100億人にものづくりを――リスポが描く中小企業の想いを届けるクリエイティブエージェント

株式会社リスポ 代表取締役社長 黍田龍平氏

株式会社リスポは、AIを活用した新規事業「UGC Maker」を展開する企業です。中小企業が持つこだわりや情熱を、動画広告やSNSコンテンツを通じて自ら発信できるよう支援しています。同社は、単にコンテンツを制作するのではなく、企業の思いや価値を伝わる形に整えるクリエイティブエージェントとして、新たな仕組みづくりに取り組んでいます。本記事では、代表取締役社長の黍田龍平氏に、事業の特徴や経営における価値観、今後の展望について伺いました。

中小企業の思いを届けるAIサービス

――現在の事業内容について教えてください。

当社は現在、新規事業として「UGC Maker」というサービスに取り組んでいます。動画広告やSNSコンテンツを、AIで大量に生成できるサービスです。今まさに立ち上げている事業で、今回お話ししたい中心のテーマでもあります。私たちは、AIを活用したコンテンツ制作を支援するクリエイティブエージェントとして、中小企業が自社の魅力を自ら発信できる環境をつくりたいと考えています。 

――事業の特徴や、他社にはない強みはどのような点でしょうか。

他のAIサービスと比べたとき、コスト面に加えて、日本語や相場感、流行の捉え方などをより人間に近い形で生成できる点が特徴です。単にコンテンツを作るだけでなく、見る人に自然に伝わる表現を目指しています。

――理念やビジョンには、どのような思いが込められていますか。

日本には多くの中小企業があり、それぞれがこだわりや情熱を持って商売をされています。ただ、デジタル化が進む中で、その思いやこだわりが十分に伝わっていないケースも多いと感じています。

私たちのサービスは、そうした企業が自分たちの手で発信できるためのツールです。中小企業のこだわりや商売への思いを、自ら届けられるデジタルインフラをつくりたいと考えています。そのために、企業ごとの思いを伝わる形へ変えていくクリエイティブエージェントでありたいと思っています。 

ものづくりの延長線上にあった起業

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

父が会社経営者だったこともあり、起業すること自体のハードルはそれほど高くありませんでした。とはいえ、明確なきっかけがあって起業したというより、学生の頃からものづくりが好きで、その延長線上に起業があった感覚です。

起業しようと強く決めていたわけではありませんが、選択肢としては常にありました。自分にとっては自然な流れだったと思います。

――経営判断の軸になっている考え方はありますか。

会社の行動指針でもある「コトに向かう」という考え方を大切にしています。私たちは株式会社であり営利組織ですが、突き詰めると目的はお客様に喜んでもらうことです。

私たちには「100億人に、ものづくりを。」というミッションがあります。そのためにやるべきことに向き合えているかを、私自身も含めて全員に問い続けています。人間関係や組織内のさまざまな事情があっても、常にその“こと”に向き合えているか。そこがぶれなければ、意思決定を大きく間違えることはないと思っています。

会話量を増やし、組織の不安をなくす

――社内のコミュニケーションで大事にしていることは何でしょうか。

コミュニケーションがうまくいっていないときは、雑談を含めた会話量そのものが減っていることが多いと感じています。そのため、一緒にランチに行くことも含めて、会話量を増やすことを意識しています。

会話が減ると、相手の考えや判断を自分のバイアスの中で想像してしまい、不安や落ち込みにつながることがあります。それは会話を増やすことでしか解決できないと思っています。私自身が課題を感じたときは積極的に動きますし、マネージャー陣ともそうした話をしています。

――一緒に働きたいと感じる人はどのような方ですか。

特にナンバー2や右腕のような存在であれば、人のマネジメントや事業をきちんと回せる人がいいと考えています。特別な言葉ではありませんが、組織や事業を前に進めるうえで、基本をしっかり担えることが大切だと思っています。

中小企業の情熱を翻訳するプロダクトへ

――今後取り組んでいきたい挑戦や展開を教えてください。

私たちは、中小企業の方々の思いや情熱が枯れないようにし、それを世の中に伝えていく“翻訳機”のような存在でありたいと考えています。最終的には、日本の中小企業の方々に広く使ってもらえるプロダクトにしていきたいです。今後もクリエイティブエージェントとして、企業が持つこだわりや価値を伝わる形に変え、発信を支える存在を目指していきます。 

――現在向き合っている課題はありますか。

今は新規事業を一から立ち上げているタイミングです。もともとの事業として「積立決済」という決済サービスもありますが、今回の事業とはお客様も異なります。

そのため、関係性の構築の仕方や、事業に合った組織づくりも変えていく必要があります。前回事業をつくったときとは違う歩み方だと感じており、日々修正しながら取り組んでいます。

顧客視点とやり切る姿勢を貫く

――経営の中で、これだけは譲れないという思いはありますか。

顧客視点から外れないことは、譲れない価値観の一つです。もう一つは、やり切ることです。「細部に神は宿る」という言葉がありますが、本当にその通りだと思っています。

細かいことに気を配れなくなることは、自分の中では良くない状態です。常に顧客視点であり続けること、そして細部にこだわってやり切ること。この2点は、創業当初からぶれない価値として大切にしています。

――お休みの日など、リフレッシュの仕方を教えてください。

土日も仕事をしていることが多いですが、休みがあるときはBリーグの試合を観に行くことがあります。小学校~高校の頃にバスケットボールをしていたこともあり、プロバスケットボールの試合を観るのは好きです。ほかには、謎解きや脱出ゲームに行くこともあります。

スポーツには、仕事では味わえない感動があります。利益とは関係なく、人がお金を払って試合を観に行き、好きなチームを応援して盛り上がる。試合に勝ったときには、前後に座っている知らない人ともハイタッチをするような熱狂があります。

私は会社の中でも、自分たちの会社はプロスポーツチームだという話をよくします。人を熱狂させるものは、株式会社だけではありません。スポーツ観戦やアイドルなど、人を熱中させるものの根底にある力が好きです。そうした異文化の熱狂に触れることが、リフレッシュにもなっています。

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