映像で人の心を動かし、世界を少しでもハッピーに――映画監督が挑む企業PRの可能性
株式会社映像制作集団ディレクターズ 代表取締役 坂本 憲作氏
株式会社映像制作集団ディレクターズは、映画的な表現を取り入れた「シネマスタイル企業PR」を強みに、企業や商品の魅力だけでなく、その背景にある理念や存在意義を映像で伝える制作会社です。映像を通じて人を幸せにしたいという想いのもと、新たな挑戦を続けています。本記事では、代表の坂本憲作氏に、事業へのこだわりや経営理念、今後の展望について伺いました。
目次
企業の“本質”を映像で描く――シネマスタイル企業PRという挑戦
――現在の事業内容と、他社にはない強みを教えてください。
企業PR映像を中心に制作を行っています。私は映像業界で約23年間仕事をしてきましたが、そのなかで映像がどこか消耗品のように扱われていると感じる場面が少なくありませんでした。見た目のインパクトだけを追い求めるのではなく、その企業がなぜ存在しているのか、どんな想いで事業を続けているのか。そうした本質まで映像で伝えたいという考えから、この会社を立ち上げました。
現在力を入れているのが「シネマスタイル企業PR」です。映画のような映像表現や音づくりを取り入れ、企業が持つストーリーを丁寧に描くことを大切にしています。一般的なショートドラマのようにセリフだけで物語を進めるのではなく、映像そのものに語らせる。そんな作品づくりを目指しています。
限られた予算のなかでも、シネマならではの世界観をできる限り実現し、企業の本質を映像として届けること。それが私たちならではの強みだと思っています。
――会社として大切にしている理念を教えてください。
会社として掲げているテーマは、「おもしろいものしかつくらない、カッコいいものしかつくらない」です。ただ、その言葉の根底にあるのは、映像を通して人をハッピーにしたいという想いです。
私は映像には人の心を動かす力があると信じています。昨日の生活より今日を少しでもベターにできる、その積み重ねが世界を少しずつハッピーにしていく。そんな未来につながる映像を届けたいんです。その想いが、私たちの映像づくりの原点であり、これからも変わることのない理念です。
「1億人」よりも「3人」の熱狂を――心を動かす映像への転換
――経営者になられた経緯を教えてください。
もともとはテレビ局関連の会社で映像制作に携わっていました。当時は、「1億人に届く作品を作る」という発想で映像を制作していましたが、多くの人に向けた作品を目指すほど、本当に心を動かすものを生み出すのは難しいのではないかと感じるようになったんです。
そこで考え方を大きく変え、「3人を本気で熱狂させる映像を作る」ことを目指すようになりました。たとえ多くの人に届かなくても、誰かの心を深く動かす作品であれば、その熱量は自然と周囲へ広がっていく。そう信じています。
現在は大阪の企業を中心に、一社一社が歩んできた背景や想いを映像として残していきたいという気持ちで制作に取り組んでいます。
――経営する上で大切にしている考え方はありますか。
経営では、あえて10倍という大きな目標を掲げています。1.5倍や2倍程度の目標であれば、これまでの延長線上のやり方でも到達できてしまいます。しかし、10倍となると今までと同じ考え方や行動では到底届きません。だからこそ、新しい発想や挑戦が生まれるのだと思っています。
目標を大きく設定すると、人との付き合い方や時間の使い方、仕事の選び方まで変わっていきます。自分自身の思考や行動が変わることこそ、会社を成長させる原動力になる。そんな考えを大切にしながら、日々経営に向き合っています。
全員がハッピーになれる仕事を――映像づくりを支える組織と信念
――現在の組織体制について教えてください。
現在、私以外のメンバーはすべて業務委託という形で、多くのクリエイターとプロジェクトごとにチームを組んでいます。そのなかでも約10名が中心メンバーとして携わっており、それぞれの専門性を生かしながら制作を進めています。
今一番の課題は、私の右腕になってくれる存在を見つけることです。経営やプロデュースを任せられる人がいれば、私は演出やディレクションに集中できますし、自社コンテンツを作る時間も増やせます。そうした体制をつくっていきたいですね。
――仕事を進める上で大切にしていることは何でしょうか。
私が何より大切にしているのは、自分だけではなく、スタッフやクライアント、そして作品を観る人まで、関わるすべての人がハッピーになれる仕事であることです。誰か一人でも幸せになれないと感じるのであれば、その仕事はお断りすることもあります。
判断基準になるのは、予算や条件だけではありません。本当に価値のある仕事なのか、自分自身が心から誇れる内容なのか、そして子どもが見ても納得できるものなのか。そうした想いを常に大切にしながら、一つひとつの仕事に向き合っています。
自ら物語を発信する――映像会社からコンテンツメーカーへの挑戦
――今後取り組みたいことを教えてください。
今後は企業案件だけでなく、自社で企画・制作する映像コンテンツにも力を入れていきたいです。これまではクライアントのスケジュールに合わせて制作することが当たり前でしたが、それだけではなく、自分たちが本当に作りたい作品を、自分たちのタイミングで世の中に発信していきたいんです。
自社で制作した作品は、それ自体が収益につながる可能性もあります。それだけでなく、「こんな映像を作れる会社なら依頼したい」と、新たな仕事につながるきっかけにもなるはずです。私にとっては、そうした作品こそが最高の営業ツールになると考えています。SNSや動画配信サービスなど発信できる環境が整った今だからこそ、その可能性に挑戦したいですね。
――会社として目指す未来を教えてください。
これからは、映画的な手法を取り入れたドキュメンタリーやショートコンテンツにも挑戦し、エンターテインメント性のある映像を発信していきたいと思っています。
企業PR映像だけにとどまらず、人の心に残る作品を生み出し続けることが、最終的には会社の価値につながると信じています。そのためにも、自社コンテンツの制作に取り組みながら、新しい映像表現を追求していきたいです。自分たちが本当に作りたい作品を、自分たちのタイミングで発信していきたいと思っています。
良い意味で適当に。本気で面白いものをつくる
――最後に、ご自身が大切にしている価値観や理想とする人物について教えてください。
肩に力を入れ過ぎず、楽しみながら仕事をすることを大切にしています。映像制作にはもちろん責任が伴いますが、良い作品を生み出すには、まず自分自身が面白いと思えることが欠かせません。気負い過ぎず、楽しみながら取り組むことが、自分には合っていると感じています。
目指している人物の一人が高田純次さんです(笑)自然体で人生を楽しみながら、いい意味で適当、そして多くの人を笑顔にしている姿に魅力を感じています。私自身も、映像を通して人を幸せにしながら、楽しんで仕事を続けていきたいです。