助成金活用で中小企業の成長を後押し――KIZASHIリスキリング社会保険労務士法人の挑戦
KIZASHIリスキリング社会保険労務士法人 代表社員 米倉 徹雄氏
中小企業の成長を支える手段として注目される「助成金」。しかし制度の複雑さから活用を断念する企業も少なくありません。KIZASHIリスキリング社会保険労務士法人は、助成金申請を軸に労務支援を組み合わせることで、企業の持続的な成長を後押ししています。本記事では、代表社員の米倉徹雄氏に事業の特徴や創業の背景、今後の展望について伺いました。
助成金申請を軸に据えた独自の支援体制
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
当法人は社会保険労務士法人として、労務に関する幅広い業務に対応しています。その中でも特に注力しているのが助成金の申請業務です。
助成金は補助金と異なり、要件を満たせば原則受給できる制度ですが、申請手続きが非常に複雑です。そこで、正確な手続きを通じて確実に受給へと導く支援を行っています。
中でも「人材開発支援助成金」を中心に、中小企業が研修を実施する際の費用支援に力を入れています。企業が人材育成に投資しやすい環境を整えることが、私たちの重要な役割です。
――他の業務との関係性についても教えてください。
助成金申請と労務顧問業務は切り離して考えていません。助成金の受給には、労務管理が法令に準拠していることが前提となるため、就業規則の整備や労務体制の見直しも同時に支援しています。
逆に、労務顧問として関わる中で活用できる助成金をご提案することもあります。両者を相互に補完する形でサービスを展開している点が特徴です。
人材成長への想いが原点となった創業
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
日本を支えているのは中小企業だと考えています。その中小企業が成長するために最も重要なのは「人の成長」です。しかし、研修の必要性を理解していても、費用面や申請の煩雑さから実施を断念する企業が多く見受けられました。
そこで、人材育成に関する助成金の専門性を高めることで、企業が安心して教育投資できる環境をつくりたいと考え、法人を設立しました。
――現在の組織体制について教えてください。
現在は5名体制で運営しています。営業担当が2名、申請書作成などを担うオペレーション担当が2名という構成です。営業担当も単なる提案だけでなく、助成金申請の設計まで行うため、実務理解が求められる体制になっています。
制度の複雑さに挑み、専門性を磨き続ける
――今後の展望についてお聞かせください。
助成金制度は年々複雑化し、審査も厳格化しています。その一方で、制度が分かりにくいという理由で活用を見送る企業も多く、非常にもったいないと感じています。今後は申請代行にとどまらず、資金支援・労務管理・職場環境整備を一体で支援していきたいと考えています。
また、AIなどのテクノロジーも活用し、定型業務の効率化を進めることで、人にしかできない相談対応や課題解決により多くのリソースを割いていく方針です。
――現在の課題について教えてください。
大きな課題は、助成金申請に関するノウハウの蓄積と共有です。制度改定が頻繁に行われるため、情報を迅速にキャッチアップし、社内で共有する仕組みづくりが求められます。その一環として、制度改定を自動で検知する仕組みを取り入れるなど、改善を進めています。
多様な価値観に触れることで広がる視野
――リフレッシュ方法について教えてください。
休日は副業として試験監督やイベント運営のサポートを行うことがあります。さまざまな立場の人と接することで、多様な価値観に触れられる点が大きな学びになっています。経営者としての視点だけでなく、働く側の感覚を忘れないためにも重要な時間です。
また、「TikTok」でのライブ配信コミュニティに参加するなど、オンライン上でも多様な人々との交流を楽しんでいます。加えて、ランニングなどで体を動かすこともリフレッシュにつながっています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
助成金という制度の存在を、まず知っていただきたいです。知らないことで活用できるはずの支援を逃してしまうのは非常にもったいないことです。制度は複雑ですが、専門家に依頼することでスムーズかつ確実に進めることができます。
中小企業が成長するためには、人材への投資が欠かせません。助成金を活用することで、その一歩が踏み出しやすくなります。外部の専門家の力も活用しながら、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと考えています。