AIの力で“つくる人”を増やす――株式会社アイネットマコトが描く新たなシステム開発の未来

株式会社アイネットマコト 代表取締役 鶴丸 誠氏

株式会社アイネットマコトは、システム開発を中心に、近年ではAIを活用した新たなサービス開発にも注力している企業です。要件定義から設計、開発、納品まで一貫して手掛けながら、建築、医療、介護、福祉など幅広い分野の課題解決を支援しています。現在は、専門知識がない人でもAIを活用してシステムやサービスを生み出せる新たな仕組みづくりに挑戦中です。今回は代表の鶴丸氏に、事業への想いや今後の展望について伺いました。

幅広い業界の課題解決に取り組むシステム開発会社

――現在の事業内容について教えてください。

当社はシステム開発会社として、お客様からいただいたご要望や課題をもとに、要件定義から設計、開発、納品まで一貫して対応しています。個人のお客様から企業まで幅広くご依頼をいただいており、できるだけ多くの課題解決につながるよう取り組んでいます。

現在は建築関係、病院、介護事業者、障害者福祉支援などの分野のお仕事が多くなっています。また、日本の商品やサービスを海外へ展開したい方の支援や、AIを活用した仕組みづくりにも力を入れています。

――貴社の強みはどのような点にありますか。

私自身、これまで新しい技術や時代の変化に対して、できるだけ早く挑戦することを意識してきました。

2009年頃からスマートフォン向けアプリの開発に取り組み、まだ日本国内でスマートフォンアプリ開発者が少なかった時代に開発を進めていました。当時制作したアプリがYahoo!ニュースに取り上げられたり、Android関連のコンテストで賞をいただいたりした経験があります。

新しい技術を早い段階で経験しておくと、後からその技術が広がった際に対応がしやすくなります。経験の蓄積によって発想の幅も広がり、さまざまな課題に対して柔軟なアイデアを生み出せることが強みだと感じています。

祖母の介護をきっかけに独立を決意

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

もともとは会社員として働いていました。しかし、祖母が交通事故に遭ったことが人生の大きな転機になりました。

当時は仕事でも評価をいただき、さらに大きな役割を任される直前でしたが、祖母の介護が必要な状況となり、面倒を見られるのが私しかいませんでした。そこで仕事を続けながら介護をするためには、自分で事業を立ち上げる方が良いと考えたんです。

祖母は私に迷惑をかけたくないという思いから懸命に回復しようとしていました。その姿を近くで見ながら、自分の働き方を見直し、独立という道を選びました。

創業は2001年です。同じ分野で長く活動を続けながら、技術の変化に合わせて挑戦を重ねてきました。

地域課題の解決にも技術を活用

――地域に向けた取り組みもされているそうですね。

私は佐賀県唐津市の出身です。せっかく自分が持っている技術を地域に役立てたいという思いがあり、「唐津くんち!曳山ナビ!」を開発しました。

唐津くんちには毎年多くの観光客が訪れますが、どこで曳山を見ることができるのか分かりづらく、人の移動による混雑や安全面の課題もあったんです。

そこでAIやGPSの技術を活用し、現在地から曳山の位置を確認できる仕組みを作りました。観光客がスムーズに移動できるようになり、多くの方に利用していただいています。

この取り組みはメディアにも取り上げられました。地域向けのサービスとして始めましたが、今後はさまざまな観光地への展開も視野に入れています。

AIによって誰もがサービスを生み出せる時代へ

――現在特に力を入れている取り組みについて教えてください。

今もっとも注力しているのは、一般の方でもAIを活用してシステムやサービスを作れる仕組みです。

通常、システム開発を依頼すると完成まで数か月かかり、費用も必要になります。しかし、アイデアを持っている人は開発者だけではありません。一般の方の中にも素晴らしい発想を持つ人はたくさんいます。

そこで、頭の中にあるアイデアを文章で入力するだけで、AIがシステムやサービスを形にしてくれる仕組みを開発してリリースしました。月額無料プランから利用できます。サブスクリプション型で提供中です。

実際に、パソコンに詳しくない知人にも試してもらいました。すると、山に生えている植物の情報を調べる図鑑や、自分の発想を活かした独自のサービスを作り上げてくれたんです。

私は、その人たちが何を作るのかに大きな可能性を感じています。技術的な壁によって実現できなかったアイデアが形になることで、新しい価値が次々と生まれるのではないかと期待しています。

AIの進化をチャンスに変えたい

――今後の展望についてお聞かせください。

現在開発しているサービスを多くの方に届けたいと考えています。

広めていく方法としては、自分たちでコンテストを開催したいと思っています。過去に私自身がコンテストをきっかけに多くの人とつながり、新しい機会を得ることができました。その経験を活かし、今度は挑戦する人を増やす側になりたいんです。

参加者が作ったサービスは、その人自身の資産として残ります。コンテストで終わるのではなく、継続的な価値につながる場をつくりたいと考えています。

一方で、AI業界の変化は非常に速く、そのスピードに対応し続けることが大きな課題です。ただ私は、変化は決して悪いことではないと思っています。

スマートフォンが普及した時代もそうでしたが、大きな変化のタイミングには必ず新しいチャンスがあります。AIの時代も同じです。日本の人たちがこの技術を活用し、新しい価値を生み出していけば、大きな可能性が広がると信じています。

――最後に、経営において大切にしている考え方を教えてください。

私が大切にしているのは、人を否定しないことです。

どんな人にも、その人なりの人生があり、考え方があります。年齢や立場に関係なく、それぞれが見ている世界を尊重したいと思っています。

自分の考えだけを押し付けるのではなく、相手の思いを受け入れながら一緒に形にしていく。その積み重ねが、より良い社会や組織につながるのではないでしょうか。

また、休日には中森明菜さんの音楽を聴くことがあります。
中森明菜さんの、自分が信じた道を貫き続ける姿勢に強く共感しています。周囲の意見に流されるのではなく、損得を考える前に、自分がやりたいこと、正しいと思うことは、まずやってみる。その姿勢や行動力は、私自身の考え方にも大きな影響を与えています。

世の中が大きく変化する時代だからこそ、新しい挑戦を恐れず、一人ひとりの可能性を信じて行動していきたいと思っています。

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