持続可能な農業と地域資源の価値を、事業としてつないでいく
淡路島ビオ畑合同会社 代表 児島 光宏 氏
農業を軸に、固定種・在来種へのこだわりを持ちながら事業を展開している淡路島ビオ畑。現在は、グルテンフリーのパンとスイーツの販売に加え、淡路島在来の花を活用した美容コスメ事業にも取り組まれています。その根底にあるのは、持続可能な農業を守りたいという思いと、社会の役に立つ事業をしたいという信念です。今回は、児島氏に創業の背景や事業への考え方、今後の展望について伺いました。
目次
在来種と固定種にこだわり、社会につながる事業を形にする
——現在の事業の特徴や、他社にはない強みについて教えてください。
農業に関しては、在来種が好きで、自分が作る野菜も基本的に在来種や固定種しか作っていません。一般的には「F1」と呼ばれる種を使う農家さんも多いのですが、自分はF1の種は使わず、固定種を使うようにしています。
——固定種にこだわる理由は何でしょうか。
持続可能という点に惹かれているからです。固定種は自家採種して、また植えて、また作物を作ることができます。一方でF1は、一代目が優秀になるように設計されているので、その後どうなるか分からない面があります。
基本的に毎年買わないといけません。固定種なら自分で種をつないでいけるので、持続可能ということにつながっていると思っています。
——理念やビジョンに込めている思いについてもお聞かせください。
持続可能とか社会貢献という点は大事にしています。去年の4月から、お店を始めて、グルテンフリーのパンとスイーツを作って販売しています。これを始めようと思ったきっかけは、YouTubeで農業の情報を発信している方の話を聞いたことでした。
お米農家の96%が赤字になるという話を聞いて、お米は日本の主食なのに、その主食が農家さんの善意で成り立っているような状況はまずいと思ったんです。
日本人はパンが好きなので、パンが日本のお米に置き換われば、お米農家さんのサポートになるのではないかと思い、この事業を始めました。社会のためとか、他の人の助けになりたいという思いが、自分の行動の動機になっています。
フランスで見た風景が、今の原点になった
——会社を立ち上げるに至った経緯を教えてください。
最初はずっと農業をやっていました。本格的に始める前に、ワーキングホリデーでフランスやスイスに行っていたんです。
現地では、農業研修で有機農家を回る仕組みを使っていて、農家巡りをしていました。農家で働きながら学ぶ形で、有機農家さんを見て回っていたんです。日本に帰ってきてから、自分でも農業を実践する流れになりました。
——その経験の中で、特に印象に残っていることはありますか。
向こうの有機農家さんは、自分でマルシェに出て販売していることが多かったんです。そういう形がいいなと思いました。
実際に淡路島に戻ってきてからも、無農薬の農家さんたちで集まってマルシェをしようという流れができて、それが継続的に続いています。あのときに受けた影響は、今にもつながっています。
——経営判断の軸になっている価値観について教えてください。
もともと社会貢献になることをしたいという思いでやっているので、経営においても、ただ利益があればいいとは考えていません。
自分自身、曲がったことが嫌いですし、法律的なことはもちろん、人としてどうなのかという点も常に気にしています。だから、社会の役に立てるかどうかが、一つの判断基準になっています。
感謝を忘れず、思いを共有できる関係を大切にする
——組織の運営や、社内のコミュニケーションで大切にしていることは何ですか。
今のところ身内だけでやっているので、特別に気を使うことばかりではありませんが、常に感謝の気持ちを持つようにしています。それはとても大事にしていることです。
——今後、採用や育成を進めるとしたら、どのような方と一緒に働きたいと考えていますか。
自分の事業に興味を持ってくれる人がいいと思っていますし、社会貢献への思いを持ってくれている人が合うと思っています。
ただ仕事をするだけではなく、そういう思いを共有できる方と一緒にやれたらいいなと思います。
お米農家と在来種を守るために、事業の幅を広げていきたい
——今後取り組んでいきたいことや、新しい挑戦について教えてください。
グルテンフリーのお店は1年間、週2日の営業でしたが、春から週4日になりました。もう一つの事業として、化粧品や美容コスメの販売もしています。
90年の歴史がある淡路島在来の花があって、日本名では金盞花、世界的にはカレンデュラと呼ばれるものです。オレンジ色のマリーゴールドみたいな花なんですが、それを淡路島で作っている農家さんがいて、2軒ぐらいしか残っていないと聞いています。
その淡路島在来種の花を未来に残したいと言う想いで、食用のエディブルフラワーとして作っている方がいるんです。その方の販売先のサポートになればと思って、美容コスメ事業を始めました。ここでも、淡路島の在来種を守りたいという思いがあります。
——現在向き合っている課題についても教えてください。
パンとスイーツのネット販売は、準備自体はしているのですが、まだ本格的に動けていない部分があります。なので、そこを今後強化していきたいです。
あとは商品開発ですね。商品自体がまだあまり多くないので、もっとラインナップを増やせるように、今後も研究していかないといけないと思っています。
体を整え、人と会い、日々を前向きに積み重ねる
——お休みの日や日常の中で、どのようにリフレッシュしていますか。
所属している経営者の会があって、そのイベントで会員さんのお店に集まって何かをすることもよくあるので、そういう場に顔を出したりしています。
また、昔からジム通いもしていたので、体を鍛えたり、筋トレをしたりしてリフレッシュしています。あとは意識的に歩くようになりました。歩くとポイントが貰えるアプリをスマホに入れたので、歩くモチベーションになっています。
——健康面で心がけていることはありますか。
食生活は気をつけています。自分でも無農薬で野菜を作っていますし、家ではなるべく無農薬のものを選ぶようにしています。
お肉より魚を食べるようにしていますし、グルテンフリーも実践するようにしています。外食の際はそこまで厳しくしていないですが、家ではできるだけ体に気を配ることは大事にしています。