食は命なりで健康を支える――ミコー漢方処・古高優子が描く「食の教育」とご縁の経営

合同会社ミコー漢方処 代表・漢方薬剤師 古高優子氏

古くから受け継がれてきた漢方の知恵を、いまの暮らしに寄り添うかたちで伝えていく。合同会社ミコー漢方処の代表であり薬剤師の古高優子氏は、漢方の販売や相談にとどまらず、食や養生を軸にした「予防」の考え方を広げてきました。必要なものを見極め、無理なく整えていく姿勢は、体だけでなく生き方にも通じるものです。健康人口を増やすことを目指し、人と人とのご縁を大切にしながら歩んできたこれまでの取り組みと、これから描く未来についてお話を伺いました。

事業を「支える」三本柱――漢方・化粧品・セミナー

――まず、事業内容を簡単に教えていただけますか。

当薬局社は、大きく3つの柱で事業を行っています。漢方の販売と相談、敏感肌専門の化粧品の販売、そしてセミナー業です。

特に私たちが重視しているのは、今飲んでいる薬が「本当にあっているのか」、一緒に整理することです。年齢によって体は変わりますし、薬の効き方も「効きすぎる人と効かなくなる人」に分かれていきます。必要なものは残し、不要なものは減らしていく。その見直しは、体を守るだけでなく、医療費の削減にもつながる大切な役割だと考えています。

さらに漢方には、予防医学としての知恵があります。食事や睡眠、日々の養生まで含めて、その方の生活に合わせてお伝えしていく。来店された方だけでは間に合わないと感じ、セミナーとして広げる取り組みも始めました。

食から整え、縁で返す

――大切にしている姿勢や信念を教えてください。

大切にしているのは、「食は命なり」という考え方です。元気に食べ、楽しく食べ、食によって生かされていることを忘れない。漢方薬は「食薬の延長上」にあり、食の積み重ねが体質となり、思考の習慣となり、呼吸、体の動かし方につながっていきます。暴飲暴食も節制しすぎも良くありません。ちょうどよい加減が陰陽バランスが整った状態と言えます。

また、当薬局の強みは「人」だと思っています。お客様には経営者の方や個人事業主の方が多く、ご紹介でつながるご縁がとても多い。私ができる恩返しは、薬をお渡しすることだけではなく、ご縁をつなぐことだと考えています。紹介料は一切いただかず、お支払いもしないという関係を大切にしています。

「薬の相談」より「今日は何を食べたらいいですか」という相談が多いのも、当薬局らしさかもしれません。老化の仕組みを理解し、できる養生を一つずつ増やしていく。その積み重ねが、結果として健康を守ると考えています。

仕組みで「挑戦」を続ける――任せるための共通語と見える化

――チーム体制や、メンバーへの関わり方を教えてください。

会社は私を含めて5名体制で、私以外に4名のメンバーがいます。時間が足りないからこそ、分配して回る仕組みづくりを意識してきました。料理が苦手な方への実習も、今はスタッフが企画・準備して進めてくれています。

コミュニケーションで大切にしているのは「共通語」です。たとえば「送る準備をしてね」と言うだけではなく、箱詰めや納品書だけでなく「気持ちも一緒に送ってほしい」というところまで、言葉にして揃える。受け取った方が不安にならない工夫を、手紙やパンフレットなどで表現することも含めて、基準を共有します。

加えて、チェックリストやマニュアルで「見える化」することで、任せても不安にならない状態をつくっています。給与明細をお渡しするときには、良かった点を手書きで添えるなど、日々の小さな配慮も欠かしません。

「食の教育」を広げ、担い手を増やす

――今後、実現していきたい夢や目標はありますか。

以前は「病気を治したい」という思いが強かったのですが、今は「健康人口を増やす」方向に意識が変わりました。健康でなければ、仕事も遊びも続きません。みんなで楽しく働き、楽しく遊び、良いご縁が広がっていく。そんな循環をつくりたいと思っています。

そのために軸になるのが「食の教育」です。漢方薬局=薬膳と思われがちですが、私がこだわっているのは「特別な料理」ではなく、風邪の予防には、ネギ、咳には里芋や白菜、かぶといった身近な食材の性質を教え、日々の食事で体を整える力を育てることです。

1対1でも、Zoomでも、学びの場をつくり、学んだ方が次の誰かに伝えられるようにしていきたい。ミコーで学んだ人が各地で活躍する未来を、少しずつ形にしていきたいです。

整える時間はサウナと運動

――お忙しい中で、リフレッシュ方法はありますか。

リフレッシュはサウナです。冷たい水で一気に…というより、お腹を温めながら自然に汗を出す「ホット」な入り方が好きで、娘と一緒に行くこともあります。運動部だったこともあり、発散する時間は自分にとって大切で、運動も続けています。

最後にお伝えしたいのは、やはり「食は命なり」です。元気に食べて、楽しく食べて、食によって生かされていることを忘れない――これからも、健康で元気に生きていける人を増やしていきたいと思います。

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