採用と定着の双方向から、長く働ける企業づくりに伴走する
個人事業主 代表 白井 由香氏
キャリアコンサルタント、採用定着士、産業カウンセラーとして、個人と企業の双方を支援している白井氏。ハローワークや再就職支援企業で約10年間勤務し、これまでに1万人以上の相談に対応してきました。現在は、個人のキャリア相談に加え、企業の採用や定着に関するコンサルティング、従業員へのカウンセリングなどを行っています。2021年に独立するまでの歩みや、働きやすい企業づくりにかける思い、今後目指す事業の姿について伺いました。
個人と企業の双方に向き合う採用定着支援
――現在の事業内容について教えてください。
私は、キャリアコンサルタント、採用定着士、産業カウンセラーとして活動しています。個人の方からのキャリア相談と、企業の採用や定着に関する支援が主な事業です。
基本的には、企業と契約し、人事担当者や経営者から採用に関する相談を受けています。それだけでなく、入社後の従業員に対するヒアリングやカウンセリングにも対応しているのが特徴です。
入社半年以内の方から話を伺い、早期離職の防止や職場への定着につながるよう支援することもあります。つまり、採用する側と働く側の双方に関わり、それぞれが抱える悩みに向き合う事業です。
――産業カウンセラーとしては、どのような相談に対応していますか。
私はEAPカウンセラーとしての経験もあります。ストレスチェック後のフォローや休職者へのヒアリング、上司と部下の関係に関する相談などに対応できます。
仕事上の問題に限らず、離婚や家族の問題について話を伺うこともあります。管理職や社長が社員から受けている相談を、私が代わって受けることも可能です。
1万人以上の相談経験を現在の事業へ
――これまでのキャリアについて教えてください。
ハローワークや再就職支援企業で、約10年間働いてきました。その間に、1万人以上の方からの相談経験があります。
さまざまな背景や悩みを持つ方に対応してきたため、どのような相談が来ても向き合えることが、私の強みです。多くの方から話を伺ってきた経験が、現在の仕事の土台になっています。
――採用と定着の両方を支援するようになった背景を教えてください。
ハローワークでは、企業から求職者について相談を受ける一方、求職者から企業に対する悩みを聞くこともありました。「実際に企業へ行ってみたら、思っていた職場と違った」という声もあります。
企業と求職者のどちらか一方が悪いのではなく、双方の認識にずれが生じている場合もあります。こうした経験から、採用することだけでなく、入社後に長く働ける環境をつくることも重要だと考えるようになりました。
――独立したきっかけは何だったのでしょうか。
ハローワークで働いていたとき、夫の都合でタイのバンコクに住むことになりました。休職ができなかったため、退職して一緒に行くか、日本に残るかを選ぶ必要がありました。
海外に住む機会はなかなかないと考え、退職してタイへ行くことを選びました。滞在時期が新型コロナウイルスの影響と重なったため、実際に暮らした期間は1年半ほどです。その後、日本へ帰国し、2021年に個人事業主として独立しました。
経営者と従業員の両方を支える事業運営
――現在は、どのような体制で事業を運営していますか。
現在は、私1人で事業を運営しています。相談対応やコンサルティングだけでなく、事務作業もすべて自分で行っています。
案件が多すぎて対応できないという状況ではありませんが、事務的な業務には改善の余地があると感じています。AIについては最低限の利用にとどまっているため、今後は活用の幅を広げ、効率化につなげたいです。
――採用定着支援では、どのような難しさを感じていますか。
入社半年以内の従業員に寄り添って話を聞いても、ご本人にしかわからない理由で退職に至る場合があります。社長が食事に誘ったり、日頃から気にかけたりしていても、定着がかなわないこともあります。
一生懸命に話を聞けば、必ず退職を防げるわけではありません。定着は簡単に答えを出せるものではなく、継続して向き合う必要のある課題だと感じています。
――その経験から、支援に対する考え方は変わりましたか。
従業員個人の問題だけを見るのではなく、より広い視点が必要だと考えるようになりました。従業員への支援に加えて、社長の悩みや課題にも伴走することが大切です。
経営者へのケアやヒアリングも行い、企業全体を見ながら支援する必要があります。採用時のペルソナ設定を含め、入社前から入社後までを1つの流れとして捉えていきたいです。
働きやすく長く働ける企業を1社でも多く
――今後、どのような企業を支援していきたいですか。
今よりも前向きに、より良い企業をつくりたいと考えている経営者を支援したいです。社長が描く3年後の未来を伺いながら、働きやすく、長く働ける職場づくりに伴走していきます。
職場がより良くなれば、社員にとって居心地の良い環境になります。社長自身にとっても、経営しやすく、働きやすい企業になると思います。
――事業の目標について教えてください。
3年後には、現在の売り上げの5倍ほどを目指しています。さらに5年後、10年後には、時間にゆとりを持ち、営業をしなくても紹介によって仕事が回る状態が理想です。
組織を大きくして従業員を増やすというより、協業できる仲間を増やしたいと考えています。業務委託や他社との連携など、それぞれの専門性を活かして協力できる関係を築きたいです。
――事業を行う上で、大切にしていることは何ですか。
お客様満足度を高めることです。お客様の問題を解決するために事業を行っているため、相談者や企業にとって何が必要なのかを考えることを大切にしています。
一人ひとり、1社1社の悩みに向き合いながら、支援の質を高めていきたいです。魅力的で働きやすい企業を、1社でも多く増やすことを目指しています。
ラジオで生まれる縁を人と企業の応援につなげる
――仕事以外では、どのような活動をしていますか。
インターネットラジオ「ゆめのたね」で、ラジオパーソナリティをしています。木曜日の朝8時から8時30分までの番組を担当し、元町中華街のスタジオでゲストを招いて収録しています。
オンラインで収録することも可能です。スイスやベトナムにいる友人と話すこともあり、場所にとらわれず、さまざまな方と交流しています。
――ラジオ活動には、どのような魅力を感じていますか。
ゲストと話していると距離が近くなり、その方が目指している方向を応援したいという気持ちになります。
「ゆめのたね」のパーソナリティは、全国で約1,000人です。そのつながりから共同出版に参加し、『歌う起業家たち版』という本にも関わりました。「名古屋KENTOS」で歌い、大阪万博で歌唱する機会にも恵まれました。
ラジオは半分趣味、半分仕事のような活動ですが、将来的には採用や定着の支援にもつなげたいです。これからもラジオを通じて生まれた縁を大切にしながら、人や企業の思いを伝え、応援する活動を続けていきます。