海外渡航の夢を保険で支える。持病や高齢を理由に諦めない社会を目指して

株式会社ウィズハート 代表取締役 木代晃輔氏

大手損害保険会社での商品開発経験を経て、26歳で独立。保険業界に特化したWeb制作事業と、自社での保険代理店事業を両立させる異色の経営者です。特に、従来のネット保険では加入が難しかった「持病がある方」や「高齢の方」向けの海外旅行保険に注力し、多くの人々の夢を形にしています。「加入者がどんな思いで保険を検討しているのか」という顧客の心情に寄り添い続ける木代氏に、これまでの歩みと組織運営、そして未来への展望を伺いました。

「保険の知識」×「Web制作」の掛け合わせで、業界の課題を解決する

――まずは、株式会社ウィズハートの事業内容と、起業のきっかけを教えてください。

現在は、大きく分けて2つの事業を展開しています。1つは保険代理店としての保険販売、もう1つは保険業界に特化したWeb制作事業です。この2つは私の中で密接にリンクしており、どちらも「保険業界をより良くしたい」という思いが根底にあります。

起業のきっかけは、新卒で入社した共栄火災海上保険での経験です。商品開発部門に2年間所属し、金融庁向けの書類作成や募集文書のルールなど、業界の専門知識を徹底的に叩き込まれました。当時、趣味でウェブサイト制作を行っていたのですが、26歳で退職を決めた際、「この専門知識とWebのスキルを掛け合わせれば、何か新しい価値が生み出せるのではないか」と考えたのが始まりです。当時はまだホームページを作れる人が少なく、知り合いの代理店さんから相談をいただくうちに、自然とビジネスとして形になっていきました。

――独立から5年目には、自社でも保険販売をスタートされていますね。

Web制作を通じてノウハウが蓄積される中で、自社でもWebを活用した保険販売に挑戦したいと考えるようになりました。そこで注目したのが、海外旅行保険です。特に、ネットで完結する利便性の裏側で、特定の事情により「保険に入りたくても入れない」という方々が取り残されている現状を目の当たりにし、そこに私たちの使命があると感じました。

夢を支える保険の力。持病を抱える若者の留学を支えた瞬間

――特に力を入れている「持病がある方向けの海外旅行保険」には、強い思いがあるとお聞きしました。印象的なエピソードはありますか?

最も心に深く残っているのは、遺伝性の糖尿病を患っていた高校生のお子さんを持つご両親からのご相談です。そのお子さんは、海外の大学で勉強したいという長年の夢を持っていました。しかし、留学先からは保険加入が必須条件として提示されており、ネットでいくら探しても「持病」を理由に断られ続けていたのです。

ご両親は「自分の遺伝のせいで、子供の夢を諦めさせなければならないのか」と、自分たちを責め、絶望に近い状態でした。必死の思いで弊社にたどり着かれ、私はあらゆる可能性を模索しました。最終的に交渉の末、加入可能な保険を見つけ出すことができ、ご案内したところ、本当に涙を流さんばかりに喜んでいただけたのです。

保険は万が一に備えるものですが、この時は「夢の後押し」になったのだと実感しました。世の中には、病気や年齢を理由に夢を諦めかけている人がまだたくさんいます。そうした「困っている人」に正しい情報を届け、力になれることこそが、この仕事を続けていく上での最大のモチベーションになっています。

共感力が組織を強くする。ユーザーの「心情」を形にするコミュニケーション

――組織の運営において、社員やスタッフの方々との関係性で大切にしていることは何でしょうか。

弊社のスタッフは、デザイナーやプログラマー、ライターなど、それぞれの分野のプロフェッショナルですが、彼らに常に伝えているのは「エンドユーザーの心情を想像してほしい」ということです。

私が指示を出す際も、単に「こういう機能を作ってくれ」と言うのではなく、「お客様はこういう背景で、こんな不安を抱えてこのページを見に来る。だから、こういう安心感を与えるデザインや文章が必要なんだ」という「背景と思いの部分」を丁寧に共有するようにしています。

――一緒に働きたい方はどのようなかたでしょうか。

共感力のある方ですね。お客様が画面の向こうでどう感じるか。その推測と共感があれば、仕事の細部に丁寧さが宿ります。現在は在宅のスタッフも多いため、コミュニケーションはメールがベースですが、意識的にZoomや電話で対話する時間を作り、価値観のすり合わせを行うようにしています。

海外旅行保険の常識を変え、誰もが安心して挑戦できる社会へ

――今後の展望についてお聞かせください。

日本は今後さらに高齢化が進みますが、年齢を重ねても元気に海外へ行く方、60代で留学に挑戦する方などは確実に増えていきます。しかし、保険インフラはまだその変化に追いついておらず、不十分な点が多いと感じています。良い商品とお客様をもっと繋いでいけるようにしていきたいです。

今後は、ホームページだけでなくSNSやYouTubeなども活用し、困っている方へ確実に情報を届けられる仕組みを強化していきたいと考えています。また、一代理店の枠を超えて、現場で吸い上げたニーズを保険会社側にも共有し、より適切な商品開発を促すような働きかけもしていきたいですね。「海外旅行保険で悩む人をゼロにする」というのが、私の大きな目標です。

運動することが良いリフレッシュ

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

デスクワーク中心の生活ですので、運動が一番のリフレッシュです。昔から続けているバスケットボールやジムでの筋トレを通じて血流を良くすることで、頭を切り替えています。経営は中長期のマラソンのようなものですから、短期的に無理をして疲弊するのではなく、健康維持をしながら、常に高いパフォーマンスを発揮できる循環を大切にしています。

――読者の方へメッセージをお願いいたします。

海外へ行くという夢や挑戦を、保険が壁になって止めてしまうことがあってはなりません。もし「持病があるから」「年齢が高いから」と諦めかけている方がいれば、まずは相談してください。「必ず道はある」と信じて、私たちはこれからも皆様の挑戦を支え続けます。

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