そのPR、“音”で変わる――企業・自治体に広がるサウンドマーケティング
株式会社Go2 Entertainment 代表 山田 智和氏
株式会社Go2 Entertainmentは、音楽制作の枠を超え、企業や自治体のPRに「音」を活用するサウンドマーケティングを展開する企業です。従来の楽曲提供に加え、音による認知獲得やファン化を支援し、新たな価値創出に取り組んでいます。本記事では、代表の山田氏に事業の特徴や音楽への想い、組織づくり、そして今後の挑戦について伺いました。
目次
音でビジネスを強くするサウンドマーケティング事業
――御社の事業内容を教えてください。
もともとは「ビジネスに音楽を活用できないか」というところからスタートしています。当社では「音でビジネスを強くする」というスローガンを掲げており、その実現に向けた取り組みを進めています。
メジャーアーティストやアニメ作品への楽曲提供も行っていますが、それとは別の軸として、企業や自治体に対して音を活用したPR支援を行っているのが特徴です。音によって認知を獲得し、ファン化につなげる。この考え方を「サウンドマーケティング」や「サウンドブランディング」と呼んでいます。
また、地方創生につなげていくという視点もあり、音を通じて地域の魅力を伝えるような取り組みも進めています。
――他社にはない御社ならではの強みはどのような点にありますか?
一般的な音楽制作会社や音楽作家事務所は、メジャーアーティストへの楽曲提供に特化していることが多いと思います。ただ、当社の場合はそこに加えて、企業や自治体と一緒に取り組んでいる点が大きく異なります。
これまで作詞家や作曲家が関わることの少なかった領域に対して、積極的にアプローチしているのは、おそらく当社ならではの動きだと感じています。
実際にイベントなどに参加すると、「作曲家に初めて会いました」と言われることが多く、音楽を活用したいと思っていても、どこに相談すればいいのか分からないという声をよく耳にします。そうした状況の中で、直接ご提案できる立ち位置にいることが、差別化につながっていると考えています。
音楽への情熱から始まったキャリアと判断軸
――音楽の道に進まれたきっかけを教えてください。
中学2年生のときに、LINDBERGのライブを観たことがすべての始まりです。その瞬間に「自分もこうなりたい」と強く思い、音楽の道を目指すようになりました。
そこからベースを始めて、高校ではオリジナル曲を作って演奏するようになり、徐々に「音楽で生きていきたい」という想いが強くなっていきました。
大学進学のタイミングで東京に出たのも、その流れの中での決断です。当時は情報も少なかったので、まずは環境を変えないと始まらないと考えました。その後、大学卒業を機に本格的に音楽の道へ進んでいます。
――仕事における判断軸や大切にしている価値観は何でしょうか?
とてもシンプルですが、「楽しいかどうか」「ワクワクするかどうか」を基準にしています。音楽を始めた理由がそこにあるので、その感覚はずっと大事にしてきました。
何かを選ぶときには、自分の感情が動くかどうかを見ています。その取り組みに対して前向きな気持ちを持てるかどうか。そこを軸にして判断することが多いですね。
リアルな共有で支える組織づくりと人材観
――社内コミュニケーションで大切にしていることは何ですか?
できるだけリアルな状態をそのまま伝えることを意識しています。困っているときには「困っている」と正直に伝えますし、「助けてほしい」という気持ちも隠さず共有します。
一人で抱え込まず、何かあればチーム全体で共有する。このスタンスを大事にしています。そうすることで、お互いに支え合える関係が自然と生まれていくと感じています。
――どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?
やはり一番は、音楽に対する熱量の高さです。音楽が好きであること、そしてその気持ちを持ち続けられることが何より重要だと考えています。
技術は後からでも伸ばせますが、「続けること」は簡単ではありません。楽曲提供の世界はコンペ形式が多く、結果を出し続けないと次につながらない厳しさがあります。
その中で粘り強く取り組めるかどうかは、情熱や根性に大きく左右されます。どれだけ才能があっても続かなければ意味がないので、その点は特に重視しています。
音楽文化を広げるための挑戦と譲れない信念
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
私自身、乃木坂46さんやAKB48さんへの楽曲提供もしているため、企業や自治体にオリジナルソングをご提案した際にも興味を持っていただけることは多いんです。
ただ、「なぜ自分たちに音楽が必要なのか」「作ったあとにどう活用すればいいのか」という部分で思考が止まってしまうケースが少なくありません。その結果、「そこから先に進まない」という状況がどうしても生まれてしまいます。
だからこそ今後は、PRの文脈でオリジナルソングをもっと気軽に活用していただける文化をつくっていきたいと考えています。音楽を使うことが特別なことではなく、自然な選択肢のひとつになる状態を目指しています。
――その実現に向けて、現在取り組まれていることはありますか?
本来であれば、90秒ほどの楽曲があれば世界観や想いをしっかり伝えきることができます。ただ、その価値が伝わる前にハードルを感じられてしまうことが多いのが現状です。
そこで今は、より短い尺での提案に取り組んでいます。たとえば30秒や15秒のCMサイズ、あるいは5秒から10秒程度のサウンドロゴといった形で、まずは音の効果を体感していただくところからスタートしています。
そこから「もう少し長くしたい」「より深く伝えたい」と感じていただければ、段階的に展開していくイメージです。
加えて、企業のマスコットキャラクターを活用したキャラクターソングの提案も行っています。難しいパーパスや取り組みも、歌やダンスに落とし込むことで分かりやすく伝えることができます。SNSとの相性も良いため、音楽とキャラクターを掛け合わせた発信は大きな可能性があると感じています。
――それらに取り組む中で、「これだけは譲れない」という想いはありますか?
今はAIでも音楽が作れる時代になってきているので、その中で人が作る音楽の価値をどう捉えるかは常に考えています。
その中でも、人が作る音楽には「ナラティブ」があるという点は、とても重要だと感じています。背景や想いが込められているからこそ、人の心に届くものになる。この部分だけは、これからも大切にしていきたいと考えています。
思考をリセットするリフレッシュ習慣
――日々のストレス解消法やリフレッシュ方法を教えてください。
お風呂やサウナに入ること、あとは神社巡りですね。御朱印を集めるのも楽しみの一つです。
サウナに入ると、頭の中を一度リセットできる感覚があります。音楽制作や経営のことなどで思考が混み合うことが多いので、あえて何も考えない時間をつくるようにしています。
神社に行く時間も同じで、気持ちを整える大切な時間になっています。
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