SEOの知見をAI時代の追い風に。1日でも長く続く会社を目指す経営哲学

サクラサクマーケティング株式会社 取締役社長COO 根岸 雅之 氏

サクラサクマーケティングは、SEOコンサルティング、コンテンツマーケティング、制作事業、メディア事業を軸に、Webマーケティング支援を行う会社です。20年以上にわたり検索エンジン領域に向き合い、広告に頼るだけではなく、コンテンツを通じて企業の価値を届ける支援を続けてきました。根岸氏が大切にしているのは、「1日でも長く会社を続ける」こと。そのために時代の変化を見極め、顧客に伴走しながら、AI時代における新たなマーケティング支援にも挑戦しています。

変化に寄り添い、長く続く会社をつくる

——現在の事業内容について教えてください。

当社は、Webマーケティングの支援会社です。Webマーケティングといってもさまざまな手法がありますが、私たちは特に検索エンジンの領域、その中でもSEOにこだわりを持って、20年以上事業を続けてきました。

具体的には、SEOコンサルティング、コンテンツマーケティング、制作事業、メディア事業の4つを軸にしています。リスティング広告のようなインターネット広告を中心にするのではなく、SEOやコンテンツを通じてマーケティングを支援している会社です。

——SEO支援会社が多い中で、御社の強みはどこにありますか。

SEOの会社は多いと思いますが、この20年の間に、なくなった会社や事業形態を変えた会社もたくさんあります。その中で、私たちは一貫してSEOに向き合ってきました。まず、歴史と知見があることは大きな強みだと思っています。

もう一つは、ただサービスを提供するのではなく、お客様に伴走することです。私たちは、上場や会社を大きくすることを目的にしてきたわけではありません。1日でも長く会社を続けることを大切にし、その中で、私たちを頼ってくださるお客様の成果にコミットしてきました。

売上を上げることや規模を大きくすることよりも、お客様と一緒に成長していく姿勢を大事にしています。

就職氷河期からWebの世界へ。経営者としての出発点

——経営者を目指すようになったきっかけを教えてください。

私は2003年卒の就職氷河期世代で、就職活動には非常に苦労しました。一方で、大学時代から「大きな会社の一員でいるより、小さな会社でもトップでありたい」という思いがあり、経営者になる道を模索していました。

2006年頃、インターネットの大きな波を感じ、Web業界へ。広告代理店で基礎を学んだ後、知人が立ち上げた小さな会社に参加しました。営業責任者を経てSEO事業を担当し、パートナー会社との再編をきっかけに、2010年から社長を務めています。

——経営する上で譲れない価値観はありますか。

「1日でも長く会社を続ける」ということです。今はM&Aも多く、会社を売却したり、外部の資本を入れたりする選択肢もあります。実際に、これまで売却の話をいただいたことも何度もありました。

ただ、私たちは、自分たちの価値観の中で仕事をしていくことに意味があると思っています。外部資本を入れて会社を安定・強化することに興味がないわけではありませんが、それよりも、自分たちがやってきたことを貫き、自分たちが実現したいことを続けることを大切にしています。

利益は会社を存続させるために必要ですが、その上で大事なのは、サクラサクマーケティングらしい価値観を守ることです。

フルリモートでも、育成とカルチャーを大切にする組織へ

——現在の組織体制について教えてください。

現在は、アルバイトやパートを含めて50人弱の組織です。特徴的なのは、全員がフルリモートで働いていることです。オフィスも持っておらず、バーチャルオフィスという形にしています。

以前は恵比寿に80人ほど入るきれいなオフィスを構えていました。しかし、コロナのタイミングでオフィスを手放す決断をしました。小さなオフィスに変えた時期もありましたが、結局あまり使っていないという話になり、完全にフルリモートへ移行しました。

今では、それを組織の強みにしようと考え、方針として貫いています。

——組織づくりで課題に感じていることはありますか。

採用と育成は大きな課題です。SEO業界は、経験者がどんどんベテラン化していて、若手の人材が多い業界ではありません。そのため、会社のカルチャーに合う人を採用し、長く働いてもらうことが大切だと考えています。

一方で、長く働けばよいというわけでもありません。フルリモートという環境を心地よい場所として捉え、そこにとどまってしまうだけでもいけません。

会社自体に市場価値が必要なのはもちろんですが、そこにいるメンバー一人ひとりも、世の中から見て価値のある人材に育っていく必要があります。採用と育成には正解がなく、長く向き合っている課題です。

AI時代に、SEOの知見をどう生かすか

——今後、注力していきたいことを教えてください。

私たちのビジョンは、1日でも長く会社を続けることです。そのためには、時代の変化についていくことが重要です。今はAIの大きな波が来ていますが、私はこれを追い風だと捉えています。

LLMO、AIO、GEOなど、AIに関連したマーケティング領域にはさまざまな言葉がありますが、AI対策にはSEOの知識がベースとして必要になります。

企業がAI上でどのように自社名やサービスを表示させるかを考える上でも、SEOにきちんと取り組んでいることが重要です。AI対策の文脈で、コンサルティングをしっかり確立していきたいです。

サッカーの指導から学ぶ、人を育てるということ

——休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。

少年サッカーの監督をしています。もう7年目になり、土日祝日はほとんど監督業があり、経営者と監督を二つやっているような感覚です。

もともとは自分の息子が幼稚園からサッカーを始めたことがきっかけです。チームのコーチを頼まれ、そこから監督になりました。息子は卒団して中学校でサッカーを続けていますが、私は今も小学生を見ています。自分自身も3歳からずっとサッカーをやってきました。

——中小企業の経営者や、これから起業する方へメッセージをお願いします。

AIの時代になり、起業するハードルはかなり下がっていると思います。フリーランスや一人社長という形で始めることも、以前より簡単になっています。

ただ、始めることは簡単でも、継続することは本当に難しいです。私は20年会社を続けてきたからこそ、その難しさを感じています。継続するためには、時代の変化を見ながら、自分で考え、汗をかき、失敗しながら道を見つけていくしかありません。

そこを楽しめる人が、強い経営者になっていくのだと思います。私は立派な経営者ではありませんが、会社を潰さずにここまで来られた理由があるとすれば、自分で考え、行動し続けてきたことだと思っています。

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