人を主役に、世界へ挑む――タレントファーストが生み出すエンターテインメントの未来

株式会社WYS Relation CEO 武子 仁大氏

株式会社WYS Relationは、タレントのマネジメントやキャスティングを中心に、国内外でのヘアメイクやスタジオ手配まで手がけるエンターテインメント企業です。近年は日韓のネットワークを活かし、日本と海外をつなぐ事業にも挑戦しています。その根底にあるのは、「タレントファースト」と「日本の魅力を世界へ届けたい」という想いでした。本記事では、武子氏に事業への想いや今後の展望について伺いました。

タレントと企業をつなぐエンターテインメント事業

――事業内容や特徴を教えてください。

当社では、大きく分けてプロダクション事業とアライアンス事業を展開しています。

プロダクション事業では専属タレントのマネジメントを行い、アライアンス事業では企業向けのキャスティング業務などを手がけています。タレントやモデルの起用に加え、ヘアメイクやスタジオ手配まで一気通貫で対応できることも特徴です。

現在は韓国企業と連携し、アメリカ市場向けのマーケティング事業にも挑戦しています。

アメリカのインフルエンサー30万人が登録しているプラットフォームを活用し、日本企業の商品やサービスを海外へ発信する仕組みづくりを進めるとともに、日本メーカーの海外進出を後押しする取り組みも進行中です。

――御社の強みや今後の方向性を教えてください。

当社の強みは、日韓をつなぐネットワークを活かせる点にあります。

私自身が日本と韓国のハーフということもあり、「日韓」を軸に事業を展開してきました。韓国のエンターテインメント業界には世界へ発信するノウハウが数多くあり、その良い部分を学びながら、日本のタレントやインフルエンサーの活動機会を広げる取り組みを進めています。

中長期的には、日本のタレントやエンターテインメントに携わる方々が海外で活躍できる環境をつくりたいと考えています。日本の魅力あるコンテンツや文化を世界へ届ける架け橋となり、その価値をより広く発信していくことが目標です。

兄弟で立ち上げた“タレントファースト”のプロダクション

――会社設立の経緯を教えてください。

私は金融機関でファーストキャリアを積んできましたが、母がメイクアップアーティストだったこともあり、芸能の世界は身近な存在でした。弟は芸能業界でマネージャーを経験しており、以前からエンターテインメント事業を一緒にやりたいと話していたんです。

その後、私が前職の銀行を辞め、弟が合流するタイミングで会社を設立しました。実務やマネジメントは弟、私はBtoB領域を担当しています。

芸能界が大きな転換期を迎えていた中で、タレントに寄り添う事務所をつくりたいと思ったことも創業のきっかけでした。

――経営理念として大切にしていることは何でしょうか?

大切にしているのは、”タレントファースト”の姿勢です。

芸能の仕事は、人がいなければ成り立ちません。だからこそ、タレントを一方的に動かすのではなく、本人の意思を尊重しながら、一緒に成長していける関係を築きたいと考えています。

案件についても、当社が「この仕事をやってください」と決めるのではなく、基本的には本人に意思決定権を持ってもらう形です。そうした姿勢が合っているのか、ありがたいことに「一緒にやりたい」と言ってくださる方も増えています。

――タレントとの関わりで大切にしていることは何ですか?

このご時世、特にこの業界では、ネット上の評価以上に口コミの影響が大きいと感じています。所属タレントが「この事務所はいい」と言ってくれることが何よりの信頼につながります。

まだ会社ができる前に面談したタレントには、実績がなくても寄り添って全力で向き合う想いを伝えました。そのタレントが当社を選んでくれたことは大きな自信となり、今も運命共同体のような気持ちで共に成長を目指し、歩んでいます。

オープンな対話が支える組織運営

――社内コミュニケーションで大切にしていることは何ですか?

私たちはオープンな対話を大切にしています。タレントごとにグループチャットを作り、案件内容や報酬もできる限り共有しているんです。

また、マネージャー一人だけで対応すると、トラブル時の判断が遅れることがあります。そのため社員全員が状況を確認できる体制を整え、必要に応じてすぐフォローできるようにしました。

誰か一人が抱え込むのではなく、みんなで支え合える環境づくりが当社の考え方です。そうした透明性が、タレントにとっても社員にとっても安心につながっていると感じています。

――今後一緒に働きたい人物像について教えてください。

同じ方向を見て頑張れる人、そして成長意欲がある人と働きたいです。芸能業界の経験があればもちろん心強いですが、それ以上に大切なのは、タレントのために尽くせる姿勢だと思っています。

この仕事は、自分の時間よりもタレントを優先しなければならない場面があります。それでも一緒にサクセスストーリーを作りたいと思える人であれば、多少不器用でも伸びていけるはずです。

きれいにこなすことより、相手のために動ける熱量を持っていることを重視しています。

パートナーシップで実現するグローバル展開

――海外展開の構想について教えてください。

中期的には、日本のタレントやエンターテインメントに関わる人たちが、もっと世界で活躍できる場を作りたいと考えています。

韓国のタレントやインフルエンサーには、世界への発信力という点で学ぶべき部分があります。

日本のエンターテインメントが弱いわけではありません。良いコンテンツやIPはたくさんあります。だからこそ、日本の文化やカルチャーを海外へ発信し、世界から「Made in Japanのクオリティはすごい」と思ってもらえるような動きに関わっていきたいです。

――目標実現に向けてどのような課題と向き合っていますか?

海外展開は自社だけで実現できるものではありません。エネルギーも資金も必要だからこそ、企業同士が強みを掛け合わせることが重要だと考えています。

現在は韓国企業とパートナー契約を結び、国内外で同じ方向を目指す企業との連携も進めています。韓国、香港、中国、ブラジルにもパートナーがあり、国ごとにビジネスの進め方は異なります。

現地を理解するパートナーと協力しながら、大きな動きにつなげていきたいです。

人が輝き、感動が広がるエンターテインメントを目指して

――お休みの日のリフレッシュ方法はありますか?

家で映画を観たり、掃除をすることがリフレッシュになっています。掃除をしていると頭の中が整理され、気持ちの切り替えにもつながります。

また、人に会うことも大切にしています。同業者だけでなく、違う分野の方と話すことで新しい視点が得られ、アイデアが生まれることもあります。

――経営で譲れない想いを教えてください。

携わっている方々みんなが幸せになってほしいという想いが根底にありますね。エンターテインメントにはお金では買えない価値があり、創り上げた空間には、人の心を動かし、多くの人を笑顔にする力があると感じています。

社員やタレントはもちろん、その発信を受け取るファンにとっても、楽しい時間や感動につながるかもしれません。

そのためにも、まずはタレント一人ひとりが自分らしく活躍できる環境をつくり、新たな価値や感動を生み出していきたいですね。

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