“初めてのものづくり”に寄り添う伴走者――きつつき工房が支える挑戦のかたち
株式会社きつつき工房 代表取締役 青嶋 晋平氏
株式会社きつつき工房は、バッグを中心とした企画製造を手がけるOEMメーカーです。もともとはネット広告事業からスタートし、現在はバッグ類全般の企画開発メーカーへと事業の軸を移してきました。特徴は、単なる製造受託にとどまらず、資金調達、販路開拓、販売支援、在庫管理まで含め、初めてものづくりに挑戦する人を総合的に支える体制にあります。本記事では、代表の青嶋晋平氏に、事業への想い、経営観、今後の展望について伺いました。
目次
誰もが挑戦できるものづくりの環境をつくる
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社はバッグ類を中心とした企画製造、いわゆるOEM事業を行っています。もともとはネット広告会社として創業し、プロモーション全般における企画設計(広告やデザインなど) やECサイト構築などを手がけていましたが、ネットで商品を販売したいという相談を受ける中で、商品化に関わる機会が増え、現在のものづくり事業が主力になりました。
特徴は、初めてものづくりに挑戦する方でも不安なくスタートできる仕組みを整えていることです。一般的なOEMでは大きなロットが必要なケースも多い中、当社では10個からの小ロット生産に対応しています。また、補助金や資金調達の支援、EC立ち上げや販売促進、販路開拓、検品・梱包・在庫管理まで、ワンパッケージで支援しています。
さらに、「全量買戻し保証サービス」という新たな取り組みも進めています。売れ残りリスクへの不安を減らし、より安心して挑戦できる環境を整えることも、当社の役割だと考えています。
参考:https://kitutuki-kobo.co.jp/buyback/
――理念やビジョンに込めた想いを教えてください。
理念はシンプルで、「誰もがものづくりに挑戦できる世界にする」ということです。これは単なるスローガンではなく、現在のサービスはすべてこの考えから生まれています。
経験がない、資金がない、何から始めていいかわからない。そうした理由で挑戦を諦めてしまう人がいるなら、その障壁を取り除くことが自分たちの役割だと考えています。
経験から生まれた経営観と「正直」である姿勢
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
中学校卒業後、営業や販売の仕事に入り、働くことの面白さに魅力を感じたのが原点です。18歳で最初の会社を立ち上げましたが、経験不足から失敗も経験しました。その後、苦しい時期も経て、現在の株式会社きつつき工房を立ち上げています。
もともと今の事業を目指して始めたわけではなく、顧客の声に導かれてOEMメーカーに主軸を置くようになりました。
――経営で大切にしている価値観は何でしょうか。
「正直であること」です。お客様に対しても、自分自身に対しても正直であることだけは譲れません。それをやめるくらいなら、経営もやめようと思うほどです。
また、利益率や採算だけで物事を判断するより、目の前のお客様が求めていることにどう応えるかを考えることを重視しています。お客様から求められたことに対して答えを探し、それをサービスとして形にしていく。その積み重ねで今の事業があります。
言葉にならない意図をくみ取る組織づくり
――社内コミュニケーションで大切にしていることは何ですか。
言葉で語り切れない部分を補完することです。データや数字ももちろん大切ですが、それだけでは拾えない感覚や意図があると考えています。
例えば提案一つとっても、「なぜこの案なのか」「なぜこうしたいと思ったのか」という背景まで理解しようとすることを重視しています。数字だけで正解を出すのではなく、言葉にならない想いや感覚を察知する時間を取ることが、組織としての強みにつながっていると思います。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
現時点で内部人材を増やす考えは大きくありませんが、クラウドワーカーなど外部の協力者と関わる際には、技術や経験以上に、お客様にどんな価値を届けたいかという考え方を重視しています。
「こういう商品を届けたい」という想いに対して、どんな言葉や考えが返ってくるか。そこに、その人の本質が表れると感じています。
挑戦者の受け皿として、サービスを進化させる
――今後取り組みたい挑戦について教えてください。
これからも「初めて挑戦する人」の受け皿であり続けたいと考えています。他社で断られてきた方々が、実は大きな可能性を持っていることを数多く見てきました。
実際に、他社で断られていた方が当社で商品化し、大きな成果につながった事例もあるといいます。そうした経験から、これから挑戦したい人をさらに支援するため、サービスを強化していきたいと考えています。
今後も、お客様の困りごとから新しいサービスを生み出していく姿勢は変わりません。小ロット対応も、資金調達支援も、全量買戻し保証サービスも、すべてお客様の声から生まれたものです。これからも、声を聞きながら必要な支援を増やしていく方針です。
――今後の課題にはどう向き合っていきますか。
課題は自分たちだけで考えるものではなく、お客様との関わりの中で見えてくるものだと思っています。だからこそ、ものを作って終わりではなく、事業を一緒にスタートしていく姿勢で長く伴走していきたい。
今後も、お客様の声を聞き、その声をサービスメニューに変えていく。それを繰り返していくことで、より挑戦しやすい環境をつくっていけると考えています。
家族との時間と静かな時間が思考を整える
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
大きく二つあります。一つは娘と過ごす時間です。一緒に遊ぶことが何よりのリフレッシュになっています。
もう一つは神社巡りです。御朱印をいただいたり、静かな場所で過ごしたりする時間が、気持ちを整える時間になっています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
もし初めてブランドを立ち上げたい、商品を作りたいと思っていて、他社で断られてきた経験があるなら、一度相談してほしいと思います。
経験がないことを理由に挑戦の機会が失われるのは、非常にもったいないことです。作りたいものがあるなら、その想いには可能性があります。当社は、その挑戦に必要な製造、販売、在庫管理、資金調達まで含めて支えられる体制を整えています。
初めての挑戦だからこそ、不安なく一歩を踏み出せるように支えたい。そうした想いで、これからも挑戦する人の受け皿であり続けたいと考えています。