「人を救える会社」を目指して――通信業界の働き方改革とeスポーツの未来に挑む
株式会社RSIRIS 代表取締役 寺島 壮宏氏
携帯業界で約20年にわたり経験を積んできた寺島壮宏氏。その経験の中で目の当たりにしてきたのは、厳しい労働環境に置かれる人たちの姿でした。「もっと安心して働ける環境をつくりたい」という思いから株式会社RSIRISを設立。現在は通信業界向けの人材事業を軸に、長年情熱を注いできたeスポーツ分野にも取り組みながら、新たな価値づくりに挑戦しています。今回は、会社設立の経緯や経営への思い、今後描くビジョンについて伺いました。
目次
「人を救える会社」を理念に、通信業界とeスポーツの未来を支える
――会社を立ち上げた経緯について教えてください。
携帯業界で約20年間働いてきました。その中で、多くの経営者から「そろそろスタッフではなく経営者として挑戦してみたらどうか」と背中を押されたことが会社設立のきっかけです。
以前から、人材派遣業界には労働環境の厳しい会社が多いという現実を感じていました。自身もそのような環境で働いた経験があるからこそ、安心して働ける会社をつくりたいという思いが強くなりました。働く人が正当な評価を受け、生活を安定させ、将来へ向かって成長できる環境を提供することが会社の理念です。
実際に設立当初は多くのスタッフを抱える予定ではありませんでした。しかし、理念に共感して転職してくれる方が増え、設立から約半年で15名を超える方が仲間になりました。それだけ業界全体が抱える課題の大きさを実感しています。
――現在の事業内容や強みを教えてください。
現在は通信業界を中心に、人材紹介やスタッフ育成を行っています。携帯ショップや販売店で活躍するスタッフの紹介だけでなく、教育や育成まで一貫して対応していることが特徴です。
また、もう一つの柱としてeスポーツ事業にも取り組んでいます。もともと自身がゲーム配信を行っていた経験があり、そのつながりを生かして配信者の事務所運営や、歌い手の方々を招いたオフラインイベントを定期的に開催しています。ファンとクリエイターが直接交流できる場づくりにも力を入れています。
「社長」ではなく、一緒に働く仲間として向き合う
――経営者になられた経緯を教えてください。
もともと経営者になりたいという強い思いがあったわけではありません。ただ、業界で働く人たちや若い世代を見ていると、「このままではかわいそうだ」と感じる場面が多くありました。
20年間業界で培ってきた経験がある自分だからこそ、相談に乗ったり、支えたり、救える人がいるのではないかと思うようになりました。それなら自分が会社をつくり、少しでも多くの人が安心して働ける環境を用意したい。その思いが経営の道へ進む決断につながりました。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
社員やスタッフに対して、「社長」として接するのではなく、同じ従業員という意識を持つことです。上下関係を必要以上につくらず、誰もが自由に意見を言える環境を大切にしています。
実際に、スタッフとは定期的に食事へ行ったり遊びに出かけたりする機会も設けています。仕事だけでは見えない一人ひとりの人柄を知ることで、自然と信頼関係も深まります。立場ではなく人と人との関係を大切にすることが、自分らしい経営スタイルだと考えています。
仲間との信頼を土台に、人が成長できる組織へ
――組織運営で意識していることを教えてください。
現在は業務委託という形で多くのスタッフと一緒に仕事をしています。将来的には会社の規模がさらに大きくなれば、全員を正社員として迎えられる体制を整えたいと考えています。
そのためにも、まずは事業を着実に成長させていきたいと思っています。
――採用や育成では、どのような人と働きたいと考えていますか。
一番大切なのは出退勤がしっかりしており、嘘をつかない方ですね。現在の職場で評価されない、給与に不満があると感じている方にも、ぜひ挑戦してほしいと思っています。
また、未経験者でも安心してスタートできるよう、自社で職業訓練のような教育体制を整える構想も進めています。
eスポーツの可能性を広げ、日本から世界へ
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
今後は通信業界の人材事業を継続しながら、eスポーツ事業をさらに大きく成長させたいと考えています。
その一つが、日本発の動画配信プラットフォームの構築です。現在、多くの配信者が活躍していますが、国内には選択肢が限られていると感じています。自身の周囲にも多くの配信者がおり、「こういうサービスがあればいい」という声を聞く機会も少なくありません。
将来的には国内だけでなくアジア、そして世界へと展開できるサービスへ育てていきたいと考えています。また、eスポーツでも野球やサッカーのようなプロリーグを整備していきたいと思っています。
さらに、プロを目指した経験を持つ方々が引退後も知識や技術を次世代へ伝えられる仕組みをつくり、新たな雇用につなげることも目標の一つです。資金面や動画配信の著作権、放送権などさまざまな課題はありますが、一つひとつ乗り越えながら実現を目指しています。
努力は必ず自分を成長させる
――仕事以外で大切にしていることやリフレッシュ方法を教えてください。
休日は3歳のお子さんと一緒に出かけたり遊んだりする時間が何よりのリフレッシュになっています。子どもの笑顔を見ることで自然と気持ちも切り替わります。
また、配信者仲間とゲームを楽しんだり、スタッフとボードゲームで交流したりする時間も大切にしています。
――影響を受けた出来事があれば教えてください。
これまで未経験から努力を重ねて経験を積み上げてきた中で、「上には上がいる」と何度も実感してきました。しかし、努力を続ければ近づくことはできると信じています。僕よりできる人たちが尊敬できる人ですね。