映像で関係性を編み直す――xalibreが描く“映画を生む母体”への道
株式会社xalibre 代表取締役社長 高木 駿氏
株式会社xalibreは、映像制作を軸に、PR構築支援・ドラマ制作・下請け制作編集という三つの事業を展開する会社です。フリーランスとして培ってきた現場経験と技術力を土台に「人と人との関係性づくり」を重視した映像活用を行っており、作品の完成度だけでなく、その先に生まれる関係性までを見据えた取り組みを続けています。本記事では、代表の高木駿氏に、現在の事業内容や経営に至った背景、今後のビジョンなどについて伺いました。
映像を売るのではなく、関係性をつくるPR支援
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
現在は大きく三つの事業を行っています。一つ目は、PR構築支援事業です。中小企業や小売業、官公庁の方々を中心に、企業とお客さまをどのような関係性でつなげていけば双方にとって価値が生まれるのかを考え、その関係性づくりを支援しています。
映像制作は強みの一つですが、動画を作ること自体が目的ではありません。CMやサービス紹介動画などを手段として使いながら、必要であれば映像以外の方法も含め、PR全体を設計しています。
二つ目は、ドラマ制作事業です。テレビ局の案件を中心に、ドラマや縦型ショートドラマの制作を行っています。私自身がプロデューサーとして関わることもあります。
そして三つ目は、下請け制作編集事業です。撮影や編集といった技術を、必要とされる現場にピンポイントで提供しています。
――業界内での強みはどのような点にありますか。
映像の技術力はもちろんですが、それ以上に人と人をつなぐことを大切にしています。「信用できる隣人であること」を共通認識として持っていて、これまで関係性のなかった人同士をつなげ、新しい価値を生み出すことにやりがいを感じています。
個人では戦えない時代に――会社という選択
――経営者になられたきっかけを教えてください。
最初から社長になりたかったわけではありません。最終的な目標は、自分たちの資金とスタッフで映画をつくる母体になることです。ただ、映像業界は個人では限界があり、会社として戦わなければ実現できないと感じました。そのために、まず会社をつくり、代表を務めることを選びました。会社を大きくしていくこと自体が目的ではなく、映画を生み出すための土台づくりという感覚です。
PR支援の進化と、新たな軸への挑戦
――現在の組織体制について教えてください。
社員・役員を含めて3名で運営しています。業務委託として関わってくれる方は多くいますが、将来的には雇用を増やしたいと考えています。
ただ、仲が良いゆえに緊張感が不足してしまう場面がある点は現在の課題でもあります。ですので話し合いや環境づくりを通して、仕事に集中できる組織を模索しているところです。
――今後の展望について教えてください。
映画制作を目指すうえで、ドラマや映画だけで戦い続けるのは難しいと感じています。そこで注力していきたいのが、PR構築支援事業です。
特に最近始めたのが、クリエイティブ内製化支援です。映像制作を外注する負担が大きい企業に対し、社内で撮影や編集ができる人材を育てる支援を行っています。映像が誰でも作れる時代だからこそ、外注と内製の線引きを整理し、企業にとって本当に必要な形を一緒に考えていきたいです。
最終的なゴールは、映画をつくり続けられる「母体」となる会社になることです。ただ作品を一度つくって終わりではなく、資金も人も循環しながら、継続的に映画を生み出せる土台をつくりたいと考えています。
そのためには、いきなり映画一本に賭けるのではなく、PR支援やドラマ制作といった事業を通じて、会社としての体力をつけていく必要があります。遠回りに見えるかもしれませんが、この積み重ねこそが、結果的には一番の近道だと感じています。
映像業界は個人で活躍できる時代でもありますが、だからこそ「会社としてやる意味」を強く意識しています。仲間を守り、育て、安心してものづくりに向き合える環境を整えること。それができて初めて、世の中に長く残る作品を生み出せるのではないでしょうか。
xalibreは、巨大な組織を目指すというよりも、職人たちが集まる“映画の工房”のような存在でありたいと考えています。
――これから起業を考えている方や経営者の方へメッセージをお願いします。
実際に経営してみて感じるのは、挑戦して損をすることは本当にないということです。もちろん失敗はありますが、その経験自体が次につながっていきます。
大切なのは、お金以上に「誰とやるか」です。仲間や関わる人との関係性が、事業を続けていくうえで一番の財産になります。
一歩踏み出すことでしか見えない景色がある――当社もそう信じて、これからも挑戦を重ねていきたいです。