価値を正しく届ける採用支援へ――中小企業の若手採用を支援するSNS採用代行「ワカッテ採用」の挑戦
株式会社kanaL 代表取締役 玉垣 侑也氏
企業の魅力を求職者へ届ける方法が多様化する中、株式会社kanaLは、中小企業の若手採用を支援するSNS採用代行サービス「ワカッテ採用」を展開しています。単にSNSのフォロワー数や認知度を高めるのではなく、TikTok・Instagram・公式LINEなどを活用し、企業に合った人材との出会いを生み出し、応募獲得から採用獲得、さらに入社後の活躍まで見据えた採用支援を行っていることが特徴です。 本記事では、代表取締役の玉垣侑也氏に、創業の経緯や事業への想い、今後の展望について伺いました。
目次
SNSを活用し、中小企業と人材の最適な出会いを創出する
――会社設立の経緯について教えてください。
もともと私自身がメディア事業を運営していました。その事業が成長し、収益も大きくなってきたことから法人化したのが株式会社kanaLの始まりです。
最初から会社を立ち上げようと考えていたわけではありません。まずは個人で事業を進め、その中で手応えを感じたことが現在につながっています。
――現在の事業の特徴や強みを教えてください。
現在は、中小企業の若手採用に特化したSNS採用代行サービス「ワカッテ採用」に力を入れています。
一般的なSNS運用代行会社との違いで言えば、私たちは採用に特化している点が大きな特徴です。SNSを伸ばすこと自体を目的にするのではなく、TikTokやInstagramで企業の魅力を届け、公式LINEなどを通じて求職者との接点をつくり、応募・採用につなげることを重視しています。
また、応募や採用ができれば終わりではありません。入社後にその人が活躍できることまでを最終ゴールとして考えています。そのため、過度に「楽しそうな会社」と見せるのではなく、仕事内容や社風、働く人の価値観まで正しく伝えることを大切にしています。
「価値が正しく伝わる会社を日本に増やす」というビジョン
――会社の理念やビジョンについてお聞かせください。
当社では「価値が正しく伝わる会社を日本に増やす」というビジョンを掲げています。
世の中には良い会社がたくさんあります。特に中小企業の中には、給与や知名度だけでは伝わらない魅力を持っている会社も多くあります。しかし、その価値が若手求職者に正しく伝わっていないケースも少なくありません。だからこそ、その人に合った会社を適切に届けることが大切だと考えています。
企業の魅力を発信するだけではなく、それを必要としている人に届けることこそが私たちの役割です。
――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。
私が一番大切にしているのは、「良いものを必要な人に正しく届ける」という考え方です。
特に採用の世界では、「良い会社」の定義は人によって異なります。SNSでは「楽しい会社」「仲の良い会社」といった発信をよく見かけますが、それだけが企業の価値ではないと思っています。
会社にはそれぞれ本当の魅力があります。その魅力を掘り起こし、伝わりやすい形に整理し、受け取る側が理解しやすい形で届ける。それが私たちの仕事です。
伝えるべき価値を、伝えるべき相手に届ける。この考え方を経営の中心に置いています。
成果で評価される組織づくりへのこだわり
――組織運営で大切にしていることはありますか。
当社では成果を重視した評価制度を採用しています。
お客様に満足していただき、契約を継続していただくことや紹介につながることを評価基準にしています。そのため、過程よりも結果を重視する文化が根付いています。
もちろん努力は大切です。しかし、「頑張ったから評価する」という考え方ではありません。お客様が満足したかどうかを基準に評価する組織でありたいと思っています。
その結果、社員一人ひとりが成果を出すために何をすべきかを考えるようになります。評価制度だけでなく、日々のコミュニケーションにおいてもその考え方を大切にしています。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
成果で評価されたい人ですね。
過程ではなく結果で評価される環境に魅力を感じる人には合っていると思います。自分の成果が正当に評価される環境を求めている人には、やりがいを感じてもらえるはずです。
製造業の魅力を伝える新たな挑戦
――今後取り組んでいきたいことを教えてください。
最近、新たに採用メディア事業へ取り組み始めました。
製造業に特化した採用・仕事理解メディア「ものづくりのしごと図鑑」を立ち上げ、製造業の仕事の魅力や、現場で働く人の想いを発信しています。
製造業には素晴らしい会社や仕事が数多くありますが、その価値が十分に知られていないこともあります。だからこそ、業界の魅力や働く人の姿を発信し、多くの人に知ってもらいたいと考えています。
今後はこのメディアをさらに成長させていきたいですね。
――現在感じている課題についてお聞かせください。
新規集客は大きな課題の一つです。
今回の取り組みはこれまでにないモデルであり、さらに製造業という業界で展開しているため、まずは価値を理解してもらうことが必要になります。
最初はテレアポなどを活用しながら営業活動を行っていますが、本当に目指しているのは紹介によって広がっていく状態です。
サービスの価値をしっかり感じていただき、その結果として紹介が生まれる仕組みを作っていきたいと思っています。
転職活動で知った「会社との相性」の大切さ
――現在の事業につながるきっかけとなった出来事はありますか。
一番大きな影響を受けたのは、自分自身の転職活動です。
以前は楽天グループ株式会社で仕事をしていました。その後、中小企業への転職を考えた際に、初めて多くの中小企業を見る機会がありました。
その中で感じたのは、大手企業と中小企業の違いです。大手企業は誰にとっても良い会社を目指している印象があります。一方で中小企業は特徴がはっきりしていて、ある人にとっては非常に魅力的な会社でも、別の人には合わないこともあります。
だからこそ、企業と求職者の相性が重要だと実感しました。
「この会社は自分に合う」「この会社は合わない」と感じた経験が、現在の事業の原点になっています。企業の個性や魅力を正しく伝えることで、本当に合う人との出会いを生み出したい。その想いが今の仕事につながっています。
サウナで思考を整理し、新たなアイデアを生み出す
――最後に、休日のリフレッシュ方法を教えてください。
サウナに行くことです。
普段は仕事のことをずっと考えていて、スマートフォンがあれば家に帰ってからも情報収集をしたり考え事をしたりしています。
そのため、強制的にスマートフォンから離れられるサウナは貴重な時間です。もちろんサウナの中でも仕事について考えることはありますが、環境が変わることで頭の中が整理されます。
新しいアイデアが浮かぶこともありますし、自分自身をリセットする時間にもなっています。今後も事業の成長に向けて挑戦を続けながら、価値を正しく届けるという軸を大切にしていきたいと思います。