやってほしい、という考え方は、自分自身がされたくないことでもあります。

だからこそ、相手の“やりたいこと”と、自分が求めることが重なった時に、初めて長く一緒に仕事ができるのではないかと思っています。

選挙カーから広告宣伝車へ――新たな挑戦

――今後の展望について教えてください。

現在は選挙カー事業を中心に展開していますが、今後はこれまで培ってきた車両架装や電気配線、看板印刷などのノウハウを活かし、広告宣伝車の分野にも挑戦していきたいと考えています。

渋谷や新宿などで見かける広告トラックは運行コストが高く、一部の大きな案件でしか活用されにくい現状があります。そこで、より小規模でも導入しやすい形で運用できる宣伝車サービスを作り、もっと身近に活用できる存在へ広げていきたいです。

また、根本には「乗り物を使って新しい価値を作りたい」という想いがあります。乗り物とものづくりを掛け合わせながら、新しいサービスを生み出していきたいと思っています。 

――現在、課題として捉えていることがあれば教えてください。

現在は選挙関連事業が中心のため、選挙がない時期には車両が稼働しにくく、事業の波が大きいことが課題だと感じています。

また、現状ではサラリーマンとして働きながら事業を運営しており、まだ事業一本で安定して成り立つ規模には至っていません。そのため、選挙以外でも継続的に車両を活用できる広告宣伝車事業への展開を進め、安定した収益基盤を作っていきたいと考えています。

趣味も発想も、すべてがビジネスにつながる

――休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。

平日はサラリーマンとして働き、それ以外の時間は車のメンテナンスや事業に使っているため、一般的な意味での「休み」はあまりないかもしれません。

ただ、昔から「消費して終わる」のではなく、「どうすればビジネスにできるか」を自然と考える時間が多いです。学生時代には、学園祭で発電機レンタルの費用を見て、「それなら自分で買って貸し出した方がいいのでは」と考えたこともありました。

趣味についても同じで、長く続けてきたアカペラをきっかけに、現在はイベント運営や音響にも関わっています。また、印刷機や紙そのものが好きだったことから、印刷事業にも自然とつながっていきました。写真撮影も好きで、カメラマンのような仕事をすることもあります。

面白いと思えることを形にしながら、新しい挑戦を続けていくことが、自分にとっての原動力になっています。

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