優しさと思いやりで社会を守る――ワードセキュリティが描く警備業の新たな可能性
株式会社ワードセキュリティ 代表取締役 平井 準氏
株式会社ワードセキュリティは、交通誘導警備を中心に、雑踏警備や駐車場警備などを手がける警備会社です。一方で、生活に悩みを抱える方々の就労支援にも力を注いでいます。その背景には、20年以上引きこもり状態だった方の社会復帰を支援した経験があります。「優しさと思いやりで社会を守る」という理念を掲げ、一人ひとりに寄り添いながら社会課題の解決にも向き合う平井準氏。本記事では、株式会社ワードセキュリティ設立の経緯や事業への想い、経営者として大切にしている価値観、そして今後の展望について伺いました。
目次
交通誘導警備から就労支援まで――ワードセキュリティならではの取り組み
――現在の事業内容について教えてください。
当社は交通誘導警備を中心に、雑踏警備や駐車場警備を手がけています。現在の主力は交通誘導です。
警備業界は比較的年齢層が高いと言われていますが、当社は平均年齢が50歳以下で、若い世代が多く活躍しています。働きやすい環境づくりにも力を入れており、夏場にはポロシャツを導入しました。業界ではまだ一般的とは言えませんが、少しでも快適な環境で働いてほしいという想いから取り入れたものです。
また、AI機材の導入も予定しています。他社がまだ取り組んでいないことにも積極的に挑戦しながら、より良い現場づくりを進めています。
――理念に込めた想いを教えてください。
「優しさと思いやりで社会を守る」という理念は、私自身の経験から生まれました。
以前勤めていた会社で、行政や支援団体から相談を受け、20年ほど引きこもっていた方を雇用したことがあったんです。最初は簡単な業務から始めてもらい、少しずつできることを増やしていく。その姿を見ながら、働くことが自立への大きな一歩になることを実感しました。
その経験をきっかけに、行政や支援機関とのつながりも広がっていきました。警備の仕事が社会的自立への入り口になれるのではないか。そう感じたことが、この理念につながっています。
現在も支援機関などから相談を受け、生活に悩みを抱える方々を受け入れています。警備という仕事を通じて、自立へのきっかけをつくり、一人でも多くの方が社会とのつながりを取り戻せる環境を提供していきたいですね。
社会課題との出会いが経営の原点に
――経営者になられたきっかけを教えてください。
警備業界で働いたのは約7年です。
もともと独立を目指していたわけではありません。以前勤めていた会社で、引きこもりだった方の就労支援に関わる中で、行政や支援機関とのつながりが少しずつ広がっていきました。
警備の仕事は危険を伴う場面もありますが、勤務日数を調整したり、比較的取り組みやすい業務から始めたりすることもできます。社会的自立を目指す方にとって、一つの入り口になれるのではないか。そう感じるようになったことが大きかったですね。
ちょうど人とのご縁やタイミングにも恵まれ、「それなら自分でやってみよう」と会社を立ち上げました。
――経営者として譲れない信念はありますか。
自分が良いと思ったことを貫くことです。
もちろん周囲の意見には耳を傾けますし、自分のためになることは素直に取り入れます。ただ、周りがどう言うかだけで判断を変えることはありません。
いろいろな意見や批判を受けることもありますが、大切なのは自分自身が納得できるかどうか。人に流されるのではなく、自分なりに正しいと信じた道を進むようにしています。
その考え方は、社名にも表れています。「ワード」には信条や想いという意味を込めました。また、ロゴに使っている記号には「他に属さない」という意味があります。
他がやっていないことに挑戦すること。そして周囲に流されず、自分が良いと思ったことを貫くこと。それがワードセキュリティらしさにつながっているのかもしれません。
四方良しを軸にした経営と組織づくり
――経営判断の軸になっている考え方を教えてください。
一言で言うと「四方良し」ですね。
会社、お客様、従業員、そして社会。そのすべてにとって良いものであるかを意識しています。
もちろん利益は大切です。ただ、それだけを追いかけても長くは続きません。従業員にしっかり還元できるのか、社会にとって意味のあることなのか、人として正しい選択なのか。そういった視点も含めて判断するようにしています。
誰か一人だけが得をする形では続かないと思うんです。だからこそ、できるだけ多くの人にとって良い結果になることを大切にしています。
――社内コミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
警備の仕事は現場ごとに動くため、毎日全員と顔を合わせられるわけではありません。
そのため、できる限り仕事終わりには電話で連絡を取るようにしています。現場で何があったのか、困っていることはないかを確認しています。
私には直接言いにくいこともあると思うので、そういう時は現場の隊長に間に入ってもらいながら話を聞くこともあります。
本人が何を考え、何を感じているのか。本音の部分を知ることは組織づくりに欠かせません。直接聞くだけでなく、さまざまな形で声を拾いながら、一人ひとりと向き合っていきたいですね。
自立支援の輪を広げる未来への挑戦
――今後の展望について教えてください。
必要としていただけるのであれば、今後は拠点を増やしていきたいと考えています。
最近は就労支援に関する相談が少し減っていますが、本来はもっと多くの方を受け入れたいんです。自立を目指す方々の受け皿を広げ、一人でも多くの方が社会とのつながりを持てる環境をつくっていきたいですね。
加えて、熱中症対策として新たな装備品の開発にも取り組んでいます。現場で働く警備員が、安全で快適に働ける環境づくりにも力を入れていきたいです。
――現在向き合っている課題は何でしょうか。
課題として感じているのは、人材の質の向上と安定した仕事量の確保です。
人材の育成はもちろんですが、継続して仕事を受注できる体制もつくっていかなければなりません。そのため営業活動にも力を入れています。
また、警備業だけでなく、遺品整理や生前整理、片付けといった事業にも取り組み始めました。新しい事業にも挑戦しながら、会社としての可能性を広げていきたいです。
――採用する際に重視していることを教えてください。
真面目さと素直さ、この二つです。
経験の有無よりも、まずは真面目に仕事へ向き合えること。そして、素直に学べることを重視しています。
真面目に取り組み、素直に学ぶ姿勢は、どんな仕事をするうえでも欠かせないものだと思います。
自宅で過ごすリフレッシュの時間
――休日はどのように過ごされていますか。
休日はお酒を飲みながらゲームをしたり、動画を見たりして過ごしています。家でゆっくりすることが多いですね。
あとは筋力トレーニングも続けています。ジムに通うのではなく、自宅で器具を使いながら体を動かしています。