人の価値を見つめ、人生の変化までプロデュースする――ASAUNが追求する「見た目」の可能性
株式会社ASAUN 代表取締役 浅野 彰仁氏
株式会社ASAUNは、ヘアスタイルやファッションといった外見の提案に、心理学、コーチング、マーケティングの考え方を組み合わせ、戦略的に「人をプロデュースする」事業を展開しています。サービスの目的は、単に見た目を整えることではありません。一人ひとりの価値を深く理解し、目標やターゲットから逆算して、その人らしい魅力を適切な形で表現することを目指しています。本記事では、代表取締役の浅野彰仁氏に、事業の特徴や創業の背景、組織運営で大切にしていること、今後の展望について伺いました。
目次
人の価値を引き出す、一気通貫のプロデュース
――現在の事業内容について教えてください。
当社のメイン事業は、「人をプロデュースすること」です。私はもともと美容師としてキャリアをスタートしており、その延長線上で現在の事業へと展開してきました。
一般的なサービスに置き換えると、イメージコンサルタントやファッションスタイリストに近い部分があります。ただし、当社ではヘアスタイルやファッションだけではなく、心理学、コーチング、マーケティングを活用した独自のメソッドを取り入れています。クライアントのゴールから逆算したコンサルティングを行い、内面と外見の両面から一気通貫で支援していることが特徴です。
――他社にはない強みは、どのような点にありますか。
見た目を整えるサービスだけでなく、私自身がコンサルタントやメンターの役割も担っている点です。本来であれば、それぞれの分野で個別の専門家やサービスが必要になりますが、当社では私一人が総合的に関わり、プロデュースを完結させています。
現在は50名限定の会員制サービスとして、月に1回から2回ほどサロンへお越しいただき、コンサルティングとヘアスタイルのデザインを提供しています。ご要望に応じて、ファッションなどに関する支援も行っています。
美容師の枠を越え、人生に変化を生み出す
――理念やビジョンには、どのような思いが込められていますか。
当社が軸に置いているのは、「人の価値」です。その人自身を深く理解し、持っている価値を適切な形で表現する。そして、その価値を社会へ提供していくことを大切にしています。すべての根源には人があり、社会や世界も人の集合体です。だからこそ、人そのものを大切にし、「人を創っていく」ことを根本的な理念としています。
――現在の事業を始めるに至った背景を教えてください。
実家が理容室と美容室を経営しており、私は4代目にあたります。幼少期から両親の仕事を見て育ち、自分自身も美容師としてキャリアをスタートしました。そのため、将来的に経営の道へ進むことは、自然な選択肢として意識していました。
美容師は、一般的な接客業と比べても、お客様との距離が近く、深い関係を築きやすい仕事です。その距離感の中でお客様と関わると感じることがありました。魅力的な部分を持っているにもかかわらず、仕事やプライベートがうまくいかず、苦しそうにしている方も少なくないということでした。そこで、美容師という枠を越え、人生そのものを支援できれば、より大きな価値を提供できるのではないかと考えるようになったのです。
成果から逆算し、外見と心理の両面に働きかける
――美容師として提供する本質的な価値を、どのように捉えていますか。
髪を切ったり、カラーをしたり、きれいに整えたりすることは、あくまで手段です。本質的な価値は、クライアントの感情や精神面、見た目を豊かにし、臨む幸福な未来に貢献することにあると考えています。
美容室から帰るときに満足するだけでなく、その後に家族やパートナーから褒められたり、気分が前向きになって新しい行動を起こしたりすることもあります。外見の変化は、その先の行動にも影響を与えられるのです。
その可能性をさらに追求し、長期的にクライアントに関わることができれば、その方の人生を大きく好転させることができると考えております。そこまで踏み込んで支援することが、当社のプロデュースです。
――見た目を変える際には、どのような点を重視していますか。
見た目には、「相手に与える効果」と「自分に与える効果」の二つがあります。
相手に与える効果を考える上では、ターゲットを明確にすることが重要です。単に格好良くしたり、きれいにしたりすれば成果につながるわけではありません。提供するサービスやアプローチしたい相手、その相手の行動心理まで分析し、どのような印象が効果的なのかを考えてデザインへ落とし込みます。場合によっては、あえて決めすぎない外見をつくることもあります。
また、人は日々鏡を見ることで、自分の見た目から無意識に自己暗示を受けています。そこで、お客様の性格や現在の心理状態を分析し、その時の状況に必要な効果が働くデザインを提案します。
異なる価値観を受け入れ、継続できる人と働く
――社内のコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
以前は、自分が正しいと思うことを基準に進める部分がありました。しかし、さまざまな失敗を経験する中で、自分の正しさだけでなく、メンバーや他者にもそれぞれの正しさがあると気づきました。
複数の考え方がある中で、何が最も良い答えなのかを探ることを大切にしています。また、必ずしも正しさだけを優先するのではなく、別の選択をしたほうがうまくいく場合もあります。相手の考え方を受け入れながら判断する姿勢を意識しています。
特殊なヘッドスパを、新たな事業の柱へ
――今後、取り組んでいきたい新しい展開を教えてください。
現在のプロデュース事業は、私自身の経験や感覚、私自身に蓄積された膨大なデータと知識に依存する部分が大きく、ほかの人が同じように提供することは難しいと感じています。過去にはフリーランスの美容師を採用し、同様のプロデュースを提供してもらおうとしたこともありましたが、十分な再現性を持たせることができませんでした。
そのため、プロデュース事業については限られたクライアントに対して、提供価値をさらに高めていく方針です。一方、次の展開として、60年以上の歴史を持つ特殊で希少なヘッドスパ※単語要確認の店舗展開を構想しています。
――店舗展開に向けた課題と、今後の取り組みを教えてください。
現在のヘッドスパは私にしか提供できないため、対応できる人数が限られています。また、プライベートな空間で施術しており、ご紹介のみで広がっている段階です。
今後は、現在の施術から属人的で高度な技術を必要とする部分を減らした再現性の高いサービスをつくり、店舗で提供していきたいと考えています。まずは幅広い人材が提供できる形を整え、その中から優秀な人材を育成し、将来的には私が行っている上位の施術も習得してもらう計画です。
一方で、店舗展開には資金や人材の準備が必要です。適切なタイミングで認知を広げながら、店舗展開を進めていきたいと考えています。
好きなスポーツに関わる仕事がリフレッシュに
――休日やリフレッシュの方法を教えてください。
私自身、もともとバスケットボールをしており、スポーツが好きです。現在もバスケットボールを中心とした仕事に関わっているため、半分は仕事でありながら、楽しみながら取り組めています。好きな分野に関わる時間が、私にとってのリフレッシュになっています。