食を通じて世界とつながる経営哲学

The Infinity株式会社 代表取締役 福田 竜也氏

The Infinity株式会社は、ラーメンを主としたヴィーガン食レストランを運営する飲食会社です。インバウンドに特化した店舗づくりを行い、来店客のほとんどが外国人という環境の中で、ヴィーガンやグルテンフリー、アレルギーにも配慮した食事を提供しています。代表の福田竜也氏は、学生時代から割烹料理店で働き、海外で長く生活してきた経験を持ちます。その経験を生かし、日本を訪れる旅行者が安心して食事を楽しめる場所づくりに取り組んでいます。本記事では、今後の展望を含めお話を伺いました。

インバウンド特化の飲食戦略

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

事業内容は飲食業です。現在は、ラーメンを主とした和食レストランを運営しています。特徴としては、インバウンドに特化している点が大きいです。お客様はほぼ100%外国人がメインになっています。

そのため、ホームページやメニューなども英語に配慮しています。ヴィーガンやグルテンフリーのラーメンを提供しており、アレルギーにも対応しています。せっかく日本に来たのに、食べられる場所がないという方にご利用いただきたい思いがあります。日本では、アレルギーや食の制限に対して、曖昧な対応になってしまったり、お客様との意思疎通がうまくできずに誤解が生まれたりすることもあります。そうした会話の誤解をできるだけ減らし、外国の方々に安心して食事ができる空間をつくることを大切にしています。

直感と経験で築く経営の形

――飲食の道に進まれたきっかけや、海外のお客様に目を向けた理由を教えてください。

もともと高校の頃から、大学に入る前まで割烹料理店にいました。それが飲食の道に進んだ大きなきっかけです。

その後、大学を卒業してすぐにオーストラリアへ行き、30歳まで海外で過ごしていました。海外生活が長かったこともあり、日本ではあまりない英語の壁という部分はすでにクリアできていました。日本にいると、そうした英語を使う機会は多くありませんが、自分が仕事をしやすい環境を考えたときに、海外で経験してきた環境をそのまま日本でつくればいいと考えました。

現在、スタッフもほとんどが外国人です。主要メンバーは日本人で構成していますが、アルバイトスタッフは外国人が多く、英語が公用語のような環境になっています。

――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。

私自身が一番に楽しむということです。私は直感で「これ楽しそうだな!」で、すぐ動きます。そうすると、スタッフも私が楽しそうなので、嫌がらずにやってくれます。私がやりたくないなーって思っていることは、きっとスタッフもやりたくないことだと思っています。コロナの時は、お店を潰さないために、退職させないように、経営的にやらざるを得ないことがありました。お店を持っているにも関わらず、百貨店の催事に出向いて販売をしました。飲食店としてのあり方を考え、今はそれらを全部やめました。

即断即決で回る現場力

――組織運営で意識していることを教えてください。

多様な文化を持つスタッフと働く上では、分かりやすさを大切にしています。また、誰がやっても同じ形になるように、マニュアルづくりを徹底しています。それを英語などで落とし込むことで、再現性のある運営を目指しています。

主要のスタッフとはミーティングや、ほぼ毎日のようにLINEグループの中で、今日の状況はどうかのやり取りを行っています。

――スタッフ同士の交流の機会として、取り組まれていることはありますか?

クリスマスパーティーなどを開催しています。当社では現在4店舗を運営していますが、店舗の中には80席ほどある大きな店もあり、そこでパーティーをすることもあります。海外から日本に一人で来ている子も多いので、職場を通じて友達ができ、楽しく過ごしてくれたらいいなと思っています。

――社員に求める姿勢はどのようなものですか。

スピード感です。アルバイトでも経営陣でも同じで、やると決めたらすぐに動けることを重視しています。

飲食業では、何かトラブルが起きたときに、その場で解決しなければならない場面が多くあります。だからこそ、即断即決できることは重要です。面接に来た方に対しても、早ければ明日から来てもいいという形で受け入れることがあります。特に留学生や、すぐに働きたい方にとっては、早く働き始められる環境が必要な場合もあります。人材が育つまでには1〜2カ月ほどかかるため、そこは投資として考えながら、人を確保し、教育していくことを大切にしています。

海外出店で描く次の成長

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

現在、オーストラリアにも店舗がありますが、今後も、ラーメン事業で海外出店をさらに進めていきたいと考えています。海外で自社出店をする場合、国によって人の管理や法律が異なり、難しさもあります。そのため、投資家や海外出店に関心のある方とタッグを組みながら進めていく形を計画しています。実際に、先日もオーストラリアへラーメンを作りに行きました。現地で大きな企業から声をかけてもらったこともあり、そうした企業とつながることで、海外展開を進めやすくなる可能性も感じています。

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

海外旅行や子どもと遊ぶことが多いです。毎月どこか海外へ行っており、家族で行くこともあれば、スタッフと出張を兼ねて海外視察に行くこともあります。インバウンドビジネスでは、相手は旅行客です。だからこそ、自分自身が旅行をしないと、旅行者が感じる不便さや感情は分からないと思っています。海外で何が不便なのか、なぜその文化があるのかを知ることで、それをビジネスに落とし込むことができます。これからも、海外で得た感覚を生かしながら、食を通じて世界とつながる店舗づくりに挑戦していきます。

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