AIを現場に実装し、リアル産業の未来を変える――エルボーズ が目指す「業務のAI推進を丸ごと担う代理店」
株式会社エルボーズ 代表取締役 小谷 草志氏
AIへの関心が高まる一方で、「何から始めればいいのかわからない」「ツールを導入しただけで終わってしまった」という企業は少なくありません。そのような中、株式会社エルボーズ は、製造業や建設業、医療などのリアル産業に入り込み、業務プロセスそのものを見直しながらAI活用を支援しています。今回は代表取締役の小谷草志氏に、事業の特徴や創業の背景、組織づくり、今後の展望について伺いました。
目次
リアル産業の現場に入り込み、AIを実装することが私たちの役割
――現在の事業内容について教えてください。
当社は「業務のAI推進を丸ごと担う代理店」というコンセプトで事業を展開している会社です。
具体的には、製造業や建設・建築、医療などのリアル産業を中心に、現場へ入り込みながらAIやデジタル化を推進し、生産性向上を支援しています。
ただし、単にシステムを開発するだけではありません。AIツールの導入設計から、業務プロセスの調査・再構築まで一貫して携わっています。現場でヒアリングを重ねながら、人が担う仕事とAIが担う仕事を整理し、本当に成果につながる形を一緒につくっていくのが私たちの仕事です。
――他社にはない強みはどのような点でしょうか。
一つは、これまで約200件にわたってリアル産業のDXや新規事業に携わってきた経験です。その中で蓄積した業務理解やリサーチのノウハウは、大きな強みになっています。
もう一つは、全国のデジタル人材とのネットワークです。創業当初からフルリモートで事業を行っており、正社員だけでなくフリーランスや副業人材ともプロジェクト単位でチームを組んでいます。
最前線で活躍するデジタル人材が力を発揮できるよう、チーム編成やマネジメントの仕組みも整えています。
働き方をもっと自由にするために会社をつくった
――理念やビジョンに込めた思いを教えてください。
私たちのミッションは「“誰と、どこで、何をするか”をもっと自由に。 」です。
社会にはまだ多くの課題がありますが、働き方そのものを変えることが社会課題の解決につながると考えています。AIやデジタル技術を活用し、最前線で活躍するデジタル人材の知識や経験を、これまで届いていなかったリアル産業へ届けていく。それによって働き方そのものを変えていきたいと思っています。
リアル産業にはAI活用の余地がある一方で、社会を支えてきた価値や知見も数多くあります。その両者をつなぎ、新しい価値を生み出すことがエルボーズ の役割だと考えています。
――経営者になったきっかけを教えてください。
もともと経営者になりたかったわけではありません。
私自身、フリーランスとして働いていた経験があります。その中で、当時はまだフリーランスや副業という働き方が一般的ではなく、多くの制約も感じていました。
「“誰と、どこで、何をするか”をもっと自由に。 」という世界を実現するためには、会社という仕組みをつくることが必要でした。その手段として経営を選んだというのが正直なところです。
フルリモートだからこそ、組織の一体感を大切にしている
――社内コミュニケーションで意識していることはありますか。
創業以来ずっとフルリモートなので、「Slackがオフィス」という考え方をしています。
大切にしていることは二つあります。一つは、業務委託メンバーも含めて全員にミッションやビジョン、会社の方向性を共有することです。隔週で全社会議を行い、プロジェクトの状況や会社全体の動きを共有しています。
もう一つは、オンラインでも自然なコミュニケーションが生まれる仕組みづくりです。Slack上で雑談ができる場を設けたり、各プロジェクトで得られたノウハウを共有したりしています。
さらに、「プロジェクトキット」を活用し、プロジェクトで起きたことを共通フォーマットで蓄積しています。AIに関する社内勉強会も定期的に開催し、知識共有を続けています。
AIを現場へ届ける“実装”に挑戦し続けたい
――今後取り組みたいことを教えてください。
今後も「業務のAI推進を丸ごと担う代理店」という立場は変わりません。
ツールを導入するだけではなく、AIエージェントの活用や業務そのものの支援など、より現場に入り込んだ取り組みに挑戦していきたいと考えています。熊本を拠点に九州全体へ広げ、その先には海外も視野に入れています。
私たちが大切にしているのは「実装」という考え方です。優れたAIが生まれても、現場で活用されなければ社会は変わりません。リアル産業で実際に使われ、成果につながるところまで支援することが自分たちの役割だと思っています。
――現在の課題について教えてください。
一番の課題は、リアル産業の皆さまに私たちの存在を知っていただくことです。
AIを導入したいと思っていても、「何から始めればいいかわからない」という企業は多くあります。だからこそ、私たちが提供できる価値をもっと言語化し、発信していきたいと考えています。
社内では「AIエージェントネイティブ組織」という考え方を掲げ、AI時代に合わせた業務プロセスへと変革を進めています。AIはこれからも進化し続けるので、私たち自身も変化し続ける組織でありたいですね。
効率だけではない、人とのつながりを大切にしたい
――最後に、休日のリフレッシュ方法を教えてください。
町の銭湯へ行くのが好きなんです。サウナというより、地域に根付いた昔ながらの銭湯へ足を運ぶことが多いですね。
東京と熊本を行き来する生活をしていますが、地域の銭湯には子どもから高齢の方までさまざまな人がいて、日常の空気を感じられます。レトロな喫茶店も好きで、そうした場所には効率だけでは測れない価値があると感じています。
AIやデジタルはとても便利ですが、人らしさやリアルなつながりも同じくらい大切です。AIと人が共走できる社会を目指すという考え方は、仕事だけでなく私自身の価値観にもつながっています。