エンジニアリングを楽しみ、日本のデジタル競争力を高める――Spell The SpaceのDX・AX支援

Spell The Space合同会社 代表 小笠原 良太氏

Spell The Space合同会社は、システム開発を中心に、DXやAX支援を行う企業です。小売業や製造業、ブライダル、ホテルなど幅広い業界に向けて、業務のデジタル化やシステム導入を支援しています。本記事では、代表の小笠原 良太氏に、創業の背景や事業への想い、今後の展望などについて伺いました。

業界を問わず、業務に深く入り込むシステム開発

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、主にシステム開発とDX・AXの支援を行っています。案件としてはBtoBが中心で、小売業や製造業、ブライダル、ホテルなど、業界を問わず幅広い業種のお客様とのお付き合いがあります。

例えばブライダル業界では、結婚式場のDX支援に関わっています。顧客管理ツールや式場予約の管理など、これまで紙ベースやレガシーなシステムで運用されていた業務を、既存SaaSへの置き換えやデジタル化によって改善していくような取り組みです。

――事業で大切にしている姿勢はありますか。

システムは、単に開発して納品することがゴールではありません。お客様の業務や事業への理解を深めながら、長期的なパートナーとして伴走できる関係を築くことが重要です。システム開発を入口に信頼関係を構築し、その先ではDX支援やAI導入支援まで含め、IT全般について気軽に相談していただける存在でありたいと考えています。

プログラミングや開発だけを担う仕事は、今後ますます差別化が難しくなっていくでしょう。だからこそ、要件定義や業務改善といった上流工程から関わり、お客様の事業そのものに価値を提供していくことが大切になってきます。

一社一社と継続的な関係を築きながら、事業の成長を支えるパートナーであり続けたいです。

音楽活動からエンジニアへ

――創業までの経緯を教えてください。

学生時代はバンド活動に打ち込み、プロを目指して徳島から上京しました。音楽活動と両立しやすい環境を求め、シフト制のコールセンターに勤務していました。

担当していたのは、パソコンやスマートフォンの操作に関する問い合わせ対応です。日々の業務を通じてITやエンジニアリングに興味を持つようになり、独学でプログラミングを学んだ後、受託開発会社へ転職しました。その後はフリーランスとして活動し、将来的な選択肢を見据えながら事業基盤を築き、2026年2月にSpell The Spaceを設立しました。

――起業を選ばれた理由は何だったのでしょうか。

フリーランスとして独立した当初から、「将来的には会社員へ戻る」「フリーランスを続ける」「起業する」という3つの選択肢を想定していました。そのなかで起業を選んだのは、継続的に取引のあったクライアントとの関係を、さらに発展させたいと考えたためです。

会社員に戻れば、それまで築いてきた取引が途切れてしまうおそれがありました。しかし、法人化すれば、信頼性を高めながら事業として継続的に価値を提供できる環境を整えられると判断しました。税務面も一つの判断材料でしたが、それ以上に将来の事業展開を見据えた決断だったと思っています。

原体験から生まれた「デジタル競争力を高める」という使命

――ビジョンやミッションには、どのような想いが込められていますか。

当社のビジョンは、「紡ぐ」です。ミッションには、「エンジニアリングを楽しみながら、日本のデジタル競争力を高める」という考えを掲げています。

この原体験は、コールセンター時代にあります。パソコンやスマートフォンの操作について問い合わせを受けるなかで、デジタルリテラシーが高くない方が多いことを実感しました。電話を終えたあとにスマートフォンの通話の切り方がわからない方もおり、「このままでは、日本のITリテラシーはなかなか成長していかないのではないか」と感じたんです。

私自身、エンジニアリングが好きで、エンジニアリングを好きな人を育成したり、見つけたりしながら、DX支援の一環としてITリテラシーそのものを底上げしていきたいと考えており、その想いが今のミッションにつながっています。

――コールセンターでの経験は、現在の仕事にも活きていますか。

そうですね。コールセンターでは、カスタマーハラスメントのような対応もありました。ときには強い言葉を投げかけられることもありましたし、ITの窓口を何でも屋のように捉えられることもありました。

そうした経験を通じて、耐性は身についたと思います。また、ITに困っている人がどこでつまずくのかを肌で感じられたことも、今の仕事につながっています。

3年後には、年商10億円に

――今後の展望について教えてください。

現在は合同会社ですが、来年か再来年には株式会社化も考えています。3年後には年商10億円を目指して事業計画書も作成しており、今はその計画に沿って取り組みを進めているところです。

現段階では、フリーランス時代からお世話になっているクライアントや、リファラルによる案件が多い状況ですので、今後の課題として、営業活動も強化していきたいと考えています。東京商工会議所にも登録しましたので、地域のビジネス交流会や勉強会、講演会などにも積極的に参加していく予定です。

――組織体制はどのように広げていく予定ですか。

現時点では、社員採用というよりは、業務委託メンバーを増やしていく想定でいます。業務委託はフリーランス時代からの知人を中心にお願いしており、案件が増えるごとに1名ずつ増やしながら、現在は私を含めて5名体制になっています。

今後も案件と受け入れ体制のバランスを見ながら、少しずつ広げていきたいです。

好きだからこそ続けられるエンジニアリング

――休日や空いた時間は、どのように過ごされていますか。

もともとプログラミングやシステム開発そのものが好きなので、仕事が趣味のような感覚です。休日もAIに触れたり、新しい技術を試したりすることが多く、自然と最新の技術動向をキャッチアップしています。

日によっては12時間から15時間ほど仕事に向き合うこともありますが、負担に感じることはほとんどありません。新しい技術に触れること自体が楽しく、その積み重ねがお客様への提案やサービスの質にもつながっていると感じています。

これからも、システム開発を入口にしながら、お客様の業務に深く入り込み、DXやAI導入支援へと支援の幅を広げていきたいです。エンジニアリングを楽しみながら、日本のデジタル競争力を高める。そのミッションに向かって、一歩ずつ事業を育ててまいります。

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