職人の手による「本物」を次世代へ。伝統を守り、時代の変化にしなやかに適応する老舗花器専門店の流儀

職人の手による「本物」を次世代へ。伝統を守り、時代の変化にしなやかに適応する老舗花器専門店の流儀

有限会社ふじた花器 代表取締役 藤田 泰士氏

日本の伝統文化である華道や茶道。その足元を支え、空間の美を演出する上で欠かせないのが「花器」や「道具」の存在です。富山県高岡市に拠点を構える有限会社ふじた花器は、専門店ならではの圧倒的な品揃えと確かな目利きで、長年にわたり多くの愛好家や職人から厚い信頼を寄せられてきました。

代表取締役を務める藤田泰士氏は、親の後を継いだ2代目経営者。高岡銅器をはじめとする伝統工芸の街で、職人たちがこだわり抜いて作った素晴らしい作品を、いかにして現代の生活者に届けるかという命題に真摯に向き合い続けています。「守るべき伝統は守り、新しく変えるべき部分は大胆に変えていく」と語る藤田氏。伝統工芸の未来を見据え、ここ数年はECサイト(オンラインショップ)の強化など、ネット関係のデジタル領域にも積極的に力を入れています。老舗としての誇りを胸に、時代のニーズに臨機応変に対応しながら新たな枝葉を広げ続ける、その誠実な経営哲学と未来への展望についてお話を伺いました。

専門店ならではの品揃えと職人への敬意。「良いもの」を正しくお客様へ届ける仲介者として

――まず、現在の事業内容と、他社にはない「ふじた花器」ならではの強みについて教えてください。

私たちは、花器の販売をメインに事業を展開しています。いけばなや茶道、インテリアに用いられる花器全般を取り扱っており、一番の強みは「専門店ならではの豊富な品揃え」にあります。また、花器だけでなく、伝統工芸品である「南部鉄器」の「鉄瓶」や「風鈴」の販売も行っています。

――御社の理念や、ビジョンに込められた思いをお聞かせください。

会社としてのビジョンや理念を一言で表すとするならば、「職人さんがしっかりと作った、本当にいいものを、正しい形でお客様にお届けする」ということに尽きます。

親の背中を追って進んだ2代目の道。伝統を守ることと、新しさを取り入れることのバランス

――経営を引き継がれてから、様々な場面で決断を迫られることがあったかと思いますが藤田さんが経営判断を下す際の「軸」になっている心情や考え方はありますか?

私は現在の会社で2代目の代表になります。経営の軸を言葉にするのはなかなか難しいですが、常に意識しているのは「物事をしっかり、深く考える」ということです。その上で、あえて言うならば「伝統を守ること」と「新しくすること」のバランスでしょうか。

アットホームで風通しの良い家族経営。これからの組織に求めるのは「信頼できるかどうか」

――社内のコミュニケーションや雰囲気、従業員の方々との関係性はいかがでしょうか。

私たちは、いわゆる家族経営の会社です。そのため、組織の雰囲気としては非常にアットホームで、何でも言い合える「風通しの良さ」や「仲の良さ」というのが1つの売りであり、特徴だと思っています。

――もし今後、新しく外部の方を採用したり、これからの会社を担う人材を育成したりする場合、どのような人と一緒に働きたいと思われますか?

具体的に細かな条件をたくさん持っているわけではないのですが、やはり一番大切なのは「信頼できる人」であるかどうか、それに尽きるのではないかと思います。

伝統という「軸」に、ECサイトという「新たな枝葉」を付け加えていく未来

――今後の展望や、これから挑戦していきたい新しい展開について教えてください。

基本的には、今あるもの、これまで培ってきた伝統や基盤をしっかりと大事に守り続けることが大前提です。その強固な軸をブレさせることなく、時代に合わせた「新しい枝葉」を少しずつ付け加えていけたらいいな、と考えています。

その具体的な取り組みの1つとして、実は5〜6年前から、ECサイトの構築やオンラインショップの運営など、「ネット関係・デジタル領域」への進出に少しずつ力を入れ始めています。今後は、このオンラインショップの分野をさらにしっかりと伸ばし、ECサイトを通じて「ふじた花器」の認知度をより一層高めていきたいですね。

譲れないこだわりを持たないことが哲学。臨機応変な柔軟性と、フルマラソンで培う精神力

――藤田さんが経営、あるいは人生において「これだけは譲れない」と守り続けている哲学やこだわりがあれば教えてください。

これと言って「絶対にこれだけは譲れない」という強固なこだわりは、実はあえて持たないようにしているんです。

今の時代は、本当に変化のスピードが早いですし、何が起こるか分かりません。ですから、頑固に1つのやり方に固執するのではなく、その時々の状況に合わせて「臨機応変に、柔軟に対応していくこと」自体が、私の経営における哲学であり、一番大切にしているスタンスなのかもしれません。その都度、目の前のお客様や時代のニーズに合わせて自分を変化させていく、そのしなやかさを持ち続けたいですね。

――お仕事でお忙しい日々の中、プライベートでの趣味や、リフレッシュ方法について教えてください。

最近のリフレッシュ方法は、主に「ランニング」ですね。ただの軽いジョギング程度ではなく、実はフルマラソンに出場して完走できるくらいの距離をしっかりと走り込んでいます。

走っている時間は心地よいリフレッシュや息抜きに繋がり、新しいアイデアが浮かぶこともあるんです。

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