世界の“まだ知られていない価値”を日本へ──ベトナムコーヒーにかける挑戦と信念

ジーエムビー株式会社 代表取締役 谷﨑 正之 氏

ベトナム産コーヒーの可能性に着目し、日本市場に新たな価値を届けようとしているジーエムビー株式会社。世界に存在する“まだ知られていない良いもの”を、日本へと橋渡ししていくという明確な意志のもと、事業を展開しています。評価が定まりきっていない領域にあえて挑み、固定観念を覆していく。その背景には、代表自身のこれまでの経験と、「本当に良いと思えるものだけを届けたい」という揺るがない信念がありました。本記事では、同社の事業内容や立ち上げの経緯、組織づくりの考え方、そして今後の展望について伺いました。

世界の価値を日本へ──GMBの事業とビジョン

――現在の事業内容について教えてください。

会社名はジーエムビー株式会社といいます。事業は大きく二つあって、一つが「谷崎珈琲ビレッジ」として展開しているベトナム産コーヒー豆の輸入・国内販売 、もう一つがシカゴにある水景装置メーカーの日本販売代理店です。

現状としてはこの二軸で展開していますが、方向性としてはコーヒーが主軸になります。現在はベトナム産スペシャルティコーヒーの認知拡大と販路形成に注力しており、今後の主軸事業として育てています。

まだ市場の中で確立された立ち位置ではないからこそ、伸びしろが大きい領域だと感じていますし、自分たちの取り組み次第で価値を高めていける余地があります。

――会社としての理念やビジョンについて教えてください。

ジーエムビーという社名はGlobal Market Bridgeの略で、「まだ知られぬ世界の良いものを日本に届ける架け橋に」という思いを込めています。特にベトナムにはまだ日本市場に知られていない良いものが多くあるので、それを伝えていきたいと考えています。今はコーヒーを中心にしていますが、今後は食品なども含めて広げていく予定です。

単にモノを輸入するのではなく、「知られていない価値」を届けることに意味を感じています。その価値が正しく伝わることで、選ばれ方そのものが変わっていくような流れをつくっていきたいと思っています。

納得できる仕事を求めて──経営者としての原点

――起業に至った経緯について教えてください。

もともとは、外資系の人材会社や福利厚生サービス会社で長く働いていました。ただ、扱う仕事の中で、自分が100%納得して薦められていないという感覚がずっとありました。そのジレンマは次第に大きくなり、いつか自分で納得できるものを扱いたいという思いが強くなっていきました。表面的には成立していても、どこか引っかかる感覚が拭えなかったんです。その違和感は時間が経つほどに大きくなり、自分の中で見過ごせないものになっていきました。 

2020年頃から独立を意識し始め、何をやるかを考えたときに「自分が本当に良いと思えるものを扱う」という軸だけは譲れませんでした。とはいえ、独立後、ゼロから事業を立ち上げて軌道に乗せる難しさに直面していました。そのような模索の中で、既存事業の承継という形で現在の事業と出会い、M&Aという選択肢を通じて独立への方向性が明確になりました。そして2024年12月を大きな転機として、2025年3月に法人を設立しました。長く抱えていた思いが、ようやく形になった瞬間だったと感じています。自分自身の納得感を起点に選んだ道だからこそ、覚悟を持って進めている実感があります。

――経営判断の軸について教えてください。

やはり自分が本当に良いと思えるかどうかが一番大事です。売れるかどうかやトレンドに流されるのではなく、自分が納得できるものだけを扱いたい。その判断は簡単ではありませんが、その分だけやりがいも大きいと感じています。

迷ったときほど、自分の感覚に立ち返るようにしていますし、その積み重ねが結果としてブレない経営につながっていくと考えています。

共感がすべてを動かす──組織づくりの考え方

――組織運営で大切にしていることは何ですか。

会社としての考え方に共感してもらうことが何より大事です。同じ方向を向いていないと、一緒に進むことは難しいと感じています。人数の多さよりも、価値観の一致のほうが重要だと捉えています。共通の前提があることで判断のズレも少なくなり、結果的にスピード感を持って動ける組織になるはずです。

――そのために意識していることはありますか。

未来像をしっかり示すことです。今は夢物語のように見える部分もあるかもしれませんが、目指すゴールを明確にすることで共感につながると考えています。ゴールは変わることもありますが、方向性が見えていることで安心して進めるはずです。言葉で伝え続けることも大切ですし、繰り返し共有することで少しずつ浸透していくものだと思っています。

――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。

まだ正しく評価されていないものの価値を信じ、それを世の中に広げていける人ですね。私たちの仕事は、単に商品を売ることではなく、まだ知られていない価値を伝え、市場の認識そのものを変えていくことだと思っています。だからこそ、固定観念にとらわれず、新しい可能性に前向きに向き合える人と一緒に進みたいです。加えて、自分が感じた価値を自分の言葉で伝えられる人であれば、この仕事の面白さもより共有できると考えています。 

ベトナム産コーヒーの価値を変える──未来への挑戦

――今後の展望について教えてください。

ベトナム産コーヒーは、日本では輸入量としては多いのですが、原料としての扱いが中心で、評価が低いのが現状です。現地パートナーとの連携を通じて、高品質なロブスタやスペシャルティ領域のコーヒーに触れる中で、従来の日本市場のイメージとのギャップを強く感じました。ただ実際には非常に品質の高いコーヒーも存在しています。それを日本市場に広め、他国のコーヒーと並ぶ存在にしていきたいと考えています。認識を変えていくこと自体が、大きな挑戦だと感じています。

――課題とその対応についてはどうお考えですか。

一番大きいのは固定概念です。ベトナム産というだけで評価されないケースが多い。これを変えるためには、実際に飲んでもらうしかないと思っています。一度体験してもらえれば印象は変わると感じているので、その機会を増やすことに注力しています。地道ではありますが、確実に前に進む方法だと考えています。

――経営において譲れない価値観はありますか。

価格競争ではなく、本当に価値あるものを適正に届けるブランドを目指しています。本当に自分が納得できるものだけを扱う。この姿勢を守ることが、結果としてブランドの価値にもつながると信じています。

家族と過ごす時間が支えになる──リフレッシュの源

――リフレッシュ方法について教えてください。

仕事を続ける上で休むことも大事ですが、やはり家族との時間が一番の支えです。その時間を大切にすることで気持ちが整い、日々の判断にも良い影響が出てきます。忙しい中でも意識して時間をつくるようにしています。

日常から少し離れて過ごす時間があることで、新しい視点で仕事に向き合えるようになります。仕事だけに偏らず、自分の軸を保つためにも欠かせない時間です。

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