99%はお客様の話を聞く――小さな仕事にも価値を届ける建築設計
株式会社イー・アイ・ディープランニング 代表取締役 平田 敏行氏
福祉施設や医療施設を中心に、幅広い建築設計・監理を手がける株式会社イー・アイ・ディープランニング。長年にわたり建築設計の現場で経験を積んできた平田敏行氏は、「99%は相手の話を聞く」という姿勢を大切にしながら、お客様の想いを形にする建築設計を続けています。本記事では、独立に至った経緯や設計へのこだわり、今後の展望について伺いました。
目次
お客様の声に耳を傾けることが設計の第一歩
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社では建築設計・監理を行っています。特に力を入れているのは、高齢者施設や児童福祉施設、保育園、医療施設などの福祉・医療分野です。
もともと私は、福祉施設や医療施設を中心に取り組んでいきたいという想いがあります。 ただ、実際にはさまざまなご依頼をいただくため、福祉施設だけに限定せず幅広い案件に対応しています。
独立前からさまざまな建築に携わってきました。その経験があるからこそ、用途を問わず柔軟に対応できることが当社の強みです。
――会社として大切にしている理念や考え方を教えてください。
私が設計で最も大切にしているのは、お客様の話をしっかり聞くことです。建築家・村野藤吾氏の「99%は相手の話を聞く」という考え方がありますが、私自身もその姿勢を大切にしています。設計者としてのデザインやこだわりは必要ですが、それは1%で十分だと思っています。
まずはお客様が何を求めているのかを丁寧に聞き、その想いを形にすることが設計者の役割だと考えています。
小さな仕事にも真剣に向き合いたいという想い
――独立されたきっかけについて教えてください。
私は大学卒業後、設計事務所で26年間働いていました。大規模な案件にも数多く携わり、多くの経験を積ませてもらいました。ただ、その中で次第に「もっと自分らしい仕事がしたい」という気持ちが大きくなっていったんです。
組織事務所では大きな案件を目指す動きもありますが、私は小さな仕事にも大きな価値があると考えていました。
設計者が少し工夫するだけでも、建物はより使いやすくなり、利用する方にとっての価値も変わります。だからこそ、規模ではなく、一つひとつの仕事に丁寧に向き合いたい。その考えを形にするために独立を決意しました。
――経営判断をする際の軸はありますか。
一番大切にしているのは、お客様のためになるかどうかです。
経営者として判断に迷う場面でも、自分の都合ではなく、お客様にとって価値のある選択かどうかを基準にしています。設計とは、お客様の想いを受け取り、それを形にしていく仕事だからこそ、その軸を大切にしています。
相手を尊重する姿勢が信頼関係につながる
――取引先とのコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
現在は一人で事業を行っていますが、多くの協力会社や関係者の方々と連携しながら仕事を進めています。
その中で意識しているのは、高圧的にならないことです。自分の考えを押し付けるような接し方はしたくありません。
建築は多くの人が関わって完成する仕事です。設計者だけで成り立つものではなく、それぞれの専門性を持つ方々の協力があって初めて形になります。
だからこそ、お互いを尊重しながら仕事を進めることを心掛けています。
――どのような人と一緒に働きたいと思いますか。
私は熱意のある人と一緒に仕事をしたいですね。
技術や経験ももちろん大切ですが、それ以上に「良いものをつくりたい」「挑戦したい」という気持ちを持っている人に魅力を感じます。
やる気にあふれている人と仕事をしていると、自分自身も刺激を受けます。そうした前向きな姿勢は周囲にも良い影響を与えますし、一緒に成長していける関係を築けるのではないかと思っています。
子どもたちの未来を支える施設づくりに力を注ぎたい
――今後の展望について教えてください。
今後も医療・福祉関係の仕事をさらに充実させていきたいと考えています。
高齢者施設も大切な仕事ですが、私自身は子どもたちに関わる施設づくりにより力を入れていきたいという想いがあります。
これからの社会を担うのは子どもたちです。だからこそ、保育園や幼稚園など、幼児教育や保育に関わる施設づくりに、これからも力を入れていきたいですね。
自分の軸を持ちながら歩み続ける
――経営者として大切にしている信念を教えてください。
私が大切にしているのは、周囲に流されないことです。
もちろん、人の意見に耳を傾けることは大切ですし、良い考え方であれば積極的に取り入れたいと思っています。
ただ、周囲の雰囲気や流れだけで判断するのではなく、自分自身で理解し、納得した上で進むようにしています。
理解した上で取り入れることと、ただ流されることはまったく違います。経営をしているとさまざまな考え方に触れますが、自分なりの軸を持ち続けることを大切にしています。
――休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。
私は体を動かすことが好きなので、ゴルフを楽しんでいます。
コースに出ることもありますし、旅行とゴルフを組み合わせることもあります。とにかく外に出ることが好きなんです。
普段は設計業務や打ち合わせなど室内で過ごす時間も多いため、自然の中で体を動かすと気分転換になります。
そうした時間があるからこそ、新しい気持ちで仕事に向き合えます。これからも自分の軸を大切にしながら、一つひとつの建築に丁寧に向き合っていきたいと思っています。