地域の「オモロい」を開拓する――挑戦者が地域で育つ仕組みをつくるLETT

LETT株式会社 代表取締役 志岐 遼介氏

LETT株式会社は、「地域のオモロいを開拓する」をミッションに掲げ、地域のイノベーション創出支援、共創支援、コミュニティ形成支援を手がける企業です。目指すのは、地域で新たな挑戦を始める人がその地域で応援され、最初の売上や経済圏をつくれる環境で、行政や地域企業、スタートアップなどをつなぎながら、西日本を中心に地域の実情に合わせた支援を展開しています。本記事では、代表の志岐遼介氏に、事業の強みや経営の軸、今後の展望などについて伺いました。

地域の実情に合わせ、挑戦者を支える

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、大きく「地域のイノベーション創出支援」「共創支援」「コミュニティ形成支援」の3つの事業を展開しています。

地域のイノベーション創出支援では、行政などから事業を受託し、地域で起業を目指す方や創業初期の起業家に伴走しています。企業とのビジネスマッチングや情報発信の機会提供、事業への客観的な助言を通じて、成長を後押しする取り組みです。

共創支援では、地域企業とスタートアップなどをつなぎ、異なる企業が連携して新たな事業やサービスを生み出す「オープンイノベーション」の実行を支援しています。さらにコミュニティ形成では、新たな挑戦に取り組む人材や企業の母集団を増やすため、イベントやカンファレンスの企画・運営を手がけています。

――他社にはない強みはどういった点にありますか。

最大の強みは、地域の特性や事業環境を踏まえた柔軟な支援ができる点です。

首都圏では、売上を何百億、何兆円という規模まで成長させる企業の創出を目指す支援も多くありますが、地域では市場環境や企業を取り巻く条件が異なるため、同じ成長モデルが必ずしも最適とは限りません。そのため、すべての企業が一律に事業規模の急拡大を目指す必要はないと考えています。

それよりも、「この地域には地域の特性を活かした魅力的なサービスを生み出す企業が多い」と認識される環境をつくりたいです。

「経営者を目指した」のではなく、「実現したいことを追求した」

――経営の道に進まれた背景を教えてください。

もともと経営者を目指していたわけではなく、自分が実現したいことを追求した結果、経営の道に進んだという感覚です。

2015年には、アスリートのセカンドキャリアを支援する事業で起業にチャレンジしましたが、知識や経験が十分ではなく、約10カ月で断念しました。その後は大阪産業局で中小製造業やスタートアップの支援に携わり、2022年からは民間企業で西日本エリアのマネージャー職として、現在の事業に繋がる、地域に特化したイノベーション創出や共創支援の事業に携わりました。

そうした経験を重ねるなかで、より地域に根差した支援を実現したいという想いが強くなりましたが、その一方で、東京に本社を置く企業の西日本責任者という立場ではできることに限界も感じていたため、独立を決断しました。

――経営判断で大切にしていることは何でしょうか。

自分が実現したい世界に対して、正直であることです。

これまで関わってきた経営者の方々には、実現したい世界が明確で「ブレない」という共通点がありました。そこへ向かう手段は変わっても、目指す場所そのものは変わらないんです。私自身も、地域の面白い企業やサービス、挑戦する人が知られ、応援される状態をつくるという軸は崩したくないと思っています。

オープンな組織で、挑戦する人にも機会をつくる

――社内のコミュニケーションで意識していることを教えてください。

当社はフルリモート・フルフレックスで、日常のコミュニケーションにはSlackを使っています。基本的にはオープンチャンネルで会話し、お互いが考えていることや感じていることを共有する方針です。

インターンや業務委託のメンバーに対しても、挑戦を応援する姿勢を大切にしています。インターンだから雑用を任せるというわけではなく、戦力として現場に入ってもらいます。実務経験や人とのつながりを得ることが、その人自身の次の挑戦につながればいいと考えています。

――経営するうえで譲れないことはありますか。

「どうせ働くなら、楽しく働きたい」という考え方です。これは、「人生を、心躍る冒険に。」というビジョンにもつながっています。

今は、「何をやるか」以上に「誰と仕事をするか」が大切だと感じています。仕事だから何でも引き受けるのではなく、自分たちが本当にやるべき仕事なのかを考える――仕事を通じて楽しめるかどうかも、これから大切にしたい判断軸です。

大きさを追わず、地域に深く入り込む

――今後、どのような会社を目指していますか。

地域に根ざし、「この地域のことならLETT」と思ってもらえる会社を目指しています。そのため、全国へ広く展開するのではなく、地方銀行や地方新聞社のように地域を深く理解し、地域に根差した支援を続けていきたいと考えています。

会社の規模についても、むやみに拡大するつもりはありません。人員を増やすことで地域への理解が薄れるのであれば、一定の人数で地域との関係を深める方が当社には合っています。そのため、会社が成長していくことがあっても、社員数は10人程度を想定しています。

また、現在は行政から評価いただき、継続的に仕事をいただいていますが、将来的には行政の仕事だけに依存しない事業基盤も必要です。そのため、3年~5年ほどを目安に自社サービスをつくり、自分たち自身で自立できる体制を築いていきたいと思っています。

――最後に、これから特に注力したいことについて教えてください。

注目しているのは、「ファーストカスタマー・アライアンス」です。これは、政策目的随意契約制度を活用し、自治体間で連携しながらスタートアップの製品・サービスの公共調達を促進する取り組みです。

スタートアップを支援する行政自身が、実績がないことを理由にそのサービスを使わなければ、地域から新しい企業は育ちにくいでしょう。行政もスタートアップと一緒にリスクを取り、最初のお客様としてサービスを育てていく――そうした動きが少しずつ広がっていることは、とてもよい傾向だと思っています。

私たちが目指しているのは、「この地域をよくしたい」「この地域が好きだから、ここで会社をつくった」という人が、地域のなかで応援される文化です。創業初期から地域の企業や行政が挑戦者を支え、最初の売上や経済圏を地域で生み出せる環境をつくるために企業や行政をつなぎ、一歩踏み出す背中を押しながら、これからも地域の「オモロい」を開拓していきたいです。

Contact usお問い合わせ

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容

    プライバシーポリシーに同意して内容を送信してください。