地域とともに歩み続ける――有限会社藤尾が描く持続可能な未来への挑戦
有限会社藤尾 代表取締役 松葉 友輝氏
有限会社藤尾は、昭和52年の創業以来、地域に根ざした廃棄物処理事業を展開してきた企業です。企業だけでなく一般家庭からの依頼にも対応し、長年にわたり地域社会の環境維持に貢献してきました。地域密着型の姿勢を大切にしながら、環境への取り組みや新たな挑戦も進めています。本記事では、代表取締役の松葉友輝氏に、事業への想いや今後の展望について伺いました。
地域に根ざした廃棄物処理事業と環境への取り組み
――現在の事業内容について教えてください。
当社では、企業からの依頼だけでなく、一般家庭からのご相談にも対応しながら、幅広く廃棄物処理事業を行っています。産業廃棄物という枠だけではなく、一般廃棄物も含めて「廃棄物処理」という形で地域の皆様に関わらせていただいています。
創業以来、地元で長く事業を続けてきたこともあり、地域の事業所様や個人のお客様から信頼をいただきながら、今日まで続けてくることができました。地域の方から「藤尾さん」と声をかけていただけるような、地域密着型の企業でありたいと思っています。
また、地域社会への貢献活動として、海岸漂着物の回収清掃や観光地清掃などにも継続的に取り組んでいます。年に数回ほど地域清掃活動を行っており、単に廃棄物を処理するだけでなく、地域環境そのものを守る意識を大切にしています。
――御社ならではの強みについて教えてください。
地元では長い歴史を持つ会社ということもあり、長年積み重ねてきた信頼が一番の強みだと感じています。また、地元で唯一「優良産廃処理業者」の認定を受けている点や、「エコアクション21」の認証登録を取得している点も、当社の特徴の一つです。
もちろん全国的に見れば珍しいことではないかもしれませんが、この地域の中で環境への取り組みを積極的に行ってきたことは、当社ならではのカラーだと思っています。
時代が変わる中で、業界を取り巻く環境も厳しくなっています。その中で、他社との差別化という意味でも、「藤尾らしさ」をしっかり打ち出していきたいと考えています。地域に寄り添い、地元に貢献できる企業であり続けることが、これからも大切なテーマです。
会社を未来へつなぐという使命
――この業界に進まれたきっかけを教えてください。
もともとはガソリンスタンドで10年ほど働いていました。実はこの業界に強い憧れがあって入ったわけではないんです。
当社は、私から見ると叔父と叔母にあたる方が立ち上げた会社でした。しかし後継者の問題もあり、「このまま会社を畳むしかないかもしれない」という時期があったんです。ちょうどそのタイミングで、私が勤めていたガソリンスタンドも閉店することになりました。
小さい頃から可愛がってもらっていた叔父と叔母のために、自分にできることはないかと思ったことが、この会社に入ったきっかけです。最初から高い志を持っていたというよりは、「会社を残したい」という想いが大きかったですね。
人が生活していく以上、廃棄物処理という仕事は必要不可欠な業種です。この会社を次世代へつないでいくことが、自分の役目だと思いながら取り組んでいます。
地域密着だからこそ見える未来
――今後のビジョンについて教えてください。
現在、日本全国で人口減少が進んでいますが、地方では特にその影響が大きくなっています。人口が減れば、当然ながら地域の仕事量や売上にも影響が出てきます。一方で、物価高や人件費の上昇など、企業を取り巻く環境は年々厳しくなっています。
だからこそ、地域とお客様に寄り添う姿勢が、これまで以上に重要になると感じています。地方では、仕事だけの関係では終わらず、地域活動や日常生活の中でもお客様と関わることが多くあります。そうしたつながりを大切にしながら、地域密着をさらに深めていきたいと思っています。
また現在、新たな環境関連の取り組みも検討しています。地域に多く存在する竹林を有効活用できないかという挑戦で、試行錯誤を進めています。
放置竹林は全国的な課題でもあり、環境面や鳥獣被害などさまざまな問題につながっています。適切に管理しながら資源として活用できれば、持続可能な社会づくりにもつながるのではないかと考えています。
これまでの廃棄物処理業界は、「埋め立てる」「焼却する」というイメージが強かったと思います。しかし今は、リサイクルや再利用の考え方が求められる時代です。SDGsという考え方も含めて、廃棄物処理の先にある循環型社会を意識しながら、新しい可能性を模索していきたいと思っています。
主体性を育てる組織づくり
――社内コミュニケーションで大切にされていることは何でしょうか。
当社では、従業員が主体的に動ける環境づくりを大切にしています。上から「これをやってください」と指示を待つだけでは、人としても仕事人としても成長できないと思うんです。
事務所のスタッフも現場作業員も、それぞれが意見を出し合いながら、より良い形をつくっていける組織にしたいと考えています。自分で考え、「今は何を優先すべきか」を判断しながら行動できる人材になってほしいですね。
以前勤めていたガソリンスタンドの社長から、「あなたが経営者だったらどうする?」と問いかけられたことがありました。当時は大きなプレッシャーに感じましたが、今はその言葉の意味がよく分かります。
従業員一人ひとりが“経営者意識”を持って仕事に向き合うことが、これからの時代には必要だと思っています。
また、福利厚生や資格取得支援などにも力を入れており、働きやすい職場づくりにも取り組んでいます。社員が安心して長く働ける環境を整えながら、それぞれが自立して成長できる会社にしていきたいですね。