ユーザー視点で価値をつくる――有限会社works IDが歩む伴走型制作と新たな挑戦
有限会社works ID 代表 糸瀬法隆氏
有限会社works IDは、Web制作を中心に、SNS運用や自社メディアサービスの展開にも取り組む企業です。2004年に糸瀬法隆氏が独立し、2006年に法人化。これまで紹介を中心に20年以上事業を継続してきました。本記事では、代表の糸瀬氏に、創業の経緯や事業の強み、経営判断で大切にしていること、今後の展望について伺いました。
目次
Web制作からSNS運用へ、変化に合わせた事業づくり
――会社を立ち上げた経緯を教えてください。
創業は2004年7月です。いろいろな仕事を経験してきましたが、直前はWeb制作会社に勤めていました。次の転職先を探すというよりも、「自分でやってみようかな」と思ったことがきっかけです。
当初は、直近で勤めていた会社や、それ以前に勤めていた会社から仕事をいただき、フリーランスのデザイナーとして2年間活動しました。その後、2006年4月に有限会社として法人化しました。
――現在取り組まれている事業の特徴や強みを教えてください。
昨年からSNS運用に力を入れています。Web制作については、ここ数年のAIの流れもあり、厳しさを感じる部分があります。そのため、別軸の柱としてSNSの領域に取り組んでいるところです。
制作において意識しているのは、ユーザー視点で“Web”をつくることです。見た目だけではなく、クライアントの要望に応えつつ、「そのWebサイトの最終的なゴールは何か」を明確にし、限られた予算の中で最大限の成果(目的)を導き出すことを常に意識しています。
――理念やビジョンに込めている思いはありますか。
明確な理念として大きく掲げているものはありません。ただ、これまで紹介で仕事をいただく形で20年続けてきました。10年以上お付き合いのあるお客様も多くいらっしゃいます。
その意味では、お客様に寄り添い、一緒に伴走していけるような対応を大切にしてきました。長く続いている関係性は、そうした姿勢の積み重ねなのかなと思っています。
危ない時こそすぐに動く、感覚を信じた経営判断
――独立当時、不安はありましたか。
もちろん不安はありました。ただ、最初はフリーランスで自分一人でしたので、何とかなるかなという気持ちもありました。一番多い時で5、6人ほどのスタッフがいた時期があります。スタッフが増えるにつれ、大きくなる責任を感じていました。
コロナ禍以降のここ2、3年は、正直厳しい状況もあります。それでも、一つずつ不安を取り除きながら、何とか進めてきています。
――経営判断の軸になっている価値観は何でしょうか。
明確な言葉として掲げているものはありませんが、基本的には自分の経営感覚を信じて進んできました。当然、これまでに失敗もありました。ただ、状況が悪化する前に『何かおかしい、危ないな』と気づく感覚が働き、そのタイミングですぐに行動を起こしてきたことで、何とか20年続けてこられたのだと思います。
象徴的な例がコロナ禍での決断です。2019年末から状況を注視し、2020年初頭には先行きを予測できない危機だと直感しました。当時、渋谷にあったオフィスはすぐさま解約し、スタッフの在宅体制への移行を即断しました。固定費というリスクは、先手を打って最小限に抑えるべきだと考えたからです。危機に直面した時こそ、瞬時に動いて具体的な手を打つ。その判断のスピード感を大切にしています。
――その感覚を支えているものは何だと思いますか。
常にWebの最前線に触れている環境が、私の感覚を支えていると思います。手がける案件ごとに最新の市場動向を掘り下げるため、日常的に多くの情報と向き合っています。その積み重ねが、結果として経営における直感や判断の精度を高めているのかもしれません。
個人の時間を大切にする組織運営
――社内のコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
スタッフ同士で頻繁にコミュニケーションを取るというより、必要最低限のやり取りを大切にしています。コロナ禍以降は在宅のメンバーもいるため、チャットツールなどを使いながら、こまめに連絡を取っています。
また、7年程前から週休3日制を取り入れており、今も継続しています。社内コミュニケーションというよりも、個人の時間をよりよく使ってもらうことを考えた制度です。
――週休3日制を取り入れた理由を教えてください。
2つ理由があります。1つは、チーム内でお互いをフォローし合える体制をつくるためです。誰か一人が休んでも別のスタッフがすぐに補えるよう、全員で案件の情報をオープンに共有して回していく仕組みを整えたかったという狙いがあります。
もう1つは、個人のインプットやリフレッシュの時間を大切にしてほしいからです。私たちが手がけるWebやデザインの仕事は、日々の情報収集や、心にゆとりを持つことが質の高い提案につながります。しっかり休み、個人の時間を豊かに使ってもらうことが、結果としてお客様に良いクリエイティブをお返しすることに繋がると考えています。
――採用の際に「一緒に働きたい」と感じるポイントはありますか。
自己アピールが上手な人です。これまで面接をして採用してきた中でも、自分がどういう人間で、何が得意なのかをうまく表現できる人を選んできたように思います。
人に見せること、理解してもらうことは、デザインやWebの仕事にも通じます。自分の特徴をうまく見せられる人は、仕事でもその力を活かせるのではないかと考えています。
自社メディアとサービスを育て、安定した経営へ
――今後取り組んでいきたい挑戦を教えてください。
SNS運用もそうですが、自社メディアや自社サービスを一つ、二つ成功させたいという思いがあります。
現在は「minnna (みんな)」というシリーズで、AIではなく人間が回答するというコンセプトの匿名掲示板「みんなでGPT」、 無料素材ダウンロードサイト「みんなの素材」、無料ホームページ作成サービス「みんなのホームページ」の3つを展開しています。 そのほかにも、別で3つほど立ち上げ準備をしているメディアやサービスがあります。まずは近い将来、仕込んでいるプロジェクトの中から、大きなインパクトを生むようなサービスを世に送り出したいです。
――現在向き合っている課題は何でしょうか。
課題は、制作物の受注減少です。ここ2、3年で進んできていると感じています。原因はいろいろあると思いますが、AIの影響や、制作を内製化する会社が増えていることも関係しているのかもしれません。
当社には営業担当がいませんので、そこをどうフォローしていくかは課題です。外部の営業サービスを使う必要があるのかどうかも含めて、今はいろいろと考えているところです。
意味のないものはつくらない
――経営の中で、これだけは譲れないという思いはありますか。
意味のないものはつくらないようにしています。受注するために価格を抑えたものを用意したとしても、それがお客様のためにならない、ユーザーのためにならないものであれば、無駄でしかありません。お客様に寄り添うということは、言われたものをそのまま形にすることだけではないと思っています。
――お休みの日のリフレッシュ方法を教えてください。
10年程前からキャンプを続けています。コロナ以降はキャンプブームもあり、少し行きづらくなった時期もありましたが、今も月に1、2回はキャンプに行っています。
キャンプでは、とにかくゆっくりするだけです。その時間がリフレッシュになっています。
有限会社works ID
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