実力で勝つ――SNSで一番を目指すオープンリーチの挑戦
株式会社オープンリーチ 代表取締役社長 舟橋 大貴 氏
株式会社オープンリーチは、SNSアカウントの運用代行と、自社アカウントの企画・運営を手がけています。先に報酬を受け取る運用代行だけに頼らず、自ら費用とリスクを負う自社アカウントに注力することで、実力を磨き続けてきました。「実力がお金に反映される世の中にしたい」という理念のもと、SNS業界で一番を目指す舟橋氏に、経営の軸や組織づくり、今後の展望を聞きました。
リスクを負うからこそ、実力が磨かれる
――現在の事業内容について教えてください。
SNSの運用代行と、自社アカウントの運営を行っています。運用代行は、クライアントから報酬をいただいてアカウントを運用する事業です。一方、自社アカウントは、自分たちで企画し、撮影費なども負担したうえで、成果が出てから利益を得ます。
売上の割合は、運用代行が5、自社アカウントが5ほどです。
運用代行では、営業活動や会食は行わず、自分たちが制作したアカウントを見た方からの問い合わせを通じて仕事を受けています。
――自社アカウントを重視している理由は何ですか。
自社アカウントは、結果が出なければ撮影費だけがかかり、赤字になります。実力がなければ続けられません。あえてその割合を多くしているのは、リスクを負い、緊張感を持って実力を磨き続けるためです。
運用代行で収益を得るだけではなく、しっかり力をつけ、その実力で稼ぐ会社でありたいと考えています。リスクを負う分、結果が出たときのリターンも大きくなります。
――会社の理念を教えてください。
実力がお金に反映される世の中にしたいと思っています。見せ方や営業だけで仕事を得るのではなく、本当の実力で評価されることが理想です。
実力があるなら、その力で食べていく。反対に、実力がないのであれば、無理に続けるのではなく、仕事そのものを見直す。そのくらい、実力を重視しています。
経営者を目指したのではなく、一番を目指した
――経営者になったきっかけを教えてください。
以前はSNSの運用代行会社で働いていましたが、その会社が事業を続けることが難しい状況になり、当時のメンバーと独立しました。
もともと経営者になりたいという願望があったわけではありません。大阪から東京へ来たのも、SNSで日本一になりたかったからです。
以前の会社で私を面接し、採用してくれた人とも、現在一緒に働いています。代表については、周囲から「やってほしい」と言われて引き受けました。
――代表に選ばれた背景には、どのような考え方があったのでしょうか。
私は勝ち負けが好きで、勝つことへの意欲が強いです。「一位以外は意味がない」と本気で考えています。
会社が厳しい状況になったとき、勝つ道を見つけてくれそうだと思ってもらえたことが、代表を任された理由の一つだったのだと思います。
――経営判断で大切にしている価値観は何ですか。
自分でつくった「ギブ・ゼン・テイク」という言葉を大切にしています。「ギブ・アンド・テイク」ではなく、先に与え、その後に受け取るという考え方です。
やはり実力も大切です。嘘をついたり、大きく見せたりせず、実力に見合う仕事をすることを譲れない軸にしています。個人名を前面に出して知名度を高めるのではなく、サービスの実力によって会社名が知られていく状態を目指しています。
管理ではなく、自立を求める組織
――現在の組織体制を教えてください。
役員が3名、従業員が3名、業務委託が4名の10名です。意識的に組織を大きくしようとはしていません。
一緒に働きたいと思える人がいれば増やしたいですが、今のオープンリーチには、本気で一位を目指し、そのために時間を使える人が合っていると考えています。
プライベートを大切にすることを否定しているわけではありませんが、現在の会社の状況では、仕事以外の時間を犠牲にできる人でなければ、お互いに合わないと思っています。
――社内コミュニケーションで大切にしていることはありますか。
特別なルールは設けていません。オフィスに来るかどうかや、コミュニケーションの量ではなく、結果を重視しています。会社の飲み会も年に1、2回ほどです。
仲が悪いわけではありませんが、会社側から交流を強制することはありません。全員が大人なので、自分で必要なコミュニケーションを取り、自分の仕事に責任を持つべきだと思っています。
――社員に自立を求めるのはなぜですか。
会社はいつかなくなる可能性があります。以前の会社が厳しい状況になった経験があるからこそ、オープンリーチだけで通用する人ではなく、どの環境でも働き、自分で食べていける人になってほしいと考えています。
会社を絶対に潰さない方法を探すより、環境が変わっても生きていける力を身につけるほうが再現性は高い。そのため、会社が何でも用意するのではなく、それぞれに自分で考えて動くことを求めています。
SNSの次は、オフラインで勝負する
――今後、挑戦したいことを教えてください。
SNSだけにこだわっているわけではありません。SNSを選んだのは、始めた時期や資金の差に左右されにくく、誰でも1投稿目から平等に勝負できる世界だと感じたからです。
言い訳ができない場所で戦えることに魅力を感じています。だからこそ、これからも真剣に勝負できる分野であれば、領域にこだわらず挑戦したいです。
――具体的には、どのような展開を考えていますか。
現在はオンラインを中心に事業を行っているため、次はオフラインで勝負したいと考えています。店舗を持つことも選択肢の一つです。ただ、店舗そのものに強いこだわりがあるわけではありません。
自分が最も戦いたいと思える場所を選び、もちろん利益も考えながら、心が動く領域で挑戦していきます。会社設立時に3期目までを構想しており、3期目以内には取り組む考えです。
勝つことが、何よりの原動力
――仕事に向き合う上で、何を優先していますか。
一位を取るために関係のないことには、ほとんどこだわりません。服装や髪型も同様です。SNSで一位になると決めて大阪から東京へ移った当初は、約2年間単身赴任をし、家族のもとへ帰るのも2か月に一度、日帰りという生活でした。
友人と遊ぶこともありませんでした。良いか悪いかは別として、家族に伝え、理解してもらったうえで、それ以外のことを犠牲にして仕事に集中してきました。
――リフレッシュ方法や趣味はありますか。
特にありません。休みの日もなく、勝つことでしか癒やされないと感じています。空いた時間には、普段できていない家族との時間をつくりますが、それも趣味やリフレッシュというより、父親として果たすべき役割だと考えています。
仕事そのものが楽しいので、今はリフレッシュを必要としていません。これからも、自分が本気で戦いたいと思える場所で、実力で一番を目指していきます。