「1人の100歩より100人の1歩」――仕事を通じて“人生をもっと気楽に、心豊かに”
株式会社グラジスト(LifeEaseホールディングスグループ)代表取締役社長 神谷 明美氏
LifeEaseグループは、愛知、静岡、栃木で通信営業、光回線工事、IT サポートを展開しており、株式会社グラジストは東海エリアを中心に通信コンサルタントを軸に事業を広げています。「1人の100歩より100人の1歩」を掲げ、人材育成を大切にする同社。今回は代表の神谷氏に、事業に込めた思いや人材育成、組織づくり、経営で譲れない価値観、今後の展望について伺いました。
目次
経験を通じて考え方を育てる「教育営業」
――現在の事業内容について教えてください。
当社(グラジスト)のメイン事業は、通信コンサルタントです。
大手携帯ショップなどにスタッフが入り、ご来店されたお客様に光回線や携帯電話の利用状況を伺いながら、その方に合った通信環境をご提案しています。主にauショップでの光回線案内や、地方のケーブル局が扱う光回線の提案などが中心です。
当グループ内には工事やWebサポートを担う会社もあり、営業だけで終わらず、その先まで対応できる体制を整えています。株式会社グラジストは2011年創業で、現在はホールディングス体制に移行し、各社が連携しながら事業を進めています。
――なぜ営業を「教育」の場と考えているのでしょうか?
私たちが会社を通じて本当にやりたいことは、教育です。
社会に出ることや仕事をすることを「嫌なもの」と捉えるのではなく、仕事を通じて人と関わり、考え方を豊かにしていける人を増やしたいと思っています。
本来、仕事や教育、政治、医療、経済活動といった社会のすべての仕組みは、人が生きる上で「幸せでありたい」と願い、それをよりよく実現するためにつくられたものだと考えています。言い換えれば、自分たちの精神衛生、いわゆる心を整えながら生きていくための仕組みです。
道徳倫理観が薄れつつある今、人を敬い、相手を尊重し、譲り合う感覚を欠きがちで、身勝手な行動をとる人も増えています。
情報が溢れかえる中で、いつだって大切なのは情報ではなく、その情報を扱う人の捉え方、心です。
仕事も同様だと感じており、経験を通じて考え方を育てる、いわば「教育営業」だと考えています。
――御社の強みは何ですか?
当社は、未経験の人を育てることを得意としている会社です。営業方法や商品知識だけでなく、「なぜこの仕事が必要なのか」「どうすればお客様に喜んでいただけるのか」といった本質的な部分から伝えています。
社会経験の少ない若い方はもちろん、20代後半から30代半ばで仕事に悩みを抱えてきた方が入社し、考え方や在り方に変化が生まれることもあります。そうやって人が少しずつ成長していくところに、当社らしさがあると思っております。
素直さと誠実さを大切にする人材育成
――採用や育成で大切にしていることは何でしょうか?
技術や知識よりも、まずは素直さや誠実さを大切にしています。
生きていく上で「必要なこと」と「重要なこと」があると考えており、仕事においていうと技術や知識は「必要なこと」で、素直さや誠実さは「重要なこと」。例えば、時間を守る。挨拶をする。報告、連絡、相談をする。ビジネスマナーを身につける。商品知識を覚える。営業技術を磨く。当然、全部「必要なこと」です。一方で、「重要なこと」とは何か。それは、どんな考え方で仕事をするのか。どんな姿勢で人と関わるのか。その技術で誰を喜ばせるのか。そういった、人としての生き方や在り方という本質的な部分です。
そして、必要なことの特徴としては、目に見えやすい。資格、知識、経験、売上、役職、評価。数字や肩書で表すことができます。一方で、重要なことは、すぐに目で見える数字に表れません。誠実さ。責任感。感謝。思いやり。信用。覚悟。そして、どれも一日で手に入るものではないし、基本、期日や締切がない。
人はつい、必要なことだけに目の前の時間や心を奪われがちですが、それは当たり前にやるべきことで、重要なことをより意識して自分の中の通常運転にしていくことを育成において大切にしています。それによってその人が生きやすくなる思考の武器になると考えていますし、そういった重要なことを積み重ねていける人を組織に増やしていきたいと考えています。
「1人の100歩より100人の1歩」でつくる組織
――組織づくりにおいて大切にしている考え方を教えてください。
当社のミッションステートメントに「1人の100歩より100人の1歩」という言葉があります。企業が成長するためには、一部の優秀な人だけに依存するのではなく、それぞれの社員が自分で考え、行動できる組織をつくることが重要だと考えています。
組織というのはどこまでいっても「人」です。1人のスーパースターが100歩進んでも、その1人の機嫌やコンディションで歩みを止めたらそこで終わるし、そこには1人で見る景色しかない。そんなスターより、100人が1歩ずつ歩みを進めていける組織なら、1人が疲れて心の休憩をしていても、たとえ3人がけがをしたとしても、その間、仲間を想い、残りのやつらが歩みを進める。それでちゃんと前進できる。1人では行けない場所に、1人では見られない景色を見に行きたい。そんな思いで立ち上げた会社なので、やはりチームで前進するということを大切にしています。
――社員一人ひとりに、どのような成長を期待していますか?
「この会社に出会ってよかった」と思えるような成長をしてほしいですね。
それは仕事で成果を出すことだけではありません。仕事にやりがいを感じることでも、プライベートが充実することでも、その人なりの形で構わないと思っています。
私たちが目指しているのは、一人ひとりが心の豊かさを持ち、互いに支え合える組織です。誰かを否定するのではなく、それぞれの違いを抱えたまま一緒に前へ進める会社でありたいです。
「人生をもっと気楽に」を、グループの力で実現する
――LifeEaseグループが目指す組織の姿について教えてください。
現在、LifeEaseグループは、ホールディングス本部を中核に、株式会社グラジストが培ってきた営業力・教育力、株式会社LIBREの通信施工・管理、株式会社TechnnovaのIT・テクノロジーを活用した課題解決やWebデザイン・制作、株式会社ほーむの福祉事業など、各社の専門性を掛け合わせ、幅広い社会課題の解決に取り組んでいます。
LifeEaseホールディングスは、経営基盤とグループ連携を支える本部として、各社の人事・経理・労務・情報システム・広報・業務管理を一手に担っています。人・資金・情報といった経営資源を最適に配分することで、各社の可能性を引き出し、グループ全体の価値を最大化する役割を担っています。
なんていうかっこよい言い方をしましたが、ただただ、私たちの原点は、あくまでも人と人との関係です。
どれだけ時代や仕事が変わろうとも目の前のサービスや売上、数字だけではなく、人や地域、社会から長く必要とされる会社を目指すことが、我々の基本姿勢です。そこにはいつだって、人がいて、感情がある。現場にいるのは数字じゃなくて、その数字に向き合っている「人」であり、人の心は変数だと思っています。置かれた環境や周囲との関係によって、気持ちも行動も変化するからです。
理屈や正論、制度だけでは扱えきれない『人の感情』がある。そのことを大前提として、LifeEaseホールディングスは、「Life is Easy.――人生は易しい」「人生をもっと気楽に」という理念を掲げています。そして、「現代社会の複雑さをシンプルにし、人々の生き方を少しでも楽にする」という使命のもと、人や社会が前向きに歩める仕組みをつくることを目指しています。
「選んだ道を正解にする」経営をこれからも
――経営するうえで、譲れない思いは何でしょうか?
自分の正義を振りかざさないことです。人にはそれぞれの正義があり、自分にとっての正義と、相手にとっての正解が必ずしも一致するとは限りません。
情報があふれ、変化の速い時代に、常に正しい選択をし続けることは難しいと思っています。16年経営を続けていても、よく間違える。ただようやくわかったことは、自分に求められているのは、たぶん「正解を選ぶこと」ではなく、「選んだ道を正解にする胆力」なのだろうと思います。
私はまだ何者でもない。そんなことは周りの仲間もよくわかっていると思います。それでもこの役割と責任を担う以上、プライドをかなぐり捨ててでも、選んだ先に正解だと思える未来を創り続ける。その覚悟を見せ続けることが全てだろうなと考えています。
――これからどのような会社を目指していきたいですか?
売上規模や事業領域を広げること以上に、私が根本に置いているのは、「心の豊かさ」を持つ大人を増やすことです。一人ひとりが仕事と人生の両面で豊かさを実感できる、そんな組織にしていきたいと思っています。
100人いれば、100通りの考え方やこだわり、幸せの形があります。それぞれの違いを認めながら、互いに支え合い、組織として一歩ずつ前へ進んでいく。仕事でも人生でも「この会社に出会えてよかった」と思ってもらえる場所をつくり、社員一人ひとりが自分自身の成長と、この会社の一員であることに誇りを持てるような環境を、これからも大切にしていきたいです。