AI時代のクリエイティブを切り拓く――制作力とスポーツ支援で新たな価値を生み出す挑戦

株式会社ケイズプロジェクト 代表取締役 小辻 富明氏

広告制作を軸に、グラフィックデザインや映像制作、テレビ番組の企画・制作まで幅広く手掛ける株式会社ケイズプロジェクト。創業から35年にわたり時代の変化に合わせて事業を進化させてきました。現在は生成AIを積極的に活用したクリエイティブ制作にいち早く取り組む一方で、プロサーファーのマネジメントや日本代表「NAMINORI JAPAN」のマーケティングにも携わっています。今回は、小辻富明代表に、事業の特徴や今後の展望について伺いました。

AIを取り入れ、クリエイティブの新たな可能性を追求

――現在の事業内容について教えてください。

当社は広告制作会社として、グラフィックデザインや映像制作を中心に事業を展開しています。

テレビ番組の制作も手掛けており、制作を請け負うだけでなく、自社で企画した番組を持ち込む形でも取り組んでいます。社内には映像制作のスタッフとグラフィックデザイナーがおり、企画から制作まで一貫して対応できる体制を整えています。

――他社にはない強みを教えてください。

創業から35年になりますが、この数年でクリエイティブの作り方は大きく変わりました。

当社では約3〜4年前から生成AIへの対応を進め、グラフィック制作を担当するスタッフ全員がAIを活用できる環境を整えています。ChatGPTをはじめ複数の生成AIを用途ごとに使い分け、それぞれの特性を理解しながら制作を行っています。

生成AIの世界は今後どう変化するか誰にも予測できません。そのため、一つのツールだけに依存せず、さまざまなAIを実際に使いながら知見を蓄積してきました。すでに企業とのAIを活用した制作実績も積み重ねており、変化の早い時代にも柔軟に対応できることが当社の強みです。

従来なら大規模な撮影が必要だった案件も、生成AIを活用することで短期間で制作できるようになりました。もちろんクオリティは今後さらに進化していくと思いますが、現在でも実写と遜色ないレベルまで近づいています。

時代の変化を受け入れ、新しい価値を生み出す

――生成AIに積極的に取り組まれた理由を教えてください。

私たちは長年、実際の撮影現場で映像や広告を作ってきました。その経験が不要になることには寂しさもあります。しかし、時代が変わる以上、その変化を受け入れなければ前に進めません。

AIに対してネガティブな考えを持つ人もいますが、私は「AIの時代になる」という前提で動くことを選びました。だからこそ早い段階から取り組み、実績を積み重ねてきたのです。

現在はAIで制作したショートドラマを放送する企画にも参加しています。複数の制作会社と連携しながら制作を進めており、生成AIによる映像制作がどこまで進化しているのか、多くの方に知っていただける機会になると思っています。

サーフィン界を支え、未来のスターを育てる

――サーフィン事業を始めたきっかけを教えてください。

テレビ番組でアスリートを取材する中で、多くのプロサーファーと出会いました。しかし、日本ではプロサーファーだけで生活することが難しく、世界を目指せる実力があっても経済的な理由で競技を諦める選手が少なくありませんでした。

それなら私たちが応援しようと考え、女子プロサーファーへのサポートを始めたのがきっかけです。その後、サーフィンがオリンピック競技となり、選手のマネジメントやスポンサー獲得、テレビ出演のサポートなど活動の幅が広がりました。

現在はプロサーファーのマネジメントに加え、日本代表「NAMINORI JAPAN」のマーケティングにも携わっています。スポンサー企業との橋渡しやプロモーションなど、競技の価値を高める活動を続けています。

スポーツはAIでは代替できないリアルな世界です。一方で制作事業はデジタルの世界。その両方に携われることは大きな魅力だと感じています。私自身も選手の海外遠征を応援しに行くほどサーフィンが好きで、選手が活躍する姿を見ることが何よりの喜びです。

時代に合わせて挑戦を続ける

――経営者になった経緯を教えてください。

以前は伊藤忠商事系列の会社で契約社員として働き、海外でのファッション撮影を数多く手掛けていました。バブル崩壊の頃に28歳で独立し、広告制作会社を立ち上げました。

その後、景気の変化やWebの普及など、業界は何度も大きく姿を変えてきました。そのたびに新しい分野へ挑戦し、スポーツや映像制作、テレビ番組制作などへ事業領域を広げてきました。

一つの分野だけに特化するのではなく、変化に合わせて柔軟に対応してきたことが、今につながっていると感じています。

AIクリエイティブの可能性をさらに広げたい

――今後の展望を教えてください。

制作事業では、生成AIでどこまで高品質な映像作品を作れるかが大きな挑戦になります。現在もAI映像作品のコンペティションに挑戦していますが、映像だけでなく脚本づくりなど強化すべき点も見えてきました。

将来的にはAIで長編映像作品を制作することも目標の一つです。技術は日々進化しており、1か月前にはできなかったことができるようになる世界です。その変化に遅れず挑戦し続けたいと考えています。

一方、サーフィン事業では契約選手が世界の舞台で活躍し、オリンピックで結果を残してくれることを期待しています。子どもたちが憧れる選手が増えれば、その競技全体がさらに発展していくはずです。

生成AIという最先端のクリエイティブと、アスリートを支えるリアルなスポーツの世界。その両方に本気で取り組みながら、新しい価値を生み出していきたいと思っています。

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