生涯現役を貫き、人の可能性を広げ続ける──デジタルマーケティングと教育で、新たな価値を創造する挑戦

石黒堂株式会社 代表 石黒 康修氏

20年以上にわたりデジタルマーケティングに携わる石黒堂株式会社。現在はマーケティング支援に加え、教育や新サービスの立ち上げにも取り組んでいます。 本記事では、事業への想いや理念、今後の展望について石黒康修氏に伺いました。 

生涯現役を貫き、人とのご縁を大切にした事業を続ける

――現在の事業内容について教えてください。

2004年からフリーランスとして本格的にデジタルマーケティングの仕事を始め、20年以上この業界に携わっています。これまで多くの企業でマーケティング支援や顧問業務、教育に携わり、現在も現場で仕事を続けています。最近では声の仕事にも再び挑戦しています。声優として主役を務めたほか、ナレーションの国際的なコンテスト「One Voice Awards USA 2025」で日本代表としてノミネートされ、FMラジオでは新人賞をいただきました。デジタルマーケティングと並行しながら、活動の幅を広げています。 

――会社として大切にしている理念を教えてください。

私が大切にしている考え方は3つあります。

まず一つ目は「生涯現役」です。私は経営者である前に、今でもマーケターだと思っています。現場から離れてしまうと、お客様の声や新しい気づきが得られません。だからこそ、これからも最前線に立ち続けたいと考えています。

二つ目は「ありがとうの輪を広げる」ことです。私は好きな人としか仕事をしません。価値観の合う方と信頼関係を築き、お互いに気持ちよく仕事をすることで、より良い価値を届けられると思っています。人とのご縁を大切にしているのも、そのためです。

そして三つ目が「先義後利」です。まずは相手のために行動し、利益はその後についてくるという考え方です。時には無償で相談に乗ることもありますが、その積み重ねが新しいご縁や信頼につながってきました。仕事を増やすことではなく、一つひとつの仕事に誠実に向き合い、お客様へ価値を届け続けることを大切にしています。

若い頃の経験が、人を育てる現在の原点になった

――これまでの歩みについて教えてください。

私は就職氷河期世代の真っただ中で社会に出ました。当時は誰かから丁寧に教わる環境はなく、試行錯誤を重ねながら経験を積んできました。振り返ると、「もっとこうしていれば良かった」と思うことも少なくありません。だからこそ、若い世代には同じ遠回りをしてほしくないという想いがあります。

現在は社員を増やすのではなく、教え子が独立できるよう支援する形を取っています。以前は採用も行っていましたが、お客様から私をご指名いただく機会が多く、教育に専念すると現場を離れてしまいます。それでは十分な価値を届けられないと考え、独立した教え子へ仕事を依頼し、それぞれが活躍できる環境づくりに力を入れています。

――人材育成で大切にしていることを教えてください。

人材育成で最も重視しているのは、能力よりも人格です。私が求めるのは「素直でいい人」。自分は十分できると思い込むと成長は止まりますが、素直な人は人の話を受け止め、行動に移せるため大きく成長します。高圧的にならず、人を否定せず、謙虚な姿勢を持ち続けられる人は伸びていきます。

また、教育で意識しているのは、自分が手本を見せることです。「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」という山本五十六氏の言葉を大切にしています。私自身が現場で挑戦し続ける姿を見せることが、何よりの教育だと考えています。

人を育てることは、未来をつくることだと思っている

――教え子と接するうえで、大切にしていることを教えてください。

私は教え子に技術だけを教えようとは思っていません。社会で長く活躍するための考え方や姿勢まで伝えたいと考えています。

若いうちは同年代を基準に物事を考えがちですが、社会に出れば年齢は関係ありません。経験を積んだ人たちと同じ土俵で評価されます。その現実を早く知り、自分に足りないものを素直に受け止められる人ほど成長していきます。だから私は、耳が痛いことでも率直に伝えるようにしています。

また、知識だけでは人は育ちません。一流の人や環境に触れ、「自分もこうなりたい」と感じる経験も大切です。 目標が具体的になることで、人は自ら行動するようになります。

もちろん、誰にでも教えるわけではありません。本気で学びたい人には私も全力で向き合いますが、その気持ちがなければ無理に教えることはしません。

――組織づくりや仕事で大切にしていることを教えてください。

仕事のクオリティを維持する一番の方法は、お客様を好きになることです。好きな人のためなら自然と勉強しますし、「もっと喜んでもらうにはどうすればいいか」を考え続けられます。その積み重ねが信頼につながり、長く仕事をご依頼いただける関係が築けるのだと思っています。

新たなサービスで、挑戦する人を支えられる仕組みをつくりたい

――今後の展望について教えてください。

現在、約2年かけて準備してきた「推し活」に関する新しいサービスをリリースする予定です。ファンと表現者が手紙を通じて交流できる仕組みで、クリエイターや声優などが日常的に収益を得られる環境をつくりたいと考えています。ライブ配信だけに頼るのではなく、新しい形で応援が届くサービスを目指しています。

私自身、このサービスを単なるビジネスとして考えているわけではありません。表現者の方々が活動を続けやすくなり、夢を諦めなくても済む環境を少しでも増やしたいという想いがあります。

さらに将来的には、声優やアイドル、スポーツ選手など、挑戦を続ける人たちを支えられる仕組みに育てていきたいと考えています。資金面の課題で挑戦を続けられない人は少なくありません。そうした方々を応援する人とつなぎ、新しい可能性を生み出せるサービスへ発展させたいですね。

私は経営者というより、今でもマーケターだと思っています。数字だけを追いかけるのではなく、「人のために何ができるか」を考え続けた結果として事業が成長していけば十分です。その姿勢だけは、これからも変わることはありません。

挑戦し続ける人に憧れ、自分も歩み続けたい

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

リフレッシュ方法は、とにかく歩くことです。毎日1万歩を目安に歩き、知らない街を散策することもあります。地図を見ずに歩いて帰ることもあり、新しい景色や発見に出会える時間が良い刺激になっています。筋力トレーニングやストレッチも続けていますが、何より仕事そのものが一番の楽しみですね。

――最後に、今後の目標や大切にしていきたいことを教えてください。

私が尊敬しているのは、プロレスラーの高山善廣さんです。常に挑戦を続け、新しい道を切り開いてきた姿勢に強く惹かれました。その生き方は、私自身の働き方にも大きな影響を与えています。

高山さんのように挑戦を続ける方々を応援できる仕組みをつくりたいという想いが、新しく立ち上げるサービスにもつながっています。

これからも現場に立ち続け、お客様のために何ができるかを考えながら、一人でも多くの人の可能性を広げられる存在でありたいですね。 

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