AI時代を見据え、社会を変えるプロダクトを創る――株式会社ジードが描く未来戦略
株式会社ジード 代表取締役 武田 文夫氏
株式会社ジードは、クラウド運用、システム開発、Webマーケティングを基盤に、自社プロダクトの開発・提供を行う企業です。インターネット黎明期から技術と向き合い続けてきた武田文夫氏は、「インターネットとAIで社会を変える」という想いを軸に、現在も新たな挑戦を続けています。AI技術が急速に進化する今、どのような視点で未来を見据え、組織づくりやプロダクト開発に取り組んでいるのか。本記事では、株式会社ジードの強みや経営哲学、今後の展望について伺いました。
目次
社会を変えるプロダクトを生み出すために必要な基盤づくり
――25年にわたり培ってこられたノウハウや、御社の強みについて教えてください。
当社は、オリジナルのプロダクト開発を通じて社会に新しい価値を提供したいという想いで事業を展開しています。そのために必要だったのが、クラウド運用の能力、システム開発の能力、そしてWebマーケティングの能力です。この3つを基盤として少しずつ立ち上げながら、プロダクト開発を進めてきました。
この土台があるからこそ、開発から提供、マーケティングまで一貫して支援できる体制を構築できています。単なる受託開発にとどまらず、お客様の発想を形にしながら、新しい価値を生み出していくことを大切にしています。
――経営者を志したきっかけについてお聞かせください。
もともと高校生の頃から経営者になると決めていました。当時から「どの分野で起業するか」を考え続けていて、最終的にインターネットと出会ったことで、この分野で事業をやろうと決意しました。
大学時代にはAIの研究室に所属し、AIの研究開発にも取り組んでいました。その頃から起業を考えていたのですが、当時はまだ起業文化が今ほど一般的ではなく、自分自身も経営者として、さらに経験を積む必要性を感じていました。
一度は就職し、開発や技術研究に携わりながら経験を積む中で、1990年代半ばにインターネットと出会い、「これは社会を大きく変える」と確信したんです。そこから、インターネットを軸に起業する道を本格的に模索し、創業に至りました。
AIとインターネットを軸にした経営哲学
――経営判断の軸となっている価値観を教えてください。
私自身の軸としては、「インターネットとAIをどう使って社会を変えていくか」という考えがあります。一方で会社としては、お客様の競争優位性を確立するために、新しいテクノロジーを研究・開発し、支援していくことが大きなミッションです。
さらに、そうした技術を活用しながら、自社プロダクトを通じて社会を変えていくことも重要なテーマになっています。
――組織運営で大切にしていることは何でしょうか。
まず重要なのは、評価制度を社員全員が正しく理解していることです。そのうえで、自分が今何をすべきかを考えながら仕事に取り組んでもらっています。
当社は基本的にリモート中心の組織で、社員も全国各地にいます。リモート環境では、単に勤務時間をこなすだけでは評価されません。成果を出すことが求められるため、一人ひとりが主体的に行動する必要があります。
ただ、当社はコロナ禍以前から、社内コミュニケーションの多くをグループウェア上で行っており、会わなくても仕事ができる環境でした。そのため、コロナをきっかけに一気にリモート化が進んでも、大きな混乱はありませんでした。現在もその体制を継続しています。
個々の才能を生かす柔軟な組織づくり
――採用や育成において重視しているポイントを教えてください。
まず、自分で考えて行動できる人であることは非常に重要です。そのうえで、リーダーシップやマネジメント能力を持ち、部下を育てられる人材は、組織の中でも上のポジションに上がっていきます。
一方で、技術を突き詰めたい人もいます。必ずしも全員がマネジメントを目指す必要はないと考えていて、テクノロジーを追求するキャリアも尊重しています。その人に合った役割や働き方を用意することが大切だと思っています。
組織の形に人を無理に当てはめるのではなく、才能のある人がいれば、その人に合わせて新しい役割や仕組みをつくることも必要だと考えています。
AIネイティブ企業への進化とこれからの挑戦
――今後取り組んでいきたい挑戦や展望について教えてください。
現在は、自社プロダクトにもAIを組み込みながら開発を進めていますが、まだAI領域においては基盤づくりを進めている段階です。これからも研究開発を続けながら、お客様の競争力向上につながるプロダクトを提供していきたいと考えています。
社内でも「AIネイティブな会社を目指そう」という共通認識を持ち、AIを前提に経営や開発を進めることを重視していますAIを活用できる企業とそうでない企業の差は、今後さらに広がっていくと感じています。だからこそ、自分たち自身が先頭に立ってAIを取り入れ、その知見をお客様にも提供していきたいですね。
一方で、AI業界は変化のスピードが非常に速く、数カ月前に正しいと思っていた方向性がすぐ変わることもあります。生成AIサービスを提供する企業が次々と新機能を追加していく中で誤った方向に進めば、市場環境の変化に埋もれてしまう可能性もあります。
だからこそ、技術の進展を正確に読み取り、何を導入すべきかを判断することが非常に重要です。
テニスと映画でリフレッシュしながら新しい刺激を取り入れる
――休日の過ごし方やリフレッシュ方法について教えてください。
大学時代から硬式テニスを続けていて、今でも毎週テニスをしています。試合にも出ていますし、自分たちでチームを持って活動しています。テニスは今でも一番好きなスポーツですね。
ほかにもゴルフや水泳など、昔からスポーツは継続して取り組んでいます。映画鑑賞や音楽など、インプットにつながる時間も大切にしています。気になった作品は映画館へ観に行っています。
アニメもよく観ていて、話題作はできるだけチェックしています。常に新しいものに触れ続けることは、仕事においても大切な刺激になっています。
AI時代を生き抜くために必要な視点
――最後に、この記事をご覧になる方へメッセージをお願いします。
私が起業した頃は、ちょうどインターネットバブルとその崩壊の時代でした。当時、多くの企業はインターネットに対して懐疑的で、日本全体として取り組みが遅れた部分があったと思います。その結果、アメリカを中心にインターネット社会が急速に発展していきました。
今、同じことがAIでも起きていると感じています。AIはこれから社会基盤になっていく技術です。経営や組織設計の中にAIをどう取り入れるかを真剣に考えなければ、企業競争力に大きな差が生まれる可能性があります。
もちろん、AIにはリスクや課題もあります。どこまでAIに任せ、どこを人が判断するのかという議論は、今後さらに重要になっていくでしょう。それでも、恐れるだけではなく、正しい知識を持ちながら向き合っていくことが必要です。
インターネットがそうだったように、AIも社会を大きく進化させる技術です。その変化を受け入れ、活用していくことが、これからの時代には欠かせないと思っています。