“嘘がつけない不動産設計士”として――顧客本位の提案で築く真打株式会社の未来
真打株式会社 代表 橋本 拓也氏
真打株式会社は、土地の売買仲介を軸に、注文建築や既存マンション等の売却、住宅ローンまで一貫して支援する不動産会社です。「嘘がつけない不動産設計士」を掲げる橋本氏は、顧客本位の提案を貫きながら、営業人材の育成や新たな事業づくりにも取り組んでいます。本記事では、創業の背景や事業の強み、組織づくり、今後の展望について伺いました。
目次
土地探しから建築・売却まで支える一貫した不動産支援
――現在の事業内容について教えてください。
当社は、主にエンドユーザー向けの土地の売買仲介を手がけています。土地の紹介だけでなく、注文建築や建物の提案、設計士・コーディネーターへの引き継ぎ、打ち合わせへの参加まで一貫して対応している点が特徴です。
土地を購入する方が現在お住まいの購入しているマンション等を手放す場合には、その売却や住宅ローンも含めて支援します。現在の主力は、不動産の売買仲介と建物の紹介です。
また、私は不動産営業として9年程の経験があり、その実績を生かして高額商材の営業コーチも務めています。
――業界内での強みはどのような点にありますか?
不動産だけでなく、建築・金融・財務の知識を持ち、住まいに関する相談へ一貫して対応できる点です。土地を見れば、どれくらいの規模の建物が入るのかをその場である程度判断できます。
前職の会社では設計業も行っていたため、土地に合わせたプランも一定程度は自分で描けます。知り合いの設計士も数十名おり、お客様の希望に応じて間取りや設計の方向性を考えることが可能です。
必要であれば他社との打ち合わせにも参加し、「こちらのほうが希望に合うのではないか」と助言します。お客様が余計なストレスを抱えず、スピーディーに判断できる環境をつくることが当社の強みです。
お客様にとって最適な選択を届けるための独立
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
前職では設計営業として、建築条件付きの分譲土地と自社メーカーの建物を販売していました。経験を重ねるうちに、「このお客様には別の土地やメーカーのほうが合う」と分かる場面が増えてきたんです。
会社が利益を求めることは当然ですが、お客様にとって最適なものを自由に提案できない状況には、次第にストレスを感じるようになりました。そこで、「それができる会社を自分でつくろう」と考えたことが創業のきっかけです。
わずかにフリーランス期間を挟み、2026年3月に法人を設立しました。
――「嘘がつけない不動産設計士」というキャッチコピーには、どのような想いが込められていますか?
この言葉は、私の仕事における核そのものです。不動産業界では、自社の数字や利益を優先し、お客様の方向を十分に見ていない会社も少なくないと感じてきました。
私は、お客様からお金をいただく以上、その方にとって本当に良い選択を考えるべきだと思っています。別の土地や会社が合うのであれば、その可能性も率直にお伝えします。嘘をつかず、お客様の方向を向いて仕事をすることが、私の譲れない姿勢です。
刑事経験と営業現場で培った「相手を理解する力」
――警察官としての経験は、現在の営業にどのように生かされていますか?
以前は警察官として、取り調べを担当する刑事をしていました。取り調べでは、相手の話を聞きながら、矛盾や本当に伝えようとしていることを見極める必要があります。
営業でも、お客様の希望をそのまま受け取るだけではなく、本当に必要なものを一緒に考えることが大切です。そのうえで、「お客様にはこちらのほうが合うのではないですか」と積極的に提案しています。
相手の話を聞き、理解し、本質に合った提案をする力は、刑事時代に培われました。
――営業の仕事を通じて、大切にしている姿勢を教えてください。
私は、もともと売れる営業マンではありませんでした。不動産や建設・建築の営業は厳しく、そのしんどさも分かっています。一方で、営業力を身につけて年収が大きく上がったときは、本当にうれしかったです。
だからこそ、ほかの営業マンにも同じような経験をしてほしいと考えています。商品を売る技術だけでなく、お客様の話を聞き、その方に合った提案ができる人材を育てたいです。
紹介中心の事業から、継続的に顧客と出会える仕組みへ
――現在はどのような経路で案件を獲得していますか?
現在は、前職からご縁のあるお客様や紹介による案件が中心です。全体の8割から9割ほどを紹介が占めており、大きな案件につながることもあります。
ただし、紹介だけに頼り続けてはいけないとも理解しています。現在はホームページを制作中で、今後はネット集客やSNSにも取り組む予定です。
まずは私や当社の考え方を知っていただく機会を増やし、継続的にお客様と出会える仕組みを整えていきます。
――事業を拡大するうえで、現在感じている課題は何でしょうか?
現在は1人法人のため、私が動ける範囲に限界があります。やりたいことは多いものの、実際の行動が追いついていません。SNS運用や商品づくり、サービスの見せ方、チラシなどの販促物にも、まだ十分に手をつけられていない状況です。
今後は業務委託などで動いていただける営業人材も増やし、私だけに業務が集中する状態を変えたいと考えています。
3つの事業を柱に、自分を超える人材が育つ組織へ
――今後、どのような事業を展開していきたいと考えていますか?
今後は、3つの事業を柱にしたいと考えています。
1つ目は現在の不動産事業、2つ目は不動産営業を中心とした営業コーチ・セールスパーソン育成事業、3つ目は不動産を主に活用した節税塾です。
不動産事業では、将来的に収益不動産の建築にも携わりたいと思っています。3年後の売上は、現在の最低20倍が目標です。それぞれの事業が価値を生み出せる形をつくり、着実に広げていきます。
――将来的な組織について、どのような姿を描いていますか?
私がいなくても自走できる組織をつくることが目標です。将来的には、不動産事業部や講師事業、セールスパーソンを育成する会社など、複数の部署や法人に分かれていく可能性もあります。
各分野では、私が育てた人に私以上のレベルまで成長してほしいです。総合力では負けないつもりですが、個別のスキルでは敵わないなと思える人材が育ってくれたらうれしいですね。
私自身も、多くの方に育ててもらったからこそ成長できました。その経験への感謝があるからこそ、今度は誰かが成長するきっかけをつくりたいと考えています。
――経営において、これだけは譲れないという考えを教えてください。
お客様の方向を向いて仕事をすること、これに尽きます。
自社の利益や数字だけを見るのではなく、目の前のお客様にとって何が最適なのかを考え、必要な提案を正直に伝える。その姿勢だけは、事業が大きくなっても変えません。