人は「宝」と考え創業10年を迎えたエージェント――AI時代に磨き続ける、人と向き合う力
株式会社トレジャー・パーソンズ 代表取締役 橋田 伸一氏
株式会社トレジャー・パーソンズは、人材紹介事業を中心に、採用支援や研修・教育事業を展開しています。「人は宝」という理念のもと、求職者と企業双方に真摯に向き合い、高い定着率を実現してきました。本記事では、事業へのこだわりや経営理念、組織づくり、今後の展望について伺いました。
目次
「人は宝」の理念が支える、人材紹介の本質
――現在の事業内容と、その特徴について教えてください。
人材紹介事業を主軸に、採用支援や研修・教育事業を展開しています。
創業から2年ほどは、企業様の要望や求職者の要望というより、自社の利益を軸に考え事業を運営していました。しかし、そのやり方ではせっかく企業様に人材を紹介しても、早期退職等も発生し、「企業」「求職者」「当社」の誰も幸せになれないことを実感したんです。そこで、「求職者の思いに応えられる企業を紹介する」「本当に良い会社へ、見合う人材を紹介する」という方針へ転換しました。
「良い会社」とは、上場企業や大企業だけではありません。中小やベンチャー企業でも、教育体制が整い、人を大切にする会社や唯一無二の商品を展開している会社等踏まえ、そうした企業とのご縁を大切にし、求職者の本当の思いを詳細にヒアリングし「見合う企業に見合う人材」を紹介し続けた結果、紹介後の定着率は非常に高くなり、現在はお客様や経営コンサル会社からのご紹介を中心に取引先が毎月増えていて延べで1000社を超えるお客様と取引があります。
――理念やビジョンには、どのような想いが込められているのでしょうか。
当社の根底にあるのは、「人は宝」という考え方です。この想いは、「トレジャー・パーソンズ」という社名にも込めています。
独立前は約25年間、1つの企業で営業と人事の役員を務めました。会社が数十名規模から600名規模、年商が100億円を超えて成長する過程で、売上向上~採用・教育、評価制度の構築や実際の評価、また人事異動まで幅広く権限と責任もって携わるなか、人がいなければ企業は成り立たないことを強く実感しました。
そうした過程の中から、人材育成や定着の重要性を学びました。その経験があるからこそ、今も企業と求職者の双方に「人は宝」という想いを持って向き合っていけてると思います。
経験が育んだ経営哲学――信頼を生む「先を見据える力」
――経営判断を行う上で、大切にしている価値観を教えてください。
会社を立ち上げた当初は決して順風満帆ではなく、資金繰りに苦しみ、倒産寸前まで追い込まれたこともありました。大きな契約を獲得して黒字化した後も、調子にのってしまい再び赤字を経験しています。
学んだのは、「どんな状況でも、一歩先を考えて行動すること」です。社員や求職者と接する際も、目の前だけでなく、一歩先を見据えることを強く意識しています。
また、「スピード」と「丁寧さ」は会社として譲れない価値観です。この2つだけは大手にも負けたくないという思いで、企業や求職者一人ひとりと向き合っています。システムへの投資による効率化を進めながらも、人と向き合う姿勢は決して変えずこれからもいきます。
――AIが進化するなかで、人材紹介会社として大切にしたいことは何でしょうか。
AIの進化により、HR業界は大きな転換期を迎えていると思います。弊社も昨年末から、AIは積極的に活用し、そこへの投資も惜しまずおこなっています。今後もAIにより効率化できる業務はさらに増えていくと思います。
一方で、転職は人生を左右する大きな決断です。求職者が転職を考える本当の理由や、それに対してご紹介する企業様が合っているのかの見極め、ご紹介企業様の世に出ていない詳細な情報(例えば上司や役員、社長の人柄や、なぜ募集をしているのかの本当の理由、弊社からみた活躍している社員の皆様の本当の特徴、はたまた新事業の構想等)さらには年収交渉ふまえ、一歩先を見据えた支援は人にしかできません。だからこそ、AIを活用しながらも、人が向き合うべき場面では徹底して向き合う。その両立こそが、これからの人材紹介会社に求められる価値だと思います。
対話を大切にする組織づくりと、人材への想い
――社内コミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
現在は10名のメンバーで事業を運営しています。月2回の全体会議に加え、一人ひとりと毎週1on1ミーティングを行っています。私一人で担当するのではなく、マネージャーと役割を分担しながら継続しています。
情報共有にも力を入れ、スプレッドシート・Chatwork・AIを活用して求職者とのやり取りや企業情報、進捗状況を全員で共有できる体制を整えてます。情報共有を効率化する一方、人と直接対話する時間は何より大切にしています。
――採用で「一緒に働きたい」と感じる人はどのような方ですか。
最も大切にしているのは、入り口となる「想い」です。「この会社で頑張りたい」「この仕事に挑戦したい」「理念に共感した」という気持ちがある方は、たとえ経験が少なくても吸収力が高く、大きく成長していくと考えています。逆にその想いが強くなければ、どれだけ能力があっても長く活躍することは難しいと感じています。
協調性や人を思いやる姿勢も欠かせません。我々の仕事は企業様・求職者と真剣に向き合っていく仕事です。同時に会社はチームで仕事をする場であり、成果は日々の小さな積み重ねでしかないと思っています。メールの送り方やちょっとした気配りまで大切にできる人こそ、お客様や求職者から信頼され、長く活躍できる人材だと思います。
AI時代を見据え、人材紹介の価値をさらに高める
――今後挑戦したいことや展望について教えてください。
昨年からMGと共に新規事業の準備を数カ月間進めていましたが、一度立ち止まることにしました。理由は人材紹介業界が大きな転換期を迎えていると感じたからです。まずは本業をさらに強くすることを優先しようと判断しました。
現在は2つのテーマに取り組んでいます。1つはAIを積極的に活用し、変化に対応していくこと。もう1つは、求職者一人ひとりと、これまで以上に深く向き合える力を磨くことです。
AIへの投資は今後さらに重要になります。同時に、人としての提案力や対話力も磨いていかなければなりません。しかも高いレベルで。その両方があってこそ、お客様から選ばれる人材紹介会社であり続けられると思っています。
――現在向き合っている課題は何でしょうか。
個々の成長です。再三お話してる通り➀高いレベルでの提案力と先を見据える力➁AIの活用この①②が合い交わらないと求職者やお客様と真剣に向き合い課題解決に至る事は難しくなっている時代だと感じています。
一歩先を見据えた提案ができ、高いコミュニケーション力をもちAIも活用する。
シンプルに言うと「人×AI」をどこよりも熟知している人材紹介会社にならなくてはいけないと思っています。
同時に将来的には社員定着支援の仕組みづくりにも挑戦したいと考えています。そのためにも、まずは人材紹介事業の価値をさらに高めることに力を注いでいます。
挑戦を続けるために、心と身体を整える
――普段はどのようにリフレッシュされていますか。
もう9年間、週に3回はジムへ通い、トレーニングを続けています。運動をしている時間は仕事のことを考えずに済むため、頭も気持ちもリフレッシュできます。また、音楽ライブへ足を運ぶことや旅行、美味しいものを食べることも大好きです。
――最後に、読者へメッセージをお願いします。
これから挑戦しようとしている方へ伝えたいのは、「やりたいと思ったことにはぜひ挑戦してほしい」ということです。独立に限らず、仕事でも趣味でもいいと思います。人生は思っている以上に早く過ぎていきます。後になって「あの時やっておけばよかった」と後悔するよりも、一歩踏み出して挑戦した方が人生は豊かになるんじゃないかと思っています。
仕事でもプライベートでも、やってみたいことに勇気を持って挑戦してほしい。その方が人生は楽しいと思います。
株式会社トレジャー・パーソンズ
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