医療資格を、ずっと味方に──ライフイベントに左右されない働き方を支えるMeditedの挑戦

株式会社Medited 代表取締役社長 松岡 磨衣子氏

株式会社Meditedは、医療資格保有者を対象としたリスキリングスクールや卒業生向けコミュニティ、プロダクション事業などを展開する企業です。「医療資格は、ずっと味方」を掲げ、病気や育児、介護などのライフイベントがあっても、資格を活かして働き続けられる選択肢づくりに取り組んでいます。本記事では、代表で薬剤師資格を持つ松岡磨衣子氏に、事業への想いや経営方針、今後の展望などについて伺いました。

医療資格を活かし、働き方の選択肢を広げる

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、看護師や薬剤師、介護士などの医療資格保有者を対象としたリスキリング事業を中心に展開しています。薬機法実践講座や医療広告デザイン講座、医療ライター講座やオンライン漢方相談講座、コーチ育成講座などを運営し、医療資格を活かせる新たなキャリアや働き方の創出を支援する事業です。

卒業生向けにはコミュニティを設け、継続的な学習機会に加え、ネットワーク形成や案件獲得までをサポートしています。また、「Medi+プロダクション」では、法人から受託した薬機法チェックや医療系記事や図解作成、医療系企業のホームページ制作などの案件を卒業生へ提供する仕組みを整えました。

講座で得た知識やスキルを実務につなげ、その後のキャリア形成まで一貫して支援できる点が、当社の特徴です。

――御社ならではの強みはどういった点にありますか。

「医療資格は、ずっと味方」という考え方を軸に、ライフイベントを前提としたサービス設計を行っている点です。病気や育児、介護、家族の転勤などで働き方が変わっても、その時々の状況に応じて医療資格を活かせる選択肢を用意しています。

また、一時的に医療現場を離れるだけでなく、ライフイベントが落ち着いた後に現場へ戻ることまで見据えていることも特徴です。

自身の経験から生まれた事業

――事業を立ち上げた経緯について教えてください。

薬剤師として働き始めて1年目に、顔の半分が動かなくなる麻痺の病気を経験しました。医療資格があっても、ライフイベントや体調の変化によって、それまでと同じ働き方を続けることの難しさを痛感した出来事です。

その経験を機に、在宅でも医療資格を活かせる働き方を模索し、医療系ライターや歯科医院のホームページ制作を始めました。自分の働きかたを発信していたところ、SNSを通じて同様の悩みを抱える医療従事者から相談が寄せられるようになったことを受けて2019年にサービスを立ち上げ、事業の拡大に伴い2023年に法人化しました。

――経営者の道に進まれたのはなぜですか。

もともと起業や法人化を目指していたわけではありませんでしたが、受講生の活躍や、「働き方の選択肢が広がった」といった声を受け、このサービスを継続的に提供していく必要性を強く感じるようになりました。そしてより多くの医療従事者へ価値を届けられる事業へ発展させるため、法人化を決意しました。

ユーザーファーストを軸にした組織づくり 

――経営で大切にしている価値観について教えてください。

最も大切にしているのは、ユーザーファーストです。過去に自分自身が「こんなサービスがあったら嬉しかった」と感じた経験があるからこそ、「当時の自分なら何を求めるか」という視点を軸に、利用者のニーズを捉えながらサービスの企画や改善、事業運営に取り組んでいます。

――組織運営で意識していることはありますか。

主要メンバーとはほぼ毎日朝会を行い、進捗や課題、相談事項を共有しています。業務連絡だけでなくアイスブレイクも取り入れ、互いの人柄や考え方を理解できる環境づくりを重視する方針です。

また、事業を横断した情報共有によって互いの役割への理解を深め、組織全体の連携強化につなげるために、主要な業務委託メンバーとは月に一度セッションを実施し、それぞれが成果や周囲への貢献を共有しています。

――どのような方と一緒に働きたいと考えていますか。

事業の成長に向けて、ビジネスの視点から組織全体を底上げしてくださる方と一緒に働きたいと考えています。

現在の運営メンバーの多くは講座の卒業生で構成されており、医療業界や医療従事者への理解が深いことが当社の強みです。一方で、事業をさらに発展させるためには、医療業界への理解を深めながら、ビジネス面でも主体的に事業づくりへ関わっていただける人材が必要だと考えています。

医療従事者の未来を支える新たな挑戦

――今後取り組みたいことを教えてください。

現在は、医療業界向けの人材紹介事業の立ち上げを進めています。業務委託に加え、就職や転職も含めたキャリア支援を提供することで、ライフイベントに応じた多様な働き方を実現できる体制を構築していく予定です。

また、患者さんと関わり続けたい医療従事者や、ライフイベントを経て医療現場への復帰を希望する方も少なくありません。そうした人材と働きやすい医療機関をつなぐことで、双方にとって最適なマッチングを実現していきたいと考えています。

――今後の課題についてもお聞かせください。

医療業界では人手不足が続く一方、利用者が希望する働き方も多様化しています。そのような状況のなかで、医療業界のニーズと利用者の希望をどのようにマッチングしていくかが今後の課題です。

双方にとってよりよい形を実現できるよう取り組んでいきたいと思っています。

受け継いだ信念を胸に、経営者として歩み続ける

――影響を受けた人物はいますか。

最も影響を受けたのは、祖母です。祖父が会社を経営していたころ、経営が苦しい時期を祖母が奔走し懸命に支えていたという話を幼いころから聞いて育ちました。

当時は自分が起業するとは思っていませんでしたが、経営者となった今、その苦労の大きさを実感しています。経営をしていた祖父はもちろん、同じ女性として祖母が困難な状況でも前向きに動き続けていた姿勢は、私自身の経営にも大きな影響を与えています。

――最後に、休日の過ごし方についてもお聞かせください。

休日も仕事から完全に離れることはあまり得意ではありませんが、パートナーに誘われてボードゲームを楽しむことがあります。ゲームに集中している間は自然と仕事のことを考えなくなり、気持ちを切り替える貴重な時間です。そうした時間を意識的に取り入れることで心身をリフレッシュし、日々の事業にも前向きな気持ちで向き合っています。

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