遊びを仕事に、地域に人を呼び込む――MGNが仕掛ける“きっかけ”づくりの挑戦
株式会社MGN 代表取締役 桐山 淳一氏
アウトドアを軸に、地域に人を呼び込む事業を展開する株式会社MGN。キャンプ場やスキー場の運営に加え、電動アシスト自転車ツアーや各種イベントなど、多様な“遊び”を提供しています。その根底にあるのは、「人が集まるきっかけをつくる」という明確な思想。本記事では、代表取締役の桐山淳一氏に、事業の特徴や原点、今後の展望について伺いました。
遊びの場を創り出し、人が集まるきっかけをつくる
――現在の事業内容について教えてください。
主にキャンプ場やスキー場といったアウトドア施設の運営を行っています。加えて、電動アシスト自転車を使ったツアーや、季節ごとのイベントも手がけています。
簡単に言えば「イベント屋」のような形で、その時期に合った遊びを提供しています。
――御社ならではの強みやこだわりはどこにありますか。
今は遊ぶ場所自体が減ってきていると感じています。だからこそ、その“場所づくり”と“きっかけづくり”を大事にしています。スノーボードなどの経験も含めて、山に来て遊ぶきっかけをどう作るかを常に考えています。
まずは「ここに来てもらう」ことが重要で、そのためにさまざまなコンテンツを用意しています。
――地域への想いについても教えてください。
もともとこの場所はスキー場で、冬だけでも3万人から5万人ほどの来場者がありました。しかし閉鎖されたことで、その人の流れが途絶えてしまいました。そこで、この広い場所を活かして別の形で人を呼び込めないかと考えました。
減ってしまうはずだった来場者を、何とかこの場所に留めたい。その思いが地域貢献につながっています。
地元で育ち、遊び場を守るために経営の道へ
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
この場所は自分にとって昔からの遊び場でした。祖父が施設を運営していたこともあり、小さい頃からここで育っています。高校卒業後に戻ってきて、スキー場のインストラクターやパトロールとして働き始めました。
その後、怪我をきっかけに以前の仕事を離れることになり、ちょうど施設のオーナーが後継者を探していたタイミングと重なりました。
自然な流れで引き継ぐ形になり、経営に関わるようになりました。
――経営の判断軸となっている価値観は何でしょうか。
「遊び心」です。自分自身が遊びを仕事にしている感覚でやっています。お客様が何を求めているかを考えながら、「やりたい」という声があれば柔軟に取り入れる。まだ小さな会社だからこそ、その軽さを活かしています。
ただし、軸として外せないのは「遊び場を作ること」です。遊べる場所が減っている時代だからこそ、あえてそこに挑戦しています。
少人数組織で生まれる柔軟なチームワーク
――組織運営で意識していることを教えてください。
現在は少人数体制で運営しており、自分が先頭に立って動くタイプです。メンバーにはその後をフォローしてもらう形ですね。ただし意見は自由に言える環境で、「こっちの方がいいのでは」といった声も積極的に出てきます。
――社員との関係性についてはいかがでしょうか。
地元のメンバーが中心なので、同じ方向を向きやすい環境です。地域を守りたいという思いも共有されています。
また、人材育成では自分が直接教えるのではなく、間に別のメンバーを挟む形を取っています。教える側も成長しますし、結果として組織全体の力が底上げされます。失敗も含めて経験させることが大切だと考えています。
四季を通じた新たな挑戦と課題
――今後の展望について教えてください。
新たな取り組みとして、近隣エリアでサップ(スタンドアップパドルボード)やテントサウナの導入を進めています。すでに準備は進んでおり、季節に合わせて展開していく予定です。
これまで冬がメインでしたが、年間を通して楽しめるコンテンツを増やしたいと考えています。春や秋にも遊べる仕組みを作ることが今後の課題です。
――現在の課題はどのような点にありますか。
やりたいことはたくさんありますが、それを実現するための費用が大きな壁です。新しい施設やコンテンツを作るには投資が必要で、そこが一番の課題です。収益を積み上げながら、次の展開につなげていくサイクルを回していきたいと考えています。
自然の中で“遊ぶ価値”を社会へ
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
今、多くの企業が従業員のことを考えた取り組みをしています。その中で、自然の中で過ごす時間を提供できる場所として、この施設を活用してもらいたいと考えています。
都会の企業が、福利厚生の一環として自然体験を取り入れる場として使ってもらえれば嬉しいです。川遊びやアウトドア体験など、普段できないことを提供できます。
大人になると、しっかり遊ぶ機会は意外と少ないものです。だからこそ、意識的にそうした時間を作ることが大切だと思っています。ここに来ることで新しい発見やリフレッシュにつながる、そんな場所であり続けたいです。