音楽で地域に恩返しを――Bright Soundが描くアーティスト支援と地域共創の未来
Bright Sound合同会社 代表 小浦 優人氏
Bright Sound合同会社は、アーティストの育成やオリジナル楽曲・映像制作、ライブイベントの企画運営などを手がける芸能プロダクションです。地域活性化を掲げ、音楽活動だけでなく地域イベントへの参加や高齢者支援にも力を入れています。その背景には、小浦氏自身の音楽活動や地域への感謝の想いがありました。今回は代表の小浦氏に、地域活性化×音楽の可能性についてお伺いしていきます。
目次
地域活性化を掲げる地域密着型の芸能プロダクション
――まずは事業内容から教えてください。
当社は芸能プロダクションを運営しており、所属アーティストのオリジナル楽曲や映像作品の制作・販売を行っています。
ライブイベントの開催や楽曲の著作権管理、アーティスト育成にも取り組んでおり、活動全般をサポートしているのが特徴です。
――他の芸能事務所にはない特徴や強みは何でしょうか?
当社の大きな特徴は、地域活性化を事業の柱の一つに据えていることです。事務所を置く船橋市を中心に活動しており、市役所が開催している地域イベントにも積極的に参加しています。
所属アーティストは歌手が中心ですが、モデルやインフルエンサー、企業や団体の公式アンバサダーとして活動する方もいます。アーティストによってはテレビタイアップなど幅広い活動も行っていますが、地域イベントや商業施設で歌を披露する機会が多いのも特徴です。
音楽を通じて地域を盛り上げることを目指し、地域とのつながりを大切にした活動を続けていることが、当社ならではの強みだと考えています。
アーティストの声から生まれたBright Sound
――事務所を立ち上げた経緯を教えてください。
私自身もアーティストとして活動しており、ライブイベントを開催する中で多くのアーティストと出会ってきました。その中で、「事務所を作って自分たちをプロデュースしてほしい」という相談を受ける機会が増えていったんです。
音楽業界では、「お金を払ったのに何もしてもらえなかった」といった話も少なくありません。そうした状況から、「信用できる大人のもとで活動したい」と考えるアーティストが私の周りに集まるようになりました。
そこで2016年に個人事務所としてBright Soundを立ち上げ、アーティストとともに活動を続けてきました。その後、2025年6月に法人化しています。
――アーティストの活動はどのようにサポートしているのでしょうか?
現在は所属アーティストが4名おり、業務提携という形で関わっているアーティストは40〜50名ほどいます。
所属アーティストについては、事務所が仕事の獲得やプロデュースを担当しています。一方で、提携アーティストは基本的に自由な活動を尊重しながら、楽曲制作や仕事の相談など必要な時にサポートする仕組みです。
所属という形にこだわらず、それぞれの活動スタイルに合わせた支援を行っています。
音楽の力で地域課題の解決に挑む
――今後力を入れていきたいことは何ですか?
当社は地域活性化を大きなテーマとして活動しているため、今後は「音楽健康プログラム」にさらに力を入れていきたいと考えています。歌や音楽の力を活用し、高齢者の身体機能改善や認知機能低下の予防を目指す取り組みです。
この活動を進めるために、私自身も「音楽健康指導士」の資格を取得しました。今後は老人ホームやボランティア活動の場などへ足を運び、音楽を通じて地域の方々のお役に立てる存在を目指したいと思っています。
また、音楽事務所として楽曲制作やアーティスト支援を続けながら、現在取り組んでいるママさんアーティストのためのプロジェクトにも力を入れていきたいですね。
――音楽健康指導士の資格を取得したきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけは父が脳梗塞で倒れたことでした。2度目の発症後に右半身へ麻痺が残り、自分に何かできることはないかと考えていた時に出会ったのが「音楽健康指導士」です。音楽を活用した運動やリハビリを通じて少しでも力になれればと思い、取得を決意しました。
もともと地域貢献やボランティア活動への関心があり、当初は事業というよりも地域の方々の役に立つ活動として考えていました。しかし資格取得を通じて音楽健康プログラムの可能性を実感し、現在は地域貢献につながる重要な取り組みの一つになっています。
――ママさんアーティストのためのプロジェクトとはどのような内容ですか?
「ママさんシンガー応援プロジェクト」は、子育て中でも音楽活動を続けたい方を支援する取り組みです。子どもがいると時間や費用の面で活動が難しくなるため、自宅にいながら音楽活動ができる環境づくりを進めています。
楽曲制作の依頼があれば事務所側で対応し、レコーディングやリリースまでサポートしています。また、活動費用の一部を事務所が負担することで、挑戦しやすい環境を整えているのも特徴です。
「子どもがいるから」と夢を諦めるのではなく、音楽を続けたい方の後押しができればと思っています。
アーティストとともに成長する組織を目指して
――現在抱えている課題はありますか?
アーティストのモチベーション管理は大きな課題です。活動への熱量には波があり、常に高い状態を維持するのは簡単ではありません。また、就職や結婚、出産など人生の節目で活動を終える方もいるため、メンタル面のサポートも重要になります。
さらに現在はSNSや配信サービスの普及によって、事務所に所属しなくても活動できる時代です。その中で魅力あるアーティストと出会い、共に成長していくことも大切なテーマになっています。
――将来的に地域や社会へどのような価値を提供していきたいですか?
音楽を活用した地域貢献をさらに広げていきたいと考えています。地域のお祭りを盛り上げたり、高齢者施設で活動したりと、音楽を通じて人の役に立てる存在になりたいですね。
また、歌うことは口腔機能の維持や改善にもつながります。音楽を楽しみながら健康づくりができる環境を広げ、地域の方々に貢献していきたいと思っています。
地域とのつながりを大切にする経営哲学
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
最近は妻と一緒に、これまで経験したことのないことへ挑戦するようになりました。個室サウナに行ったり、新しい飲食店を訪れたりする時間が良い刺激になっています。
また、料理にも取り組んでおり、地域の料理教室へ父と参加することもあります。昔から地域のスポーツ活動などに参加する機会が多く、年上の方々との交流を通じて学ぶことも少なくありません。そのような時間が自分自身の視野を広げてくれています。
――経営をする中で「ここだけは譲れない」というポリシーを教えてください。
私にとって最も大切なのは地域密着という考え方です。音楽活動を続ける中で地域の方々に支えていただいた経験があり、その恩返しをしたいという気持ちは今も変わりません。
また、事務所を大きくしたい理由も、単に規模を拡大したいからではありません。アーティストが音楽を仕事として続けられる環境を作りたいんです。
事務所として得た利益をどう還元し、どう支えていくか。その仕組みを作ることが、私の中で最も重要なテーマになっています。