鹿児島で働く価値をもっと伝えたい――タマリバが目指す地域密着型の採用支援
株式会社タマリバ 代表取締役 下玉利 幸司氏
株式会社タマリバは、鹿児島に特化した人材採用支援を手がける企業です。求人転職サイトや人材紹介、ホームページ制作を軸に、地域企業と求職者をつなぐサービスを展開しています。本記事では、代表の下玉利 幸司氏に、事業への想いや経営の考え方、今後の展望について伺いました。
鹿児島に特化し、人と企業の魅力を伝える
――現在の事業内容ついて教えてください。
当社では、鹿児島に特化した人材採用支援を行っています。事業の柱は、求人転職サイト、人材紹介、ホームページ制作の3つです。
――事業の特徴や強みはどのような点にありますか。
最大の特徴は、鹿児島に特化していることです。鹿児島で働きたい人に向けた転職サイトとして、地域を限定しているからこそのわかりやすさがあります。
もう一つの強みは、求人情報の質です。企業への取材に力を入れ、実際に働く人の声や職場の雰囲気を丁寧に伝えています。イメージ写真は使用せず、スタッフインタビューを充実させることで、求人票だけでは伝わらないリアルな情報をお届けしています。
――理念やビジョンには、どのような想いが込められているのでしょうか。
当社では、「他人と比べるのではなく、自分らしく生きる人を増やし、生きる選択肢を広げること」を大切にしています。
この考えに至った背景には、私自身の転職経験があります。これまで6回転職を経験し、若い頃は給与や休日といった条件を重視して仕事を選んでいました。しかし、経験を重ねるなかで、「どこで働くか」よりも「誰と働くか」を重視するほうが、仕事の充実感につながる実感が得られるようになりました。
だからこそ現在は、企業やそこで働く人の魅力をもっと発信したいと考えています。条件だけでは伝わらない企業のよさを知っていただくことで、自分らしく働ける場所との出会いを増やしていきたい――その想いが、現在の事業の原点です。
自身の経験が、事業を始める原動力になった
――会社設立の経緯を教えてください。
当社は、宮崎で人材を採用したい企業が集まるメディア「インタークロス」から100%の出資を受けて設立しました。もともと前職で人材ビジネスの新規事業に携わっており、さらに事業を成長させたいと考えていたとき、宮崎で成功していた元同僚に相談したことがきっかけです。
「鹿児島で事業を展開するのであれば、鹿児島の企業や求職者と向き合うのは鹿児島の人間であるべきだ」という考えから、地元法人としてスタートしました。
私自身、県外からUターンした際に転職活動で苦労した経験があります。その経験から、鹿児島の雇用に関する情報をもっと発信する必要性を強く感じていました。その想いと独立の話が重なり、現在の事業につながっています。
――経営判断で大切にしていることは何でしょうか。
迷ったときは、「ワクワクする方を選ぶ」ということです。
もちろん収益性も判断材料ですが、自分自身が面白いと感じる仕事のほうが力を発揮できます。たとえ難しい挑戦でも、ワクワクできるのであれば挑戦する――その姿勢を経営でも大切にしています。
小さな組織だからこそ、情報共有を徹底する
――組織づくりで意識していることを教えてください。
現在は私を含めて3名体制で、人数が少ないからこそ、情報共有を徹底しています。
対面で話すこともありますが、基本的に活用しているのはチャットツールです。近くにいてもチャットでやり取りし、タスクや採用状況、雑談などカテゴリーごとに管理しています。記録が残るため、認識のずれや伝達漏れを防げることが大きなメリットです。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
一緒に働きたいのは、バイタリティがあり、鹿児島や社会の課題に対して自分なりの想いを持ち、主体的に行動できる人です。
また、採用時には挫折経験についてもよく伺います。経験の有無ではなく、困難にどう向き合い、どのように乗り越えてきたのかを重視しているためです。その過程には、その人の価値観や成長する力が表れると考えています。
アイデアを歓迎し、まず行動する
――仕事で大切にしている価値観はありますか。
最も大切にしているのは、自由に意見を交わせる組織づくりです。私自身の考えに固執するのではなく、さまざまなアイデアが生まれる環境をつくることを意識しています。なぜなら、たとえ実現が難しいと感じる提案でも、最初から否定はしません。実際に行動し、検証することで見えてくることがあるためです。
できない理由を探すのではなく、実現する方法を考える――その積み重ねが、新たな挑戦や組織の成長につながると考えています。
――休日の過ごし方についてもお聞かせください。
休日は、地元の女子サッカーチームの広報として活動しています。娘も選手兼指導者として関わっており、私自身はSNSでの発信やスポンサー企業、行政との連携を担当しています。
この活動の背景にあるのは、企業と子どもたちが関わる機会をつくることで、お互いに学び合える場を生み出したいという想いです。ボランティアで取り組んでいますが、今では生きがいの一つになっています。
鹿児島の雇用を支える存在を目指して
――今後の展望についてお聞かせください。
目指しているのは、求人媒体の枠を超え、鹿児島の雇用を支えるインフラのような存在になることです。「雇用で鹿児島を元気にする」というミッションのもと、求職者と企業を結び付けるだけでなく、地域全体の熱量を高める役割を担っていきたいと考えています。
そのために、企業には採用ブランディングの伴走者として魅力を言語化し、求職者には「誰と、どんな未来を目指して働くか」という視点で、自分らしいキャリアを選ぶための支援を続けていきます。
また、「鹿児島だから選択肢が少ない」という固定観念を変え、「鹿児島だからこそ面白い仕事がある」という価値観を地域に根付かせることも大きな目標です。地方だからこそ実現できる働き方や挑戦を発信し、鹿児島で働くことにワクワクできる人を一人でも増やしていきたいと考えています。
――現在、課題はありますか。
最大の課題は、認知の拡大です。人材業界は大手企業が数多く参入する市場であり、認知度には依然として大きな差があります。
そのため、地域密着ならではの情報価値を高め、鹿児島で転職を考えた際に真っ先に選ばれる存在になる必要があると思っています。これからも、「鹿児島だからこそ面白い仕事がある」という価値観を広げ、鹿児島で働くことにワクワクできる人材を一人でも増やしていきたいです。