中学受験PREXが挑む新しい受験教育――国語特化で育てる“将来につながる力”
中学受験PREX 代表/塾長 渋田 隆之氏
中学受験PREXは、石川町駅近くで国語に特化した指導を行う少人数制の中学受験塾です。大手進学塾で30年以上にわたり指導と経営に携わってきた渋田氏は、「最低限の費用と科目で挑戦できる中学受験」を掲げ独立しました。表面的な受験対策ではなく、将来につながる“真の学び”を重視する背景には、教育現場を長年見続けてきたからこその問題意識があります。本記事では、塾長である渋田氏に、事業の特徴や教育への思い、今後の展望について伺いました。
国語特化で挑む“新しい中学受験”のかたち
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
現在は、中学受験の国語専門塾を運営しています。
前職では神奈川の大手塾で30年間勤務し、授業だけではなく組織運営に携わってきました。
その中で感じていたのが、中学受験にかかる負担の大きさです。低学年から長時間通塾し、多額の費用をかけることが当たり前になっている状況に違和感がありました。
だからこそ、最低限の科目と費用で挑戦できる形を作れないかと考え、独立を決めました。現在は国語に特化し、少人数で指導しています。
――国語専門塾として展開する理由を教えてください。
国語は、すべての学びの土台になる教科だと感じています。
最近では英検を活用する中学受験も増えていますが、英語を理解するにも日本語力が必要です。単語の意味を正しく理解できなければ、本質的な学力にはつながりません。
また、長く受験指導をしてきた中で、国語力が伸びることで他教科にも良い影響が出る場面を数多く見てきました。
単に受験テクニックを教えるのではなく、将来につながる学びを提供したいという思いがあります。
――他塾にはない強みはどのような部分にありますか?
現在はワンオペで運営しており、最初から最後まで自分一人で指導しています。
長年、大手塾で採用や組織運営に携わる中で、講師の離職率やサービス品質の難しさを感じてきました。その経験から、「自分で責任を持って教えることが一番確実だ」と考えたんです。
ありがたいことに、東京や千葉、静岡だけでなく、季節講座については大阪や福岡から受講してくださる生徒もいます。
オンラインが主流になりつつある時代だからこそ、保護者の方々は対面ならではの人とのつながりや空気感を求めているのだと感じています。
52歳での独立――ゼロから始めた新たな挑戦
――独立を決意されたきっかけを教えてください。
一番大きかったのは、「人生は一度きりだ」という思いです。
長年同じ業界にいると、どうしても毎年同じサイクルになっていきます。もちろんやりがいはありましたが、自分自身も新しい挑戦をしたいと感じるようになりました。
子供たちには「変化を恐れず挑戦しよう」と伝えているのに、自分は安全な場所に居続けている。その矛盾に気づいた時、52歳で一歩踏み出そうと決めました。
――起業当初はどのように事業を立ち上げたのでしょうか?
退職時点では、今の塾をやると決めていたわけではありません。次の職も決めずに辞め、ゼロから考え始めました。
たまたま今のテナントを見つけ、「ここで何かやってみよう」と思ったんです。
そこから合同会社を1週間で立ち上げ、ホームページも自作しました。椅子や冷蔵庫は中古品を集め、できるだけ自分で動きながら準備を進めました。
大変でしたが、不思議と楽しかったですね。全部が冒険でした。
“個別最適化”を軸にした教育理念
――教育において大切にしている考え方を教えてください。
大切にしているのは「個別最適化」です。
ただ成績を伸ばすだけではなく、その子の将来まで見据えて進路指導や学校選びを行うことを意識しています。
一人ひとりに必要な教材や学び方は違いますし、精神的な成長も含めて支えていくことが教育だと思っています。
「一人ひとりを大切にする」という言葉は簡単ですが、本当に実践するには細かな部分まで向き合う必要があると感じています。
――学校との関わりの中で感じていることはありますか?
現在は幾つかの学校のコンサルティングにも関わっております。その中で感じるのは、学校も時代に合わせて大きく変化しているということです。私は学校を「受験で戦う相手」ではなく、「一緒に子供を育てる仲間」だと思っています。
保護者の方が持つ昔の学校像とは違う部分も多いため、現場で得た情報をしっかり共有していく必要があると感じています。
――生徒たちと向き合う中で印象的だったことを教えてください。
長く通っている生徒には、スポーツや習い事を本気で頑張っている子が多いですね。
バスケットやダンス、サッカーなどに打ち込みながら受験にも挑戦している。そういう子たちは根性があります。実際に、Bリーグ選手になった卒業生や、オリンピックを目指している子もいます。
中学受験がゴールではなく、その先に夢がある子は強いんです。親に言われて受験するのではなく、自分の意思で努力している子たちは、短期間でも驚くほど成長します。
人との“ご縁”が広げる塾の可能性
――経営において大切にしている価値観は何ですか?
経営で一番大切にしているのは「ご縁」です。
卒業生が、合格した私立中学校の入学式後に顔を見せに来てくれことがありますが、その際、「来年は弟も通います」と伝えてくださって、人と人とのつながりの大切さを改めて感じました。
帰国子女や遠方の生徒も多く、紹介をきっかけに入塾されるケースも少なくありません。目の前の生徒や保護者に真摯に向き合うことが、次のご縁につながっているのだと思います。
――現在感じている課題について教えてください。
今後の課題として考えているのは、「人との関わりをどう広げていくか」という部分です。
2年後には教え子たちが大学生になるので、将来的には手伝ってもらえたら面白いなと思っています。憧れの学校へ進学した先輩から学べる環境は、子供たちにとって大きな刺激になるはずです。
また、異業種の方とのコラボレーションも大切にしていて、講演や研修などを依頼されることも増えてきました。
“タイパ”や”コスパ”が重視される時代だからこそ、「人を応援することで自分にも返ってくる」という感覚を、子供たちに伝えていきたいと考えています。
――今後挑戦していきたいことはありますか?
海外の教育について、改めて学び直したいと考えています。これまで60カ国200都市ほど訪れてきましたが、国によって教育の考え方は全く違います。
現地に行かないと分からないことも多いので、日本の教育のあり方を、もっと広い視点から発信できる存在になれたらと思っています。
海外で得る刺激とリフレッシュ
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
休みが取れた時は、海外旅行へ行くようにしています。普段と違う文化や価値観に触れることで、頭がリセットされる感覚があります。
以前は毎年フルマラソンにも出場していました。体が資本なので、健康には気を使っています。ただ、やりすぎてしまう性格でもあるので、今は少しセーブしていますね。
サウナやマッサージに行ったり、外へ出たりしながら、また次の挑戦に向けて気持ちを整えています。