家族の幸せをテクノロジーで支える――ユニファが描く保育DXと社会インフラへの挑戦

ユニファ株式会社 代表取締役CEO 土岐 泰之氏

保育・教育の現場には、いまだ多くのアナログ業務が残されています。そうした課題に対し、ICTやAIを活用したソリューションで変革をもたらしているのがユニファ株式会社です。同社は保育施設向けにDXを推進し、現場の負担軽減だけでなく、子どもたちの成長や家族の幸せに寄与する新たな価値創出を目指しています。本記事では、代表取締役CEOの土岐泰之氏に、事業の背景や強み、組織づくり、そして今後の展望について伺いました。

保育現場のDXを支えるトータルソリューション

――現在の事業内容について教えてください。

保育園や幼稚園、こども園など保育施設のDXをプラットフォームとして、トータルソリューションを提供しています。これまで保育の現場では、連絡帳や写真管理など多くの業務がアナログで行われてきました。そうした領域に対し、ICTやAIを活用し、保育者の方々がタブレット一つで業務を完結できるような環境を構築しています。業務効率化だけでなく、現場全体の生産性と保育の質の向上を目指しています。

――事業を始めたきっかけを教えてください。

自身の子育て経験が大きなきっかけです。東京で子育てをする中で、その大変さを痛感し、仕事や生活を大きく変える経験もしました。その中で、日本の子育て環境に課題を感じ、何か社会に貢献できることはないかと考えるようになりました。姉が保育士だったこともあり、保育業界の課題をテクノロジーで解決し、最終的に家族の幸せにつなげたいという思いから起業に至りました。

挑戦の連続だった事業統合と成長の裏側

――これまでの中で大きな挑戦は何でしたか。

2013年の創業以来、資金面の苦労や人材の離職など、スタートアップとして一通りの困難は経験してきました。その中でも特に大きかったのは、複数の事業を一つに束ねていくプロセスです。写真事業、IoTサービス、連絡帳など、異なる領域を統合しながら組織としての一体感を維持することは非常に難しかったと感じています。

――事業の強みはどこにありますか。

単なる業務効率化にとどまらず、子どもの安全・安心や保育の質向上まで踏み込んだ価値提供ができている点です。複数のサービスを統合し、顧客のニーズの一歩先を見据えて提供し続けてきた結果、他社にはないワンストップソリューションを実現しています。

パーパスを軸にした組織づくり

――組織運営で大切にしていることは何でしょうか。

「家族の幸せを生み出す あたらしい社会インフラを 世界中で創り出す」というパーパスを軸にしています。この考えに共感する仲間を世界中から集め、チームとして価値を生み出しています。One More StepやPlay Fair、Speed Drivenといったバリューを掲げ、個々が成長し続ける組織を目指しています。

――社員に価値観を浸透させる工夫はありますか。

毎月開催している全社会やCEOトーク、半年に一度開催する全社総会などを通じて、私自身の言葉で、繰り返しメッセージを伝える場を都度もらっています。また、バリュー体現者を表彰する取り組みや評価制度にも反映させることで、日常業務の中で自然と価値観が共有される仕組みを作っています。重要なのは継続することであり、愚直に伝え続けることだと考えています。

未来を見据えたAI活用と社会インフラ構想

――今後の展望について教えてください。

これからは単なる業務効率化ではなく、保育の質そのものを高める領域に踏み込んでいきます。子どもたちの成長データを活用し、AIによって一人ひとりに最適な保育を実現することを目指しています。

――具体的な取り組みはありますか。

例えばルクミーの保育AI「すくすくレポート®」というサービスでは、日々の写真や連絡帳、日誌などの記録をAIが分析し、クラスや園児ごとの成長を可視化するレポートを自動で生成します。これにより保育者が子ども一人ひとりとより深く向き合える新たな時間の創出や、環境を提供します。将来的には、こうしたデータを社会全体で活用し、子どもたちの成長を支えるインフラとして展開していきたいと考えています。

人生のテーマと向き合うということ

――経営者として譲れない価値観は何でしょうか。

家族や子どもの幸せというテーマに人生をかけるということです。この領域から外れることはなく、一貫して挑戦し続けると決めています。自身の原体験や家族への思いが、その価値観の根底にあります。

――読者へのメッセージをお願いします。

自分の人生のテーマを見つけることがとても重要だと思います。それは得意なことではなく、自分にとって本当に大切なものから見つかる場合もあります。私の場合は家族でした。すべての人が同じである必要はありませんが、自分の使命だと思えるテーマを見つけることが、後悔のない人生につながるのではないでしょうか。その一つの選択肢として、私たちの取り組みに関心を持っていただけたら嬉しいです。

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