「それぞれが輝く今」を音楽に託して――BGM Girlsの構想

株式会社ミカエルライト 代表取締役 石川 裕之氏

株式会社ミカエルライトは、ITコンサルティング事業とエンターテインメント事業の2軸で事業を展開し、中でも音楽・キャラクター・ストーリーを掛け合わせた新しいBGMコンテンツ「BGM Girls」を世の中に届けていきたいと考えています。本記事では、代表を務める石川裕之氏に、掲げる理念の実現とBGM Girlsを通して見据える”未来”について、話を伺いました。

ITとエンターテインメントを融合させる事業進化 

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

弊社は創業前よりITコンサルティングを主軸として歩んできました。法人化後もその基盤は揺らぐことなく、おかげさまで現在も事業の中核として安定的な売上を支えています。

今後はエンターテインメントを掛け合わせた事業展開を本格化させ、新たな柱として育てていくことを目標としています。

エンターテインメント事業の展開にあたっては、取締役とともに体制を築いています。NHKのドラマや報道番組制作など約10年にわたり制作現場に携わってきた経験を活かし、コンテンツのプロデュースおよび企画を担っています。

私が培ってきたIT分野での構築力と、制作現場で磨かれた表現・発信の知見が融合することで、技術とエンターテインメントの両面を備えた事業体制を整えています。

――エンタメ事業ではどのようなコンテンツに注力されているのですか?

現在、エンターテインメント事業の中核として注力しているのが「BGM Girls」です。

現状はYouTubeで楽曲を制作し、それを届ける形を想定しており、ビジネスとしてはBtoCです。

その上で、コンテンツとして育てていく過程で「一緒に取り組みたい」「広告やマーケティングに活用したい」というパートナーを随時募集していく方針です。

BGM Girlsは楽曲制作にとどまらず、キャラクターや背景設定といった世界観を活用することで、多面的な事業展開が可能なコンテンツです。

将来的にはコミックマーケットへの出展や、物販による収益も視野に入れています。方向性としては、一つの知的財産(IP)ビジネスとして確立し、文化として生きていきたい、という考えです。

――BGM Girlsはどのようにして誕生したのですか?

コロナ禍をきっかけに働き方が大きく変化し、在宅ワークやカフェで作業をする時間が増えました。私自身もその一人でした。そうした中で出会ったのが、YouTubeの「Lofi Girl」というチャンネルです。本を読んだり作業をしたりするキャラクターの映像に、インストゥルメンタルのBGMが流れるその世界観に魅力を感じました。

「作業用BGM」という文化はすでに広がっていましたが、キャラクターと音楽が組み合わさることで、一つの空間が生まれていることに可能性を感じたのです。そこから着想を得て、BGM Girlsを構想しました。

楽曲だけでなくキャラクターの背景や世界観を持たせながら、インストゥルメンタルに限らず、生活音の延長のように自然に聞き流せる歌詞入りの音楽を取り入れる。意識せずとも心地よく寄り添い、作業を邪魔しない。それでいて、ふとした瞬間に心に残る。そうした新しいかたちの“日常に溶け込む音楽体験”を目指しています。

歌詞を含む楽曲ではありますが、物語性や強いメッセージを前面に出すものではありません。言葉は意味を主張するというよりも、音の一部として空間に溶け込む設計をしています。そのため、言語に縛られすぎることなく、心地よい“響き”として受け取っていただけると考えています。

こうした特性は、国や文化を越えて届けやすい音楽体験につながります。グローバルな展開も視野に入れながら、日常に寄り添う新しい音楽文化として育てていきたいと考えています。

残業の日々が生んだ経営者への道

――経営者になられた経緯を教えてください。

システム開発会社においてシステムエンジニアとして実務経験を積み、その後はプロジェクトマネージャーとして開発現場を統括してきました。クライアントの要件定義から開発チームへの共有、成果物の品質管理および進行管理までを一貫して担い、プロジェクト全体を俯瞰する立場を経験してきました。

複数の立場を横断しながら「構想を形にする」工程を見続ける中で、次第に自らの責任のもとで事業を構築したいという思いが強くなりました。現場で培った構築力とマネジメント経験が確かな手応えとなり、独立という選択へとつながっていきました。

そして2023年、事業の持続的な成長を見据え、法人化を決断しました。

あえてターニングポイントを挙げるとすれば、まさに今年なのかもしれません。ある場で初めてインタビューを掲載していただいたことをきっかけに、追加の取材や企画のご相談をいただく機会が増えました。

さまざまな問いに向き合い、自身の考えや構想を言語化していく中で、これまで漠然としていた方向性が次第に輪郭を帯びていきました。説明することそのものが、自分自身の思考を整理するプロセスとなり、事業として目指す姿がより明確になっていったと感じています。

現在は、具体的な企画も動き始めており(詳細は控えますが)、その展開に向けてホームページの整備など、体制づくりを進めています。

――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。

弊社のコーポレートメッセージに掲げているのは、「それぞれが輝く今を創造する」という理念です。

私自身、ITの現場で働く中で、長時間労働が続き、終電近くまで仕事をし、数時間の睡眠で再び出勤するという日々を過ごしてきました。その中で、「今、自分は何のために生きているのだろう」と感じたこともあります。また、志を持っていた同僚や先輩が心身をすり減らしていく姿も見てきました。

効率化やAIの進展そのものを否定するつもりはありません。しかし、合理性や生産性を追い求めた先に、本当に人の幸せはあるのか──その問いが、常に心の中にありました。

だからこそ、その人がその人らしく在ることを大切にしたいと考えています。BGM Girlsも、単なる“消費される娯楽”にはしたくありません。すれ違う人にも、隣に座る人にも、それぞれの物語がある。そして、画面の向こうで聴いている人にも物語がある。その前提に立った表現を、音楽と物語を通じて届けていきたいと思っています。

同時に、ITの持つ可能性や効率化の力を否定するつもりもありません。むしろ、これまで培ってきたITの構築力や仕組み化の知見を活かすことで、表現を持続可能な形にし、より多くの人へ安定的に届けられる基盤を整えていきたいと考えています。技術は目的ではなく、人の物語を支えるための手段。その両立こそが、私たちの目指す姿です。

BGM Girlsを未来へ運ぶ挑戦

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

今後の展望としては、BGM Girlsを一つのIPとして確立させていくことです。音楽コンテンツとしての展開にとどまらず、キャラクターや世界観を軸に、多面的なプロジェクトへと発展させていきたいと考えています。映像や配信、メディアとの連携なども含め、段階的に広げていく構想です。

また、グローバル展開も視野に入れています。音楽というフォーマットは国境を越えやすい特性がありますが、そこに世界観や体験設計を重ねることで、より長く愛されるブランドへと育てていきたいと考えています。

そのためにも、制作体制や発信基盤をさらに強化し、持続的にコンテンツを生み出せる仕組みを整えていくことが直近の挑戦です。

最終的には、ITとエンターテインメントを横断する事業モデルを確立し、技術と表現の両面から新しい文化を生み出せる会社へと成長させていきたいと考えています。

――現在の課題として捉えていることはございますか?

現在の課題は、BGM Girlsの理念や世界観に共感し、ともに創っていける仲間を広げていくことです。

音楽やキャラクター、物語といった要素は、一人で完結するものではありません。だからこそ、同じ方向を見てくださるクリエイターやパートナーと出会い、共同制作という形で座組をつくっていきたいと考えています。

単なる外注や業務委託ではなく、思想や目指す世界観を共有したうえで、ともにプロジェクトを育てていける体制を築くこと。それが今、最も重要なテーマの一つです。

そのためにも、発信を続けながら共感の輪を広げ、持続的に創作ができるチームづくりに挑戦していきたいと考えています。

日常を離れ、感覚を取り戻す場所

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

気分転換として、車でドライブをすることが好きです。特に、広い空間に身を置くと自然と気持ちが整います。羽田空港の第3ターミナルを訪れ、上階のカフェからフロアを見下ろす時間は、私にとって良いリセットのひとときです。出発ロビーに漂う、これから旅に向かう人々の高揚感や期待の空気に触れていると、自分まで前向きな気持ちになります。

妻も空港が好きで、旅行の予定がなくても二人で訪れることがあります。ターミナル内のカフェでお茶をしながら語らう時間も心地よく、空港という少し非日常的な空間が、日常の延長にある特別な場所になっています。

そのほかには、家庭用ゲーム機で遊んだり、秋葉原のゲームセンターでクレーンゲームを楽しんだりと、サブカルチャーにも親しんでいます。こうした時間が、頭を空にし、新しい発想を生むきっかけになっています。

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