現場でしか得られない価値を届ける――バスケットボール専門メディアが目指す新たな挑戦
株式会社2for1 代表取締役 滝澤 俊之氏
株式会社2for1は、バスケットボール専門メディア「バスケットボールニュース2for1」の運営を中心に、動画制作や記事制作などのコンテンツ制作を手がける企業です。全国に独自の取材ネットワークを構築し、現場で得た一次情報を発信することを強みとして、バスケットボールの魅力を広く届けています。本記事では、代表の滝澤俊之氏に、事業への想いや創業の経緯、今後の展望などについて詳しく伺いました。
現場主義を貫くバスケットボール専門メディア
――現在の事業内容について教えてください。
現在は、バスケットボール専門メディア「バスケットボールニュース2for1」の運営が事業の中心です。 そのほかにも、動画制作や記事制作などのコンテンツ制作を手がけており、メディア運営と制作事業の両軸で事業を進めています。
収益は、広告収入やスポンサー企業からの支援、制作業務の受託、有料会員サービスなど複数の柱で構成されています。また、YouTubeでも積極的に情報発信を行い、スポンサー企業とのタイアップ企画なども展開しています。
――御社ならではの強みはどういった点にありますか。
最大の強みは、「現場主義」を掲げて全国に独自の取材体制を構築している点です。首都圏を本部としながら、東北や信州、関西、愛知、中国、沖縄など各地域にライターやリポーターを配置し、全国各地のバスケットボールチームを取材できる体制を整えています。
首都圏に本社があるメディア企業だと首都圏のチーム中心の取材になりがちですが、弊社は地方チームも含めて全国を幅広く取材できる体制を構築していることが特徴です。また、一つの取材から記事と動画の両方を制作することで、ユーザーとの接点を増やしています。
バスケットボールが大好きだから、自分でメディアを立ち上げた
――創業された経緯を教えてください。
創業の原点にあるのは、バスケットボールへの強い想いです。文章を書くことや人の話を聞くことにも興味があり、高校生のころからスポーツ記者を志していました。
大学ではスポーツメディア論を専攻し、アメリカ留学中には現地新聞社でインターン記者として経験を積みました。 その後、新卒でスポーツ新聞社に入り、約5年間、記者・編集者としてキャリアを積みました。
一方で、日本のマスメディアではバスケットボールを大きく扱える機会が限られており、自分が本当に伝えたい競技を、もっと自由に、深く発信できる場が必要だと感じたんです。そこで2019年に「バスケットボールニュース2for1」を立ち上げ、事業として継続していくために2022年3月に株式会社2for1を設立しました。
――現在の手応えはいかがでしょうか。
収益面ではまだ課題もありますが、ファンの皆様に支えられながらメディアの規模は着実に成長しています。何より、自分が本当にやりたかった「バスケットボールを伝える仕事」ができていることに大きなやりがいを感じています。
人を育て、信頼されるメディアをつくる
――現在の組織体制について教えてください。
現在は私が代表兼編集長として全体を統括し、全国各地のライターやリポーターと業務委託という形で連携しています。少数精鋭の体制ではありますが、それぞれが地域に根差した取材を担い、全国規模のネットワークを築いているのが特徴です。
人材育成にも力を入れており、取材や記事制作だけでなく、撮影まで一人で対応できる人材の育成を進めています。私自身、記者時代は取材から撮影まで一貫して担当してきました。その経験が現在の育成方針のベースとなっています。現場で経験を積みながら成長できる環境を整え、実践を通じて力を伸ばしてほしいと考えています。
――経営で大切にしていることは何でしょうか。
AIの活用が進み、情報そのものは誰でも手に入れられる時代になりました。そのなかで当社が最も価値を置いているのは、現場で取材して得た一次情報です。
アクセス数を目的とした刺激的な表現ではなく、自分たちが直接取材した事実を正確に届けることを何より大切にしています。一方で、事業として継続していくためには利益も欠かせません。
これまではやりたいことを優先する場面も多くありましたが、今後はコンテンツの価値と収益性の両立を図りながら、持続可能なメディア運営を実現していきたいと考えています。
メディアとしての信頼を守りながら、事業を成長させる
――今後の展望を教えてください。
今後も現場主義という強みをさらに磨きながら、メディアとしての価値を高めていきたいと考えています。AI時代だからこそ、自分たちで現場へ足を運び、取材して得た情報には大きな価値があります。その価値をさらに高めながら、収益へとつなげていくことが現在の大きな課題です。
最近では制作案件の受注も増えており、メディア運営と制作事業の両方を伸ばしながら事業を拡大していきたいと思っています。また、Yahoo!ニュースやLINE NEWS、Microsoft Newsへの記事配信も行っており、自社サイトだけでは届かない層へ情報を届けることで、バスケットボールの魅力や自社メディアの認知拡大にもつなげています。
――経営者として今後大切にしていきたいことはありますか。
これまでは、自分たちが実現したいことを優先して事業を進めてきた部分もありました。しかし、メディアとして活動を続けていくためには、理念だけでなく事業として利益を生み出していくことも欠かせません。
今後は、コンテンツの価値を適切に収益へ結び付けながら、やりたいことと事業性のバランスを取っていくことが重要だと考えています。スポンサー開拓やマネタイズを強化しながら、持続的に成長できるメディアを目指していきます。その上で、バスケットボールの魅力をより多くの方に伝えていけるよう、コンテンツ発信に注力していきます。
――将来的に目指す姿についてもお聞かせください。
理想は、日本でバスケットボールが最も親しまれるスポーツとなり、「バスケットボールといえば2for1」と言っていただけるメディアになることです。
また、スポーツメディア業界を目指す若い人たちが安心して挑戦できる環境をつくることも目標の一つです。スポーツが好きで、取材を仕事にしたいという志を持つ人たちを育て、活躍できる会社へ成長させていきたいと考えています。
――目標の実現に向けて、今後どのような取り組みを進めていきますか。
現在は、3年後に売上を約2倍まで伸ばすことを目標に掲げています。その実現に向けて、スポンサー開拓やマネタイズをさらに強化し、コンテンツの価値を事業としてしっかり成長へ結び付けていきたいと考えています。
現場で積み重ねた信頼を大切にしながら、メディアとしての役割と事業としての成長を両立させることが今後のテーマです。バスケットボールに関わる人たちへ価値ある情報を届け続けるためにも、持続可能な事業基盤を築き、長く愛される専門メディアを目指していきます。