AI時代の結婚支援に挑む――“時短婚活”で質と量を追求する経営の本質

株式会社ハッピーカムカム 代表取締役社長 峰尾晋一氏

結婚相談所として25年にわたり実績を積み重ね、累計2800組の成婚を実現してきた株式会社ハッピーカムカム。1年以内の成婚率51%という成果を掲げながら、「時短婚活」という独自の考え方で業界に新たな価値を提供しています。本記事では、代表取締役社長の峰尾晋一氏に、事業の特徴や経営の考え方、今後の展望について伺いました。

タイミングから始まった経営の道と事業の本質

――どんな想いで現在の事業を始められたのですか

もともと強い志や明確なビジョンがあって始めたわけではありません。前職では大手企業に勤めていましたが、1年で退職し起業。その後、事業を売却するなどの経験を経て、次の道を模索していたタイミングで、現在の会社の前代表から引き継ぎの話をいただきました。「社長を代わってほしい」という依頼を受け、ちょうど良いタイミングだったこともあり引き受けた形です。いわば流れの中で決まったことであり、大きな使命感や理想が最初からあったわけではありません。

これまでの人生を振り返っても、自分がやりたかった仕事を選んできたというよりは、結果的に目の前にあることに向き合ってきた感覚があります。ただ、どんな仕事でも楽しめるというのは自分の特性かもしれません。後から使命感のようなものは生まれてきますが、当初は極めて現実的な判断の連続でした。

――現在の事業の特徴や強みについて教えてください。

結婚相談所に入会される方のニーズは大きく2つです。「自分に合う相手と出会いたい」「できるだけ早く出会いたい」。この2点にどれだけ応えられるかが本質だと考えています。当社はこの2つに徹底的にコミットしています。

特に強みとしているのが「1年以内の成婚」です。成功率を掲げている相談所は他にもありますが、「1年以内」と明確に打ち出しているところはほとんどありません。年齢も23歳から80歳まで幅広い実績があり、誰でも入会できる中でこの成果を維持している点は特徴だと思います。

この考え方を「時短婚活」と呼んでいます。単なるスピード重視ではなく、最短距離で適切な相手に出会うという意味での効率性を追求しています。

質と量を両立する経営と意思決定の軸

――仕事における目標や将来のビジョンについて教えてください。

この業界で続けていく以上、日本一を目指したいと考えています。ここでいう日本一とは、単なる規模ではなく「質と量の両立」です。成功率という質を維持しながら、どれだけ多くの方を支援できるか。この両方を追求することが重要です。

例えば、成功率が高くても対象人数が少なければ影響力は限定的です。一方で数だけ増やしても質が伴わなければ意味がありません。このバランスを取り続けることが経営のテーマです。

――経営判断の際に大切にしていることは何でしょうか。

迷ったときは「難しい方を選ぶ」というのが基本です。楽な選択は短期的には良く見えても、本質的な解決にはならないことが多い。時間がかかっても根本的な改善につながる方を選ぶようにしています。

経営は日々判断の連続です。結果が正しかったかどうかは後からしか分かりませんが、会社が今も存続しているという事実が一つの答えだと思っています。小手先ではなく、本質に向き合うことを意識しています。

――これまでのキャリアで転機となった出来事は何ですか。

大きな転機はコロナ禍です。これまでWeb中心で集客できていたものが、SNSの普及によって変化しました。問い合わせ数が徐々に減少していく中で、広告戦略を大きく転換する必要がありました。

当時は人員削減か投資継続かの判断を迫られましたが、人を残し広告手法を変える選択をしました。一時的に赤字にはなりましたが、結果として現在につながっています。あの判断は大きな分岐点でした。

多様性を重視した組織運営とコミュニケーション

――組織運営で意識していることを教えてください。

社員に経営者意識を持たせようとは思っていません。全員が経営視点を持つ必要はなく、それを求めるのは現実的ではないと考えています。それぞれの役割を果たすことが重要です。

ただし、お客様のために自発的に行動することは大切です。それは教えるものではなく、仕事に向き合う姿勢として自然に生まれるものだと思っています。そうした行動に対して結果で評価しすぎないことも意識しています。

――社内のコミュニケーションについてはいかがですか。

コミュニケーションは量が重要です。毎日1回は全員で集まる時間を設けており、定期的な食事会も実施しています。こうした機会を通じて、意見が言いやすい環境を作っています。

実際に社員からの意見も多く、風通しは良い組織だと思います。

――採用で重視している点は何でしょうか。

「一緒に働きたいかどうか」という基準では判断していません。それだと自分の好みに偏ってしまいます。重要なのは、どんな会員様にも対応できる多様な人材を揃えることです。

さまざまな価値観やキャラクターを持った人材がいることで、より多くの方に対応できる組織になります。個人の好き嫌いではなく、会社としての機能を優先しています。

業界の変化と新たな価値提供への挑戦

――今後取り組んでいきたいことについて教えてください。

結婚相談所の枠にとらわれず、夫婦関係や親子関係といった領域にも広げていきたいと考えています。婚活は人生の一部であり、その後の関係性まで支援できるようなサービスにしていきたいです。

――業界の今後についてはどのように見ていますか。

今後は二極化が進むと思います。オンラインで完結するサービスと、人が介在する仲人型のサービスに分かれていくでしょう。

また、AIの活用は不可欠になります。過去にITが普及したときと同様に、対応できない企業は淘汰されていくはずです。ただし、すべてをAIに任せるのではなく、人間にしかできない部分との役割分担が重要です。

価値観に影響を与えた存在と日常の過ごし方

――尊敬している人物について教えてください。

大学時代に研究していた中国の歴史人物に影響を受けています。体制の中で頂点に立ちながら、その体制を変革する側に回った人物で、その決断力と行動力に強く惹かれました。既存の枠にとらわれず、本質を見て動く姿勢は今の考え方にも通じています。

――リフレッシュ方法について教えてください。

基本的に仕事が好きなので、完全に離れることはあまりありません。旅行中でも多少は仕事をしています。その中でのリフレッシュは読書です。今はとにかく活字に触れる時間を大切にしています。デジタル化が進む中で、あえて本を読む時間は非常に贅沢だと感じています。

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